カウチンセーターを編む、オジさんやオバさん達 | 「灯りと温もり」の雑記帳

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平成29年元日に、ブログタイトルを「アメカジおやじの雑記帳」から「『灯りと温もり』の雑記帳」に変えました。

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たまにはブログの名前に相応しい話を書きます。

この5~6年でカウチンセーターを着ている人が増えたと実感しますが、映画やテレビの衣装でも見かけることが多いし、服飾雑誌での扱いも増えました。
それ以前の世間では “化石” のような認識と扱いの服だったのに・・・。

一昨年あたりから、秋以降に『カウチンセーター 毛玉』といった検索ワードで 私のブログを覗いて下さる方が多く、先月からは毎日いらっしゃいます。 
私は過去のブログに、「カウチンセーターの毛玉は年期の証しだから、取り除かない方がよい」と謂う主旨の記述をしたので、毛玉の除去方法を探しておられる方には全く参考にならないから、申し訳ないことです。

私が所有するカジュアルシャツのほとんどがチェック柄なので、現在着ている無地の青いカウチンセーター(右上の写真)は合わせ易くて重宝しています。
近所に出歩く際に、サッと羽織れるのも好いです。

私のはカナダの『KANATA社』が扱ったものですが、カウチンセーターがどのようにして作られているのか、YouTubeで映像を見つけました。
市場に流通しているカウチンセーターの どれ程が『手編み』なのかは知らないけど、オジさんやオバさん達が手編みしている様子を見ると、暖かみを感じます。



  


『カウチンセーター(Cowichan Sweater)』の起源は、カナダの『バンクーバー島(Vancouver Island)』に在る『カウチンバレイ(Cowichan Valley)』だそうです。

昔、此処の人達は屋外で生活していたため、しっかりした防寒着を必要としたことからカウチンセーターが生まれたようです。
生成りよりもダークな色合いの毛糸は染色ではなく、羊の毛が加齢によって濃くなったものが徐々に成熟したのだそうな。 また、未脱脂であることが防水性を高めているのだそうです。

このセーターはオーバーコートやレインコートと同等の防寒性.防水性が得られる・・・とされますが、私は そこまでの防寒性は感じませんから、下に着込む服を工夫するようにしています。 裏にフリース素材が施されたシャツなんか好いですね。

カウチンセーターはカウチン島の先住民『セイリッシュ(Salish)』の人達が作った物で、ヨーロッパからの入植者に拠って、彼らにセーターの編み方が伝わったようです。
セイリッシュが編んだカウチンセーターを他者が模倣しても、彼らより高品質の物は作れなかったと聞きますが、何が違うのだろう?

  

「本物のカウチンセーター」と呼べるのは、カウチン島の人達が作り、フロントがジッパー仕様の物を指すそうだから、よく見かける “ボタン仕様” の物は「カウチンセーター擬き」ってことになりますね。
高い防寒性を追求するのを旨として考案されたのだから、ボタンよりも密閉度と保温性が増すシッパー仕様が “本物” とされるのは解ります。
また、これらのセーターに着いている『KANATA』などのタグの名前は生産者を示すのではなく、仲介業者の名前なのだそうです。

上の映像ではオジさんもオバさんもカウチンセーターを編んでいましたが、昔はセイリッシュの女性たちが家族のために手で編んでいて、とても骨の折れる作業だったようです。
ザックリとした編み方が醸し出す風合いは魅力的で、独特の幾何学模様、動物、鳥、魚やクジラなど、様々な図柄がありますし、あの図柄はファミリーを表す “印し” でもあるそうです。
アランセーターのケーブル編みの形状も、家や人によって違うから、セーターが重宝された地域では、それらに施される模様や編み方には “印し” の意味が明確に在るようです。

    
(厚いニットを着せられる犬は、迷惑に想っているのではないか?)


生産地が市場の需要に応えているのだろうけど、現在では “ヘビーデューティ仕様” よりも “タウンウェア仕様” に製作された物や、色使いが多い物など、種類が多様ですね。
下の写真でハリウッドの名優が着ているような、細めの毛糸で編まれた『オイルドセーター』に似た風合いで、着こなし方もカーディガンに近いような物も在ります。 

  

『ヘビーデューティ』『ラギッド』『アイビー』『トラッド』『プレッピー』・・・このような服装はハリウッド映画で よく見られるのですが、主役級の俳優が劇中で本格的な “ゴツい” カウチンセーターを着ている作品は記憶に無いですねえ。  私は観ていないのですが、『悪霊』と謂う映画で J.M.ビンセントさんが着ていたそうです。
スティーブ・マックイーンさんがプライベートで着ている写真は見たことがありますが・・・。


先ほど、「毛玉は年期の証し」と書きましたが、私のカウチンセーターは安価な物なので、年期を入れる前に傷んで着られなくなってしまいそうです。
いずれは上質な物を2着は欲しいと想っていて、先ずは下の写真でオジさんが編んだり、着ているような、鳥・動物・雪・メープルなどの “王道の柄” を一着 持ちたいですねえ。

  

もう一着は、下の写真のような綺麗な色合いのものが欲しいです。
これらは染色された毛糸に拠るものだろうから、カウチンセーターとしては「邪道」と云われるかも知れないけど、私が持っている青い物だって染色毛糸ですから。

  

  

他にも、新垣結衣さんが明治の『メルティーキッス』のCMで着ていた、カーディガンだかセーター(下の写真2枚)のような、所謂「ジャガード編み(織り?)」に括られる、ハッキリした柄と色使いの多いパターンで、メンズ用カウチンセーターが在れば欲しいけど・・・無いだろうなあ。

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