
2014年 夏
今回は上の写真に着いて話したい。
オレが四国の徳島県に住んでいた時のことだ。
オレは田中さんというサーフィンと農業をするヒトとその家族にお世話になっていたことがある。
田中さんとの日々はすごくすごく楽しかった。
たくさんのいい思い出ばかりだ。
田中さんや田中さんの家族はオレをも家族の一員みたいに接してくれたとても暖かい人達だ。
田中さんの息子娘達も元氣があってめっちゃかわいい。
ちなみに田中さんは昔ながらの農法で田んぼや畑をやっていた。
草をとるのに草つきを昔ながらの道具を使ったりするのだ。
正直体力をたくさん使う。
オレは農作業は身体を作るトレーニングみたいなものにもとらえていた。
また、もっと深い何か人生で大切なものを学べるものとしてもとらえていた。

[草つき参考画像]
それに、広い田んぼの真ん中から見る山やその景色、水に反射する太陽や空は美しい。
そんな空間での作業は満たされる。
自然の中でかく汗は最高に氣持ちがいい。
スカってする。
やっぱり自然のパワーは偉大だ。
それに田中さんの作る米は農薬を使っていなくて、なおかつ田中さんの愛情がこもっていてめちゃくちゃうまい。
そこにお手伝いさんとしてオレが雇われた。
農業手伝いをする代わりに宿と食事をもらってオレは生活していたのだ。
いわゆるウーフィングというやつだ。
そんな田中さんづたいにオレに田んぼの話しがやってきた。
オレは持ち主が耕作放棄した田んぼを一旦ほどその年だけもらえたことがある。
それも田植え済みの田んぼをだ。
理由は田植え後に、持ち主の人が手入れをしなかったために田んぼの7割位がヒエだらけになって機械が入らないようになってしまったからだ。
そこで機械を使わない農法しか教わっていないオレに話しが回ってきた。
またお米を自分で作ればかなりの生活費の節約になるだろうと氣をきかせてくれた田中さんがオレまで話しを回してくれた。
いきなり田んぼをもらったオレは正直びっくりした。
でも、
来るもの拒まずのオレは素直に嬉しかった。
氣になったらとりあえずやってみる。
それから自分で田んぼを管理することになった。
植物と向き合う生活が始まったのだ。
とりあえず田んぼのほとんどをしめるヒエを田中さんから草刈り機を借りてブーンブーン刈りまくった。
ヒエはオレの背丈を超えるくらいになっていて、ヒエジャングルをドンドンぶっ倒しながら刈っていった。

[ヒエにできていたネズミの巣]
刈っている最中に散歩してるおじちゃんやおばちゃんももの珍しそうに声をかけてくれた。
たまに徳島の訛りがキツくて何を言っているかわからない時もあったが、オレはそんなのがすごく嬉しかった。
しかもその地域での稲刈り時期は夏場なのだ。
その時は汗が滝のように流れて、オレはゾンビになるんじゃねーかってくらいだった。
しかも一日では全部刈りきれなかった。
結局一日と半日ヘトヘトになりながらも炎天下のなか草を刈りまくった。
途中暑すぎて、氣持ちと身体をリフレッシュしたい時は近くの川まで行って、海パンに着替えザブンと身体をクールダウンさせた。
川を泳ぐと冷たくて元氣になっていた。
冷んやりしてむちゃくちゃ氣持ちいいのだ。
それから何日か経ってから、
稲の穂が金色に綺麗になった頃、稲刈りをした。
それも稲刈りの原点スタイル手刈りでだ。
しかも、田中さんの家に1人でサーフィンをするために来ている熱い高校生のサーファーホシトがオレの稲刈りを手伝ってくれた。
マジでありがたかった。
一人より二人でやった方が早いし、モチベーションが全然高くなる。
そして何より楽しい。
ちなみに、手刈りでの稲刈りは腰に効く。
ニ人で一日中汗だっくだくで雑草にまみれて、雑草に負けずに生き残ってきた稲たちをザックリ雑草ごと刈っていった。
思った以上に時間と労力を使った。
途中2人でくじけそうになりながらもなんとか刈っていった。
それから刈った稲たちを稲わらを使って結び束ねていった。
束ねた直径は15~20センチくらいづつにした。
そしてあらかじめ竹で組んでいたハゼにその束ねた稲たちを並べて、編むようにしてかけていった。
稲をハゼかけした風景は昔なつかしい景色を作っていた。
心からの満足感で満たされていた。
自分達が手がけた田んぼの風景に惚れた。


[ハゼに束ねた稲穂をかける]

[ホシトとオレ]
ちなみに、
ハゼかけは太陽の光りを使って稲穂を乾燥させるためにするのだ。
聞いた話しによると、刈ったばかりの稲たちにはまだ生命力があり、最後の残った生命力を稲穂のために使い、乾燥しながら熟成していくそうだ。
そうすると太陽の力と稲の生命力でおいしいお米ができるそうだ。
オレは太陽が好きだからこの話しが大好きだ。
ちなみに乾燥の目指す割り合いは農協の機械で測ってもらっていたのだが、14%という数字を目指すのだ。
保存が効いてなおかつおいしくいただける数字だそうだ。
オレはそれを何もよくわからないからだいたいでやった。
初めて稲作に関わったから感覚がない、ほぼ田中さんやその周りの方々のアドバイスと直感に頼っていた。
しかもその年は台風や雨が多かったためオレの稲穂ちゃんたちは、乾いてはまた湿氣でしっとりして、乾いてはまたしっとりしてと結局精米にかけるまで3週間位干していた。
一応雨対策でオレのハゼかけした稲たちにはビニールをかぶせられるようにしておいた。
だから雨が降りそうに感じたら毎回それをかぶせに田んぼに通っていた。
それを繰り返していたら雨の降りそうなタイミングを何となく感覚でわかるようにまでなっていた。
それに稲たちにどんどん愛着も湧いていった。
そしてとうとう脱穀の時がきた。
脱穀には昔ながらの足踏み脱穀機を近所のお世話になった人から貸してもらうことができた。
タイミングよくリズムよくその脱穀機を足で踏みながらブンブン回して、稲穂をそこにあててシャリシャリ言わせてモミに包まれたお米をとっていった。
始めの内はそのリズムをとるのが難しく感じたが、慣れてくるとブンブンいわせて脱穀機を止めることなく回し続けることができた。
お昼すぎ位から始めてよる19時位まで時間がかかった。
途中学校から下校して来たホシトがまたまた助っ人として手伝ってくれた。
またまたありがたく、そしてすごく嬉しかった。

