ニューデリーの鉄柱!!(5/24) | sakoのブログ

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インドの謎の鉄柱、1600年経った今もさびない理由とは?


ニューデリーの有名な鉄柱。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産「クトゥブ・ミナールとその建造物群」の敷地内にある/Allen Brown/Alamy Stock Photo


(CNN)鉄の構造物が、風雨にさらされながら1600年もの間さびることなくそびえ立つことは可能なのだろうか。建造当時の技術不足を考えると、あり得ないことのように思える。


だが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている「デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群」(インド・ニューデリー南郊のメヘラウリー地区に位置する13世紀初頭に建てられた歴史的記念碑と建造物の複合建築群)の敷地内には、まさにこの謎を証明するような不思議な建造物がある。


クッワト・アルイスラム・モスクの中庭に入るとすぐに、上部に装飾が施された高さ7.2メートル、重さ6トンの鉄柱が目に入る。


注目すべき点は、この鉄柱はニューデリーの猛暑や汚染などの環境的な逆境や経年劣化をものともせず、建造当時と同じように原形を保っていることだ。その起源は5世紀までさかのぼり、その驚くべき耐久力は今なお旅行者を魅了し続けている。


なぜこれほど長い間、腐食に耐えることができたのか?

通常、空気や湿気にさらされた鉄や鉄合金の構造物は、時間の経過とともに酸化し、パリのエッフェル塔のように何層もの特殊塗料で保護されない限り、さびで覆われる。インド国内外の科学者たちは1912年、この鉄柱の研究を開始し、なぜ腐食しなかったのかを解明しようとした。


その謎が解明されたのは2003年のことで、インド工科大学(IIT)カンプール校の研究者らが、答えを学術誌「カレント・サイエンス」に発表した。


鉄柱は主に錬鉄でできており、現代の鉄とは異なり、リンの含有量が高く(約1%)、硫黄とマグネシウムが不足していた。さらに、古代の職人は「鍛接」と呼ばれる技法を使用していたことが判明した。


つまり鉄を加熱して叩(たた)くことで、高いリン含有量をそのまま維持できたのだが、現代では珍しい技法である。


この論文を執筆した考古冶金学者のR.バラスブラマニアム氏は、この型破りな方法によって柱の強度が維持できたと述べた。


同氏によると、鉄、酸素、水素で形成された化合物「ミサワイト」の薄い層も柱の表面から発見された。この層は、鉄に含まれるリンの含有量が高く、石灰が存在しないことで触媒的に形成され、柱の耐久性をさらに高めるという。


バラスブラマニアム氏は当時の冶金学者たちの創意工夫を称賛し、この柱を「古代インドの冶金技術の生きた証し」と表現した。


その耐久性は歴史的な記録によって証明されている。その中には18世紀にこの柱に向けて発射された砲弾が柱を打ち砕けなかったと伝えられた出来事も含まれており、鉄柱の驚くべき強度が示されている。


現在、この柱は国立冶金研究所やインド金属研究所といった機関の紋章に使われている。


鉄柱の起源にまつわる神話と伝説

鉄柱の起源も謎に包まれている。広く流布している説の一つは古代インド王朝のグプタ朝、とりわけチャンドラグプタ2世が在位していた4世紀から5世紀ごろまでさかのぼるものだ。


この説によると、柱はヒンドゥー教の神ビシュヌ神に捧げられた勝利の記念碑として、マディヤプラデーシュ州ビディシャ近郊にあるウダヤギリ石窟寺院群内に建てられた。かつてその頂部には、インド神話に登場するビシュヌ神の乗り物である聖鳥ガルダの像があったと言われているが、この像は歴史の中で失われている。


文化遺産活動家で教育者のビクラムジット・シン・ループライ氏が提唱する別の説によると、鉄柱はインドの高名な天文学者、バラーハミヒラが購入した可能性があるという。


「彼の著書の一つである『スールヤシッダーンタ』には、天体の位置、日食、その他の天文現象を計算する方法が詳述されているが、その計算にあたり高い柱を使っていたと考えられている」とビクラムジット氏は指摘する。


「バラーハミヒラがビディシャからミヒラプリ(現在のメヘラウリー)に移住し、そこで天文台を設立した際、研究と計算で継続的に使用するためにこの柱を持ち込んだ可能性がある」


また、ラジャ・アナンパルといった歴史上の著名な人物や、イルトゥミシュやクトゥブッディーン・アイバクのようなイスラム教徒の統治者らが、この柱をクトゥブ・ミナールに移したという記録もある。


芸術の世界で言及されているものもある。プリトビーラージャ3世統治下のチャーハマーナ朝に仕えた詩人チャンド・バルダーイーが書いた叙事詩「プリトビーラージ・ラーソー」では、この鉄柱が重要な意味を持つ。


「バルダーイーは、ラーソーの鉄柱はヒンドゥー教神話に登場するヘビの王シェシュナグの蹄(ひづめ)で、地球を支える釘(くぎ)だと表現している」とビクラムジット氏は説明した。


「ラーソーでは、悲惨な結果になるというバラモンたちの警告にもかかわらず、ラジャ・アナンパルがこの釘を引き抜こうとしたことが語られている。釘が引き抜かれると、シェシュナグの血と思われる赤い基部が現れ、地球の破壊を恐れてパニック状態になった。アナンパルはすぐに釘を再設置するよう命じたが、きちんと固定されていなかったため、緩んでしまった。バルダーイーは、この出来事がデリー(Delhi)の俗称『ディリ(Dilli)』に影響を与えたと示唆している。これはヒンディー語で『緩い』を意味する『ディリ(dhilli)』をもじったものである」


文化的意義と保存への取り組み

ある言い伝えによれば、この柱に背を向けて立ち、両腕を後ろに回し、両手をつなぐことができたら願いがかなうとされ、柱には歴史的な価値を超えた精神的な意味も込められている。


だがインド考古調査局(ASI)は、人為的な影響を最小限に抑えるため、柱の周りにフェンスを設置した。


修復建築家で文化遺産の専門家であるプラヤ・ナガル氏は、鉄柱周辺の建物が長年にわたり取り壊され、再建されてきたにもかかわらず、この柱が保存されていることに注目している。


同氏は、柱の建造に使われた技術を、単に古代の起源を認めるだけでなく、新たな視点から見れば、金属抽出といった工程に伴う環境への悪影響を考慮して、持続可能な代替材料の開発に同様の技法を活用する道が見つかるかもしれないとCNNに語っている。


「単に保存され、驚嘆される遺物や記念碑を超えて、伝統的な知識や先住民の慣習の宝庫として歴史を見ることが不可欠だ。この包括的なアプローチは、より持続可能な未来への道を切り開く可能性を秘めている」


https://news.livedoor.com/article/detail/26432023/


残すべき技法ってあるもんですね!