赤い地獄 

川奈まり子

廣済堂文庫 か-20-2 2014.9.1


「夫の浮気相手とおぼしき女性をつきとめた香織。

その美しい容姿と異様な<赤不浄>に引き込まれ…「きよら」。

駆け落ちした二人が気づいた隣家のベランダに置かれた匣、

声だけの子供たち。いつのまにか姿を消した彼女は

どこへ行ったのか?「ぱんどら」。…4編を収録。

すべて著者の実体験が元となった、奇妙で淫靡なホラー小説集。」


かなりのホラーです。


集中してガンガン読むとひやひやするだろうな。

体調の影響で、また本が読みづらくなってしまい、

文字を追うことはできても、内容が頭に入って来づらくなりました。


とほほ…。また、本が楽しく読めるようになったら、

また、読み直してゾクゾクしようと思います。

予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー 

ジョン・コリア

扶桑社ミステリ コ-18-1 2013.5.10


「意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。

稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、

海外異色作家短編シリーズ、ついに始動!

第1巻では、異才ジョン・コリアの傑作集をお届けする。

皮肉な笑いと綺想あふれる作風で知られる名手の短編から、

未訳作と個人集未収録作を中心にセレクト。…」


「本邦初訳」の作品がたくさん収録されていて

ま、お得!


世にも奇妙な物語とかヒッチコック劇場みたいだな~と

思っていたら、ヒッチコック劇場に作品を提供していた作家さんでした。


おもしろかった。

私のイチオシは「ミッドナイト・ブルー」かな。

棲家 

明野照葉

ハルキ文庫 あ-18-2 2010.3.18


「恋人のために、新しい部屋を探しはじめた中内希和は、

一件目に紹介された物件を一目見て気に入ってしまう。

それは、風変わりな洋館だった。家賃5万円、

赤みの強い錆色をした瓦屋根、動植物を象ったレリーフや

幾何学模様のモザイクのある外壁、軒先飾りや

破風飾り、フレンチウィンドーのテラス…。

希和にとって最高の部屋に思えた。さっそく引っ越した

希和は恋人を招き、幸せな時間を過ごそうとするのだか…。…」


いや~、部屋を借りるって大変なことだなぁ。


ありがちな設定かもしれないけど

ねちねちねっとり、スキなく書きあげてるところがさすがです。

ミダスの汚れた手 

アン・ズルーディ

小学館文庫 ス-1-3 2010.5.12


「現代化の波が押し寄せるギリシャの街アルカディア。

パンデリス親子もまた、さらなる利益を求めて観光客誘致に

躍起となり、人里離れてひとり暮らしているガブリリス老人の

土地を、ヴィラ建設地にしようと目論んでいた。

そんななか、ガブリリスがひき逃げ事故で命を落とす。

折しも故郷に戻って来た太った男ヘルメス・ディアクトロスは

友人ガブリリスを偲びつつ、真相の究明に乗り出す。

地元の警察、マスコミ、開発者…各々の利権や欲望が露呈し、

事件は意外な結末を迎える。

娘を黄金に変えた古代ギリシャのミダス王の悲劇が、

再び現代に繰り返される。」


前作よりも、ずっと読みやすくなりました。

作者の作風に慣れてきたのかな?


警察の捜査の仕方に「あれ?」っと思うけれど

それはお国柄なのかしら?

硝子の葦 

桜木紫乃

新潮文庫 さ-82-2 H26.6.1


「道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が

交通事故で意識不明の重体となった。

年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも

亀裂が入り、闇が溢れ出す―。

彼女が愛人関係にある澤木とともに、

家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。

短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、

長らく夫の愛人だった母の失踪…。

驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。」


ひとつひとつの謎だけでも、一篇のミステリーになりうる

びっくり事件がたくさん起こります。


節子の元職場が会計事務所と言うことで

べつの意味でニヤニヤしちゃいました。


簡潔でひきしまった文体。

和歌のように、読者の感性に訴えかけてくるようです。

薄い本なのに、これだけの内容が凝縮してしまってるのがすごいです。 

アテネからの使者 

アン・ズルーディ

小学館文庫 ス-1-1 2009.2.11


「エーゲ海に浮かぶティミノス島。うららかな春の日、

ひとりの女性が、崖の下からもの言わぬ姿となって発見される。

警察は、両氏の妻である女性が、夫が漁に出ている間不貞を

はたらいていたという噂をもとに絶望の果てに自殺したと結論づけ

捜査を放棄する。

数か月後、島に風変わりな男がやってくる。

でっぷりと太った体に白いスーツとスニーカー。

高価な鞄を携え、名前をヘルメス・ディアクトロスと名乗った。

男は漁師の妻の死を究明するため、アテネの機関から

遣わされて来たと言う。しかし男の捜査の前には

島の古い因習や淀んだ人間関係が立ちはだかっていた。」


ん~。これ誰?って人がいきなり出てきて

話が終わりますかwwww


ギリシア人の名前は、とにかく覚えにくいなぁ…。

何度も行きつ戻りつしながら読みました。

2回読んでも???なお話。


主人公からして謎だらけの人物。

シリーズがすすめば、何らかの説明があるのかな?


