いま、殺にゆきます RE-DUX 

平山夢明

光文社文庫 2010.6.20 ひ-14-3


「深夜、見知らぬ男から、携帯に殺害予告を受けた女性の

恐怖を描く表題作。マンションのポストに仕掛けられた

恐るべき罠「集合ポスト」。

ストーカーに部屋に侵入された元AV女優が、

身の毛もよだつ責め苦を受ける「自作ビデオ」。

あなたのすぐ隣にある狂気を描く、伝説の実話短編シリーズから、

著者が最恐の31編を自選。…」


ひとつひとつはピリっとしていて、なかなかおぞましいのだけど、

「まだ犯人は捕まっていない―」みたいなラストが連発。

さすがに食傷気味になったりして。


短編というより超短編。

ワーキング・ホリデー 

坂木司

文春文庫 2010.1.10 さ-49-1


「「初めまして、お父さん」。

元ヤンキーでホストの沖田大和の生活が、

しっかり者の小学生・進の爆弾宣言で一変!

突然現れた息子と暮らすことになった大和は宅配便ドライバー

に転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの

連続で…!? ぎこちない父子のひと夏の交流を、

爽やかに描き出す。…」


押しかけ女房ならぬ、押しかけ息子。

夏休みだけやってきた進くん。


小学生とはおもえぬ落ち着きと家事能力。

さぞ、お母様のしつけがしっかりしているのでしょうね。


でも、いきなり「息子です」って

来られた大和はびっくりしたでしょうね。

影 

カーリン・アルヴテーゲン

小学館文庫 ア-4-5 2009.11.11 


「ノーベル賞作家である父あくせる・ラグナーフェルトは、

脳疾患で全身麻痺となり施設に入っている。

息子ヤン=エリックはその威光で尊敬を集めて生活しているが、

家庭は崩壊し浮気三昧の日々だった。

 物語は、高齢で死んだ老女の身元確認から始まる。

彼女はかつてラグナーフェルト家で家政婦をしていた。

葬儀のために探し物をすることになったヤン=エリックは、

事故死と聞かされて来た妹の試飲に不審を抱く。

やがて彼は、高潔ななずの父が何かをひた隠しにしていることを知る…。

 人はここまで堕ちることができるのか―生きることの絶望と

希望に迫る問題作。」


先日2回目よみました。

1回目に読んだ時、実は買って読んだことを後悔したのです。

冒頭のシーンは引きつけられるのに

中身は単調で分かりづらかったから。


この度、読み直してみて見方が変わりました。

おもしろかったです。

「堕ちていく」のはエクセルだけではないことがわかりました。

タイトルの「影」も一つの意味ではないような気がします。

テッサリアの医師 

アン・ズルーディ

小学館文庫 ス-1-2 2010.12.12 


「モルフィの街に住む独身の姉妹、ヌーラとクリサの前に現れた

フランス人医師シャブロル。彼に求婚され結婚することになった

クリサだったが、式当日、シャブロルが何者かに襲われ、

顔面に火傷を覆う。

 偶然モルフィに居合わせた探偵ヘルメス・ディアクトロスは、

襲撃事件の真相を追って捜査を開始する。

フランスからやってきたシャブロルは、ある秘密を抱えていた。

捜査が進むごとに露呈する驚くべき事実―そしてヘルメスは、

憎しみと哀しみにさいなまれた一組の親子にたどりつく。

 苦渋多き人間の存在を描写し、善悪のその先を見据えた

傑作サスペンス第三弾が登場。」


サスペンスであってミステリーではない。かんじ。

なぞ解きはヘルメスにまかせて、

ただただ作品の中をただよっていくととても心地いいな。


ところが、どんどんおもしろくなったところで…

280ページの次が73ページになっていて…

そのまま続いて88ページの次が297ページになっているという

不思議な本に行き当たってしまって…


それはそれで珍しくておもしろいけれど、

ストーリーが分からなくなっちゃったりして。

問い合わせたら、出版社が交換してくれるそうですw


踏んでもいい女 

斉木香津

小学館文庫 さ-16-1 2013.9.11


「真砂代は十九歳になったが、見栄えのしない容姿であることは

自分でも分かっていた。

近所のおばさんの仲介で見合いをしたけれど、

相手の男性はほとんど話もしないうちに席を立ってしまう。

みんな自分のことを傷つけても踏んづけても構わないと

思っているのだ。見合いをした男性には、ずっと思い続けている

貴子という年上の女性がいるらしい。

その貴子と偶然知り合った真砂代は、日中限定で家事を

手伝うようになる。働いている様子もないのに豊かな暮らしを

続け、絵ばかり描いている貴子とは何者なのか。

時空を超え真砂代が辿り着いた真相に、

あなたは必ず驚愕する!」


…ものすごくビックリしました。

ぐいぐいひきこまれて、つい、一気読みしてしまいました。


舞台は現代じゃなくて昭和19年の横浜。

