『あした、弁当を作る。』(ひこ・田中) | ほたるの学校

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新刊『ショウと伊介のふしぎなスケッチブック』がでました。どうぞよろしくお願いいたします。

読みました。主人公は、中学1年の日下部龍樹(くさかべたつき)。専業主婦の母は、完璧に家事をこなし龍樹の世話をすることを生きがいにしています💦

けれど、龍樹は、母との関係、父との関係、両親同士の関係について違和感を覚えています。母は勝手に龍樹の部屋に入り、掃除や片付けをします。

「ぼくは母親に自分の体を勝手に触られるのも、勝手に部屋にはいられるのも嫌だ。ぼくは、母に支配されているのではないか?」と疑問がわいてきます。母は、父がいるところでは父の味方をしますが、いないところでは父の悪口を言うのです笑い泣き笑い泣き笑い泣き

横暴な父は人の悪口をいい、龍樹と母にいつも命令してくるのです。いびつな関係の家族から龍樹は、自立しようともがいていきます。

自分で弁当を作り、自分の服を洗濯します。すると、龍樹の世話をするのが生きがいの母の仕事を奪うことになるので、葛藤し続けます。

 

そんな龍樹の気持ちをわかってくれるのは、幼馴染や友達です。カホやアヤ、マサル、マシロなどのユーモアのある的確なアドバイスが龍樹の前を照らしてくれます。龍樹は自分で痛みをともなう自立への道を歩んでいきます。

 

我が家の息子の場合は、弁当ではなく服でした。小学校高学年から自分で選んだ服でないと、絶対に着ませんでした。小学生の頃から休みの日は、バスに乗って一人で服を買いにいっていました。中学校は給食だったので、お弁当を作ることはありませんでしたが…。彼にとって自分が自分であるために、必要なこだわりだったと思います。