今から38年前、私が社会人として仕事を始めるようになったころ、父が退職金をすべて使って高崎市の家を新築する、という話になった。私が演奏活動を行っていることもあり(その頃は東京に住んでいたのだが)音楽室も作ろう、ということになってできた部屋である。
20畳の部屋、というのは結構あるようだが、この部屋は床を通常より下げて天井を高くする工夫をしてある。これは、東京で先輩のお宅を訪問した時にヒントを得たものだ。おかげで長時間練習をしても疲れない。良い部屋だと思う。今から思えばよくこんな部屋を作ってくれたものだ。父には感謝しかない。
ところで本日、ピアノの下に敷いてあったカーペットが古くなったので処分することとした。当初は写真のような状態だったのだが、練習をしていて音が響きすぎると思って敷いたように記憶している。最近このピアノを弾いていて、どうも音の響きが今一つだなあという感じがしていたこともあり、思い切ってなくしてみたらどうか、という考えになったのである。
結果は、音の響きが自然で美しくなった。ショパンのノクターンを弾いてみたが、ヤマハもなかなか良い音だということを再認識した。今までは強い音を出す時に少し無駄な力が入るような気がしていたのだ。
よく考えてみるとピアノはヨーロッパで作られた楽器なので、ある程度の響きを持った部屋で演奏されるようにできているのだと思う。床や天井に反響することの含めての「音」なのだと思った。
このピアノにはキャスターが取り付けてあるので、2台を向かい合わせにしての練習も簡単にできる。いつかそんなことも計画してみたいものである。