経済産業省は2日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会を開催し、エネルギーを巡る最近の動向について情報共有した。同分科会の開催は昨年12月以来となる。今回は中東情勢緊迫化をふまえた石油やLNGの調達などについて意見を交換した。
今回の会合ではさらに一歩踏み込み、資源・燃料の安定調達・供給に向けた方向性が示され、今後はAI・データセンターなどによる電力需要増などを背景に、エネルギー・トランジションだけではなく、エネルギー・アディションが世界的な課題であることもふまえ、化石燃料および非化石資源の双方の安定供給に向けた取り組みが必要との考えが示された。
このうち石油関連では、供給源・供給ルートの多角化や資源外交、国内外の資源開発、安定的な輸送の確保、国内供給構造および備蓄体制の整備、SSネットワークの強化などを通じた、化石燃料の上流から下流までのサプライチェーンの強靱化や水素・バイオ燃料・地熱の導入促進や、CCS(CO2回収・貯留)の事業化などの非化石資源等の供給・利用の拡大を図る必要があると指摘。原油については、地理的な近接性や資源国との中長期的な協力関係などを総合的に判断し、供給余力のある国から分散して調達し、資源外交やエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によるリスクマネーの供給を通じて供給源の多角化を推進していくことが必要不可欠との考えが示された。
一方、国内においては平時から安定供給体制を維持するため、重要施設で非常用電源を確保するための燃料確保と、石油組合と自治体などが随意契約を締結する「官公需対応」が重要と指摘。災害発生時など石油販売業者が緊急時の燃料供給をスムーズに行うため、重要施設にある燃料タンクの容量や口径、配送ルートの確認など、日頃からコミュニケーションをとっていくことの重要性も示された。

石油通信社

石油元売各社6月1週の仕切価格は、引き続き円建ての原油コストが下落していることを受けて各社とも全油種・前週比▲3.5円を通知している。
また、資源エネルギー庁の燃料油価格激変緩和対策事業(ガソリン補助金)の影響を含めた実質的な卸値は、元売などに支給する補助金が減額となったことを受けて+0.4円と前週に続き仕切価格の値下げが打ち消される形となった。
なお、エネ庁は今週からガソリン補助金の指標を変更した。油価は日本経済新聞夕刊に掲載されている日経ブレントからS&Pグローバル・エナジーが提供するドバイ原油価格(プラッツドバイ)に変更、為替は三菱UFJ銀行TTS(電信売相場)レートから、TTM(電信仲値相場)レートに変更した。TTMは、TTSとTTB(電信買相場)の中間値となる。

油価については、中東情勢緊迫化により油価が急騰した3月19日から、日経ドバイから日経ブレントに変更していたが、今回はドバイ原油価格に戻す。「(ホルムズ海峡が封鎖された3月上旬以降の)市場価格の混乱が落ち着いたため」(エネ庁)としている。初回は油価と為替の5月26日~6月1日平均を前週(5月19日~5月25日)で比較。基準価格170円を含め計算式は変更しない。
日経ドバイは夕刊が発刊されない祝日などに数値が掲載されず、ゴールデンウィークなどは各日の価格変動が週間原油コストに大きく影響したり、プラッツ・ドバイやオマーンの油価などを参照する元売との差異が生じることがあったが、今回の見直しにより元売とエネ庁のコスト認識がさらに近づくことになる。他方で一般ユーザー間の情報共有が困難なプラッツ・ドバイを採用したことで、指標としてやや不透明になるとの指摘もある。
なお、今週の価格改定では、5月積のアラビアンライト調整金が17.0円のコスト上乗せ要因となるはずだったが、反映されず、ENEOSが5月以降、毎月反映するとしていた代替調達コストも上乗せされなかったとみられる。

石油通信社

主要都市交通局の2026年度第2四半期(7~9月)のバス向け軽油一般競争入札が6月2日の横浜市を皮切りにスタートしたが、中東情勢緊迫化を背景に第1四半期(4~6月)に続き変則的な調達方法を継続するケースも多く、混乱した状況が続いている。
今年3月に実施された1Q入札では、中東情勢緊迫化により世界の石油需給が一変。3月上旬にイランがホルムズ海峡を封鎖し、日本を含むアジアなどの原油や石油製品の供給が大きな影響を受ける事態が発生した。こうした影響により、各都市のバス向け軽油入札は、3月3日に入札を実施した横浜市のみ成立。その後に入札を控えていた都市交通局は軒並み不調となり、一部の事業者と随意契約を行ったり、契約期間も四半期から単月や1ヵ月半の契約が目立った。
なお、2Q入札でも一部の都市は単月や前後半(7月1日~8月15日、8月16日~9月30日)での入札を実施。中東情勢の緊迫化のほか、政府のガソリン補助金が今夏に向けて縮小あるいは廃止されるのではないかとの見方もあり、こうした影響を見極める目的もあるとみられる。

