過日のコンサート。コラボとは | ピアノ・作詩・作書画アーティスト♬矢野志保美 ピアノ・アレクサンダーテクニック講師 Shihomi Yano

ピアノ・作詩・作書画アーティスト♬矢野志保美 ピアノ・アレクサンダーテクニック講師 Shihomi Yano

ピアノ、作詩・書道、作画やっています。(志季project)
ピアノ、アレクサンダーテクニックの講師。2024年4月より移転、神戸市東灘区にてレッスンしています!
ハンブルク・スタインウェイO型があります。
http://shihomi-piano-alex.jimdo.com/

河村(矢野)志保美

随分と日が経ってからの投稿になってしまいましたが……。
一度にショパンにドビュッシーにラヴェル…と、すごいプログラムな上に「木」のお話。
今回は司会に吉川さんもいらして、スムーズな進行に、コラボとして違和感なく素敵な会でした。

考えてみれば、大きな自然の前、宇宙的な視野でみたら、ピアノの音も木も、自然の流れ、リズム、時間、空間…と同じなのかもと。。。
そんな気づきの日曜日でした。

刹那の水の、輝き。
演奏はまさに刹那の芸術ですが、木を切るお仕事というのは、木のあらゆる面を知り尽くした方々の、いにしえから今へ、継続のたまものであり、それは木の年輪や建物に刻まれた年月を、語るものだなと改めて思いました。

父が、「花よ蝶よだけの世界ではなく、そこには経済活動、歴史があることを忘れないように」といつも言っていたことが思い出されます。

というのも、父は経済学者だったのですが、森林交付税という税政を作った当人でありました。(なんか違う女性が作ったことになってるとの事ですが😂)
当時子供だった私は、本などで自然を守りましょう、里山の話…のようなものを読んでいて、よくある環境派が言いそうな事をわりと真面目に捉えていたわけです。

しかし現実はそんな単純な話ではなく、経済活動があって、父は学者として携わって包括的に森が守られるようしくみを作っていたんだなと知り、自分の小ささを感じたのでした。
久しぶりにそんな事を思い出しました。

木を切る側の方々のお話を聞けたことで、私は元々山にまつわる作品を書きたいと思いながら手を付けかねていたのは……。
色んな立場を知り学んでからではないと、表面的になり胡散臭くなるからと思っていたからなのかなと。

コラボは、安易に手を出すと、うす〜くあさく、なんちゃって文化人風になってしまう怖さもあると思うのですが、両者がプロフェッショナルだと、そこには新しい化学変化が生まれてその現場にいるお客様は大満足!になるものなのだと思いました。
昔から、私のような経歴だと、音楽以外の大学関係者やら芸術家などが周りにいて、よくコラボしたらどうかという話があったのですが。
当時は自分自身が未熟だし、どうも「欠けているから補い合おう」は単なる傷の舐め合いようでちょっと……という考えがあり、してこなかったんですよね。
今少し自分の道も見えて、軸もできたので考えも変わってきましたが。

会は、時が熟して、新たに輪が広がる、そういう現場にいるなぁと、楽しい時間を過ごさせていただきました。

一見関係なさそうなもののようだけれど、相反しないで、逆に共通点を見出してお客様にも伝わっているところが良いですね。

外はもうすぐ梅雨入りかな、と瑞々しくて、ピアノの本当に瑞々しくて一音一音が美しい演奏にぴったりな一日だと思いました!

同じアコースティックなピアノでも、人工的な音に聴こえる演奏もあるけれど、純子先生のピアノとその演奏は、ああ!木だったなぁ!と思える、無理なく楽器全体が鳴っている音で、フレーズも拍動感も自然でとても心地よいなと思いました。
ありがとうございました。