11月28日のおぜみ | KKおぜみのブログ

KKおぜみのブログ

埼玉県草加市にある、
獨協大学外国語学部
工藤和宏ゼミナールの
ブログです♪
ツイッターは、@kkseminarです。

こんにちは。
kkゼミ9期4年の水野です。

近頃は寒さも増し、病院の待合室にはたくさんの患者さんで混雑!
なんてくらいに風邪は流行ってきておりますので、体調にはくれぐれもお気をつけください。

さて、11月28日のおぜみでは2グループからプレゼン発表をしてもらいました。


◆1グループ目◆
トピック:「あなたは誰かのために社会的不正と闘いますか?」
≪基本教材≫ DeTurk, S. (2011). Allies in action: The communicative experiences of people who challenge social injustice on behalf of others. Communication Quarterly, 59, 569-590.

この論文では、論文タイトルの文字通り、コミュニケーションを通してさまざまな社会的不正に立ち向かう人々の研究を目的に内容が展開されています。

最初に発表班は、論文の要旨や議論展開の補助説明として、WHO?・WHAT?・WHY?・HOW?の4つの要素の問いかけを基に話を進行させました。

●WHO(誰が社会的不正に立ち向かっているか)
Alliance: 社会的不正を被る当事者と共通の目的(不当な扱いや差別を失くすこと)を持って、社会的不正に立ち向かう集団(今回のプレゼンテーションテーマでは黒人集団と推定)
Ally(Allies): より高い社会的地位を持ち、社会的不正にさらされている人々のために社会的不正に立ち向かう人や集団(今回のプレゼンテーションテーマでは白人/白人集団と推定)

●WHAT(社会的不正とは何か)
人種差別や性差別、同性愛者への偏見など、社会的に不当な扱いを総称的に「社会的不正(Social Injustice)」と表現

●WHY(なぜ社会的不正に立ち向かうのか)
・社会的不正を失くし、平等な社会を望むため(利他主義
・自身の成長のみを求め、自分の行いが周囲から敬され良いように思われたいため(利己主義
※Allies(白人)の人たちの中には、この利己主義的な考えのみで社会的不正に立ち向かうものがいる。

●HOW(どのような手段で社会的不正に立ち向かうか)
手段例:
・政治運動
・「無言の圧力」⇒ 白人女性の妻とネイティブアメリカンの夫が、彼らの娘の個人面談の際に、先生が白人女性の妻にしか目をやらなかったので、妻は下を向いて先生の顔に目をやらず、夫に目を向けさせようとした。
※AllyやAllianceはコミュニケーションを通して活動を行うが、Non-verbalな手段を取ることもある。

発表班は、AllianceAllyの関係性と利他主義利己主義の考え方に着目し、社会的不正に立ち向かう上で、Allianceがうまく機能していない(利他主義的な考えがきっかけで社会的不正に立ち向かうAlliesが原因で共通の目的を失っている)状況を改善するために、解決策を議論するディスカッション・クエスチョンを提示しました。

理想論も含めた回答例:
・たとえ考え方が異なり、利己主義的な理由で社会的不正に立ち向かっていても、Alliesの活動が周囲に影響を与え、集団規模(援護規模)も大きくなる可能性があるため、Allyは重要な役割を持っているのではないか。
・AlliesがAllianceから外れ、Allies側が直接的に政府などに意見や考えを訴えるようにする。
・利己主義の人を利他主義に変える(その人が利己主義や利他主義かどうかは外見上では判断が難しい問題点もあり)。もしくは利己主義を排除する。


◆2グループ目◆
トピック:「もうひとつのサッカーが観客に残すもの」
≪基本教材≫ de Haan, D., Faull, A., & Kohe, G. Z. (2014). Celebrating the social in soccer: Spectators’ experiences of the forgotten (Blind) Football World Cup, Soccer & Society, 15 (4), 578-595.

もう一つの発表班からは、障害者スポーツの現状・未来に関する内容について発表してくれました。この論文では、障害者スポーツ・競技を観に来た観客を調査対象とし(この論文では、ブラインドサッカーの観客に調査)、障害者スポーツへの観客参加は、観客と視覚障害者との良好な関係構築の機会を創出すると結論づけています。

障害者スポーツのことをあまり知らない人は多いのではないのでしょうか。実際、ヨーロッパと日本とでは障害者スポーツの考え方が異なっており、ヨーロッパでは一般スポーツと対等に「障害者スポーツ」という概念を持っています。日本では障害者スポーツに関する認知度も低く、障害者専用のスポーツ施設が不十分で充実していない状況です。

そこで、ディスカッション・クエスチョンでは、障害者スポーツが日本社会に活発化するために何が必要かという疑問が問いかけられました。

私のグループでは、テレビ放送や漫画・アニメなど、メディアを有効的に活かした方法について意見を提示しました。発表班は、「ノーマライゼーション」の概念の普及について意見を出し、障害者を「特別視」せず、健常者と同様の生活や権利などが保障されるような社会構造を目指していくべきだと主張していました。


最後に、2つのテーマを総合的に見て今日の授業テーマを議論し合い、まとめを行いました。私にとっては、社会的不正の問題に関しても、障害者スポーツの現状に関しても、今回の授業での学習を通して初めて知った事柄が多かった気がします。議論の中でも似たような意見がありましたが、自分が持つ経験や学んだ知識を周りの人たちに「伝えること」は、Allianceがうまく機能していない問題の解決策としても、障害者スポーツを日本社会で活発化させる方法としても、規模の拡大や浸透を可能にさせることのできるある種一つの手段としても言えるのかもしれないですね。


以上、11月28日のおぜみの簡単な授業内容の紹介でした。

授業日数もあとわずか!!
残り短い時間の中でさらなる「学び」を得て、
無事に卒業できれば良いですね。


水野