なのに全然、古臭く感じません。


空襲の恐ろしさ…は想像すらできないけれど。

真夜中のショコラは恋の味 

ローラ・フローランド

ヴィレッジブックス F-フ20-1 2014.2.20


「アメリカ大手チョコレート・メーカーの令嬢、

ケイド・コーリーは長年の夢を叶えるため、

ひとり花の都パリへとうあってきた。

セクシーな黒髪をしたスター・ショコラティエ、

シルヴァン・マルキの名を冠した高級ブランドを立ち上げるのだ。

しかし、待っていたのは冷ややかな拒絶と嘲笑―

あきらめきれないケイドはある夜、

彼のレシピの秘密を盗むため、工房に忍びこむのだか…。…」


甘あまのロマンスもの。

そんなに簡単に人って、お互いに恋に落ちちゃうのかな?

しかもチョコレート・チョコレート・チョコレート!!!


今年になって、フランスの料理雑誌や本にハマってしまってます。

割高だけど取り寄せて、写真をみてにやにやしてます。

そのついでに読んでみた作品。


作者が取材したショコラトリもガイドブックに載るような有名店。

工房の様子も職人さんの様子もしっかり取材されています。


それにしても。

フランス語の口説き文句って、殺人的に利くんだろうな。

ははは…。

汝の名 

明野照葉

中公文庫 あ-61-1 2007.6.25


「若き会社社長の麻生陶子は、誰もが憧れる存在。

だが、その美貌とは裏腹に、「完璧な人生」を

手に入れるためには、恋も仕事も計算し尽くす女だ。

そんな陶子には、彼女を崇拝し奴隷の如く仕える妹の

久恵がいた。しかし、ある日から、二人の関係が

狂い始め、驚愕の真実が明らかになっていく…。」


まったく。びっくりしました。

そんな展開になるなんて!!!みたいな。


ドロドロ感満載の一作。

予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖 

ロバート・ブロック

扶桑社ミステリ文庫 ふ-40-1 2014.6.10


「意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。

稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、

海外異色作家短編シリーズの第三巻が登場。

映画「サイコ」の原作者として名高いブロックは

短編の名手でもあった。

故・瀬戸川猛資氏が「おもしろくて怖くて、仕掛けがあって、

そのくせどこかユーモラスな味がある」と激賞した才人の手になる

珠玉の作品群から、未訳作と個人集未収録作のみセレクト。…」


本邦初訳…っていうのがうれしいですね。

あとは入手困難な雑誌掲載作だったり。

予期せぬ結末2 トロイメライ 

チャールズ・ボーモント

扶桑社ミステリ文庫 ホ-15-1 2013.10.10


「意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。

稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、

海外異色作家短編シリーズの第二巻が登場。

様々なジャンルで圧倒的な才能を発揮しながら、

38歳の若さで数奇な人生を閉じた天才チャールズ・ボーモント。

彼の遺した珠玉の作品群から、未訳作と個人集未収録作のみを

セレクト。自らが死ねば世界が終わると主張する死刑囚を描く

表題作ほか、…13編を収録!」


なかなか入手困難な作品を訳出しちゃうこのシリーズ。

とってもお得です。

どの作品もハズレなくおもしろい!


とはいえ、読書も体調がよくないと十分楽しめませんね。

おもしろいのに、十分おもしろがれない。


難しいものです。

キャベツ炒めに捧ぐ 

井上荒野

ハルキ文庫 い-19-1 2014.8.18


「「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」

「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」

…東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお総菜は、

とびっきり美味しい。にぎやかなオーナーの江子に、

むっつりの麻津子と内省的な郁子、大人の事情をたっぷり抱えた

3人で切り盛りしている。彼女たちの愛しい人生を、

幸福な記憶を、切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、

遂に文庫化。」


ひとつひとつのお料理がとにかくおいしそうで…。

3人の60歳代の女性の人生の分厚さも感じます。


現在、体調がガタガタなので

長時間の読書ができなくなっちゃいました。

なので、短編集をこまこま読んでいます。

いや~。読書って集中力がいりますね。