[脱穀作業]

[助っ人ホシトと]
それから次の日にとうみかけをして脱穀した、モミに包まれたお米と、その他の埃やカスをとうみを回して出る風で飛ばして分けた。
とうみかけは個人的に好きだ。
それにあのシンプルな機械のシステムがすごい。
ちょうどいい早さでとってを回すとその勢いなりの風がとうみの中を吹き、お米以外の埃やカスを飛ばして、それらをそれぞれの出口で分けてくれるのだ。
シンプルなのだがマジすごい。
そうやって分けられたお米だけをオレは袋に入れることができた。


[とうみかけ参考画像]
そしてようやく、、、精米だ。
しかも最後に精米にかけようと思ったのも単純に感だった。
もういい加減いいだろうと思って精米にだしてみた。
そもそも脱穀したタイミングがもういいだろうっていう完全なる感のタイミングだった。
そしたら奇跡が起きた。
オレのお米の水分量が13.9%とお百姓さんみんなが目指す数字をたたき出したのだ。
完全なるビギナーズラックだった。
素直にむちゃくちゃ嬉しかった。
精米所のおばちゃんも「お兄ちゃんすごいね!」と喜んでくれた。
精米したら一旦の大きさで40kgだった。
正直少ない量らしい。
それでもオレの人生で初めて手がけた米。
精米した米を見たとき、じ~んと心に感動がいっぱいだった。
嬉しくて嬉しくて嬉しかった。
早速家に戻ってから炊いてみることにした。
オレは玄米が好きなのでその時は玄米を炊いた。
まずは米とぎ。
オレは今まで米をといでいるときにあんなに甘い香りを嗅いだことがなかったってくらい美味しそうな香りが強かった。
それに自分が手がけた米ってこともあり、より一層そのお米の全てを感じようとしていた自分もいたんだと思う。
それから炊飯器にいれて後は炊けるまで、待っていた。
炊飯器のから蒸氣が勢いよく出てきた。
と思った瞬間!!!
部屋中に栗の様な甘い香りが広がった。
初めてあんなお米の香りを嗅いだ。
素直に嬉しくて炊きあがるまでウキウキ感いっぱいだった。
絶対うまい!はず!
それからしばらくしたらオレのお米は炊きあがった。
釜を開けるとツヤツヤの新米が輝いて見えた。
美しかった。
また、オレはその日のおかずに庭に生えていたホーリーバジルを混ぜ込んだホーリーバジル手ごねハンバーグを作った。
それとキムチも一緒に添えた。
そしていよいよ自分の手がけたご飯を食べる時がきた。
『いただきます!!!』
感謝の心を込めて唱えた。
そして一口ご飯を食べた。
よく噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで味わった。
《うまい!!!》
そして《甘い!!!》
やっぱり他の雑草の中で生き抜いてきた猛者達。
元氣な味がした。
噛みながらお米を作るまで起きた、たくさんの出来事を思い出した。
今までの人生で一番うまいご飯を食べていた。
ちなみその日のおかずもうまかった。
ホーリーバジルを効かせたハンバーグは中々の味だった。
でも、そのハンバーグはメインディッシュには感じられなかった。
メインは確実にご飯だった。
お米がうますぎたのだ。
あんなお米食ったことがなかった。
自分で手がけたっていう愛着も確実に味になっていた。
それにお米を作りにかかわったことでオレは人生観がより一層豊かになった。
お米を作ることでたくさんのヒトに世話になったし、おもいきり自然のスピードや美しさ、自然の威力などの自然の変化を感じた。
心から学ばされることがいっぱいあった。
お米作りに関われて本当に良かった。
日本人の主食。
オールドスクールの農業に触れて、昔の人達の生き方の凄さに脱帽できる。
それにお米を今まで以上に大切にできる自分もいる。
自然と共に生きる農業ってすごいしかっこいい。
やっぱり何事も経験。
経験からたくさんのことを得る。
田中さん家族にも、田んぼをくれた人にも、手伝ってくれたホシトにも、地球にも何にでも感謝したい自分がいる。
また、人との出会いによってお米作りに携われたこのご縁にも感謝したい。
また余談だが、氣になることをするとオレの場合失敗も成功もするが何かを確実に得れている。
それによって人生に深みがでる氣がする。
『氣』とはエネルギーやパワーのことだ。
氣になるってことは、力になることの前兆なのかもしれない。
氣になるってすごい。
氣になったらその方向へ向かっていける自分でいたい。
ちなみにオレの作ったお米は家族やお世話になった人達何人かに少しだけおっそわけをした。
食べてくれた人達みんなが『うまい!!!』と絶賛して喜んでくれて、オレは大満足だ。