石油通信社
 

出光興産は6月1日から、「Idemitsu Art Award 2026」の作品募集を開始した。
同賞は、1956年に創設され、「若手作家の登竜門」に位置付けられるなど、設立当初から若手作家を対象とする完全公募制の美術賞として美術界で高い評価を得ている。
グランプリの賞金(1点)は300万円、審査員賞(5点)は各30万円、学生特別賞(1~2点)は各10万円。このほか入選(40~50点)を選出する。
入賞作品は国立新美術館で12月9日から21日まで開催(12月15日休館)される「Idemitsu Art Award 展2025」で展示。このほか、開催期間中の来場者による投票でオーディエンス賞(1点)、展示終了後に出光興産公式XやIdemitsu Art Award公式インスタグラムの投票によりSNS賞(1点)も選出する。
審査員は、埼玉県立近代美術館主任学芸員の大浦周氏、豊田市美術館学芸員の鈴木俊晴氏、大阪中之島美術館主任学芸員の中村史子氏に加え、新たに森美術館シニア・キュレーター德山拓一氏、アーティスト松川朋奈氏が審査員として参加する。
応募資格は、生年月日が1986年4月1日以降に若手作家(エントリー時に生年月日が確認できる証明書などの画像を提出)で、平面作品でワイヤーによる壁面展示が可能なものが対象(2024年以降に制作された新作で、他の公募展などで入選していない作品)となる。サイズは162.0cm×162.0cm(S100号)以内、厚さ15cm以内、重量30kg以内。
出品は1人3点までで、出品料は1点7000円、2点1万1000円、3点1万4000円。25歳以下の場合1点目は無料(2点目7000円、3点目1万1000円)。エントリーは7月31日まで。作品搬入は、直接搬入の場合は8月22日、23日。送付搬入の場合は8月20日、21日の2日間(必着)など所定のルールを設定している。
今回も学生支援企画として、学生特別賞を設定するほか、「Idemitsu Art Award展 2026」の入場料を無料にする。
出光興産は、企業市民活動の軸のひとつに、心の豊かさを育む「文化・芸術」を掲げており、引き続き「Idemitsu Art Award」を通じて、次代の芸術分野を担う人たちの創造と挑戦、成長のエネルギーを支える方針。

石油通信社

経済産業省がまとめた、4月の石油統計速報によると、燃料油販売(国内向け販売)は、合計974万3341kl(前年同月比▲11.3%)で推移している。3ヵ月連続の減少となる。油種別販売でみると、ナフサは、193万7572kl(▲35.6%)で3ヵ月連続で減少。潤滑油は、16万4794kl(+30.3%)に増加している。
ナフサと潤滑油は、今回の中東情勢緊迫化以前から他の石油製品に比べると輸入比率が高かったが、4月は伸び率だけでみると、ナフサ輸入は▲43.7%、潤滑油輸入は▲50.5%と激減している。いずれも製品輸入に占める中東依存度が高く、今回のホルムズ海峡封鎖の影響を受けた。このためナフサは販売量が落ち込み、潤滑油はベースオイルの仮需が発生したため、販売量が伸びた可能性がある。他方でナフサ生産量は▲22.8%、潤滑油は+2.0%だった。潤滑油は低調だった前年の反動によるもの。ナフサは好調だった前年の反動に加え、製油所の稼働率が低迷していた影響を受けた可能性がある。

4月の製油所トッパー稼働率は現時点で公表されていないが、石油連盟の原油・石油製品供給統計週報によると、4月の稼働率は75%前後で推移しており、80%を超えていた前年同月の水準に比べると低迷していた。政府は今年3月下旬から国家石油備蓄の放出を行っており、4月の段階ではこうした国備原油と通常処理している自社が輸入した原油と混合しながら慎重に装置を稼働させていたため、稼働率が下がる傾向にあったとみられ、石油製品の生産量も前年を大きく下回る油種が多かった。

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