隣人 

永井するみ

双葉文庫 な-24-02 2004.7.20


「優しい夫に白い猫―満ち足りた生活は、夫の溺死により

ピリオドを打たれる。しかしそれは、新たなる絶望への幕開け

にすぎなかった。…」


「隣人」ほか5編収録の短編集。

ちょっとひやっこくてねばっこい家族・夫婦の出てくるお話たち。

僕の心臓を盗まないで 

テス・ジェリッツェン

角川文庫 シ-24-1 H13.1.25


「モスクワのうらぶれたアパートで体を売って生きる少年。ヤーコフ。

客は皆、その魅力的な金髪、

決してたじろがない青い瞳に夢中になる。

11歳にしてすでに何もかも経験してしまった彼には家族もなく、

希望もない。

しかしある日、新しい親が待っていると告げられ、仲間とともに

船に乗せられる。明るい未来を約束されて―。

アメリカの大病院で、外科研修医アビーは苦渋の選択を

強いられていた。患者が遺した臓器は一つ。

異色希望者は二人。貴重な臓器は誰に行くべきなのか?

売られてゆく子供、移植する医師。

二人の運命は一つの点で重なり、驚愕の結末を迎える―。…」


病院の描写がとってもリアル。

作者が内科医であるからこそ。


それにしても、生きてる人間から心臓を取っちゃうなんてね…。

依頼は殺しのあとに 

秋目人

メディアワークス文庫 あ-7-5 2014.5.24


「勤務中に血を吐いて倒れるまでブラック企業で働いた青年・南は、

退職後、「楽をして生きる」をモットーにして、

裏社会の団体から小金をせびって暮らしていた。

ある日、霊感商法の団体から金をせしめてホクホクしていたところを

怒り狂った暴力団に囲まれてしまい、

命の危機を感じて絶望するのだった。

だが、その窮地を一人の男に救われる。

冴えない風貌の彼は、南を勧誘する―。

「兄ちゃん、掃除って興味ある?にこにゃんハウスクリーニングで

働く気はないか?」」


特殊清掃といっても、こちらはモップガールの業界とはちょっとちがう。

請け負う仕事が「死体遺棄」だったりするわけです。

だから、おおむね新鮮なご遺体をトランクに詰めて…ということに。


伏線がどんどん張られていって

えええ、これってどう決着するの???と思ってたら

意外にあっさりおさまった。みたいな感じです。


読みやすく、すらすら読めるお話でした。

主婦に捧げる犯罪 

クリスティン・マシューズ編

RHブックスプラス マ-5-1 2012.3.10 


「夫を殺すしかない―ジーニーは決意した。

退屈な夫にもう耐えられないが、離婚は不可能に近い。

バイク事故を仕組む、傷んだサーモンを夕食に出す、

梯子に油を塗っておく…思いつくたびに計画をメモし、

そのページをミキサーにかけて証拠を隠滅した。

それでも実行には踏み切れず、絶望したジーニーは

ついに大量の睡眠薬を飲んで自殺を図るが!

ネヴァダ・バー作「マジでむかつく最低最悪耳くそ野郎」他、…」


主婦が主人公だけど、コージーミステリとはちょっと雰囲気が違う作品集。

敵意の対象が、夫であったり姑だったり夫の浮気相手だったり。

はたまた単なる思い込みだったり。


収録されている作家さんは有名な人ばかり。

おいしいアンソロジーだなぁ。


逃した魚   ジュリー・スミス

マジでむかつく最低最悪耳くそ野郎   ネヴァダ・バー

救済の家   クリスティン・マシューズ

芝生と秩序   キャロル・ネルソン・ダグラス

愉しいドライヴ   ナンシー・ピカード

隣のコレクター   エリザベス・マッシー

厳しい試練   サラ・パレツキー

トレーラー・ビフォー&アフター   バーバラ・コリンズ

見えないマイナス記号   デニーズ・ミーナ

バージー、ベイビー   ヴィッキー・ヘンドリックス

今度晴れたら   S・J・ローザン

彼はかく語りき…彼女もかく語りき   マーシャ・マラー

義母の殺し方   スーザン・レッドベター

母の制裁   アイリーン・ドライアー


最後にはおまけとしてレシピつきの各作者のあとがき付き!