特別な存在
仕事、特に会社勤めをしていると、
今の仕事にとって、自分が必要不可欠であるような
錯覚をしてしまいがちである。
私もそうであった。
しかし、どんな仕事でも必要不可欠な人間などいないのである。
自分で全部切り盛りしているつもりでも、自分がいなくなれば
ほかの誰かが代わりをして、仕事はまったく止まらない。
自分しか出来ないと思っていた事でも、
自分抜きで、仕事はどんどん進んでいく。
会社あるいは仕事にとって、特別な存在などいないのである。
世の中も同じで、誰がいなくなっても
まったく変わりなく世界は進んでいく。
そんな中で唯一、特別な存在があるのは家族である。
家族の中でのみ、特別な存在が成立する。
親にとって子は特別であり、子にとって親は特別である。
しかし今、家族の中ですら特別な存在が
なくなってきている。
特別な自分を見つけられない人間が
人の死を見て、快感を得るようになっていく。
特別な自分と、特殊な自分を取り違えているのである。