
[奥大日岳、大日岳の地図]

大日岳から称名滝の地図]
2015年8月5日(水)
午前3時に起床した。
外はまだ暗かったが、星と月が綺麗に見えていた。
夜だが、快晴だというのがはっきりわかった。
オレはまず、剱御前小屋を目指した。
そう、また日の出を拝みたかったのだ。
荷物をまとめたりなんだりして午前4時頃歩き始めた。
月明かりが輝いていて、辺りはうっすら明るかった。
オレは薄暗い中を歩くのが氣持ち良かった。
静かで何処か幻想的なのだ。
そして、午前5時位に剱御前小屋に到着した。
そして太陽が出るまでそこにあった小高い丘を登って太陽が出るまで朝ごはんを食べた。
朝から前日の夕飯で作ったスパゲティーミートソースを食べた。
徐々に太陽が出てきた。
そしてご来光を拝んだのだ。
いつも表情の違うご来光。
その日も清んで輝く素晴らしいご来光だった。
何度もいうが、あの太陽の出る瞬間がたまらない。
赤く輝く玉がどんどん光りを増しながら大地を照らして行くのだ。
また、新しい一日が始まった。





[剱御前小屋からの朝日]
そこから宿泊の予約をしていた大日小屋までのハイキング。
とりあえず途中の奥大日岳を目指して歩き始めた。
働いていた、思い出深いホテル立山や立山連峰の景色を見ながら一歩一歩前に進んだ。
たくさんの思い出が頭に浮かんできていた。
素直に立山に来れて良かったと感じていた。

[ホテル立山をバックに]
ちなみに大日岳までの道のりは緑が豊富でどこかホッとする心地のよい道だった。
途中で立山に住む天然記念物の雷鳥の親子が現れた。
緑いっぱいの場所での雷鳥。
得した氣分だった。



[雷鳥の親子]

[奥大日岳頂上手前での休憩中]
ところが、それからしばらくすると辺りはガスに覆われて真っ白になっていった。
そんな中を歩き、奥大日岳の頂上に到着した。
奥大日岳の頂上からは剱岳の眺めがいいらしいのだが、ガスでさっぱり何も見える氣配がなかった。
そこでお腹も空いてきたので、カルボナーラのパスタを作って食べながら、その景色を待ってみることにした。
奥大日岳の頂上で食うカルボナーラは一味も二味もうまく感じた。
また自分がヨーロッパ人みたいにも感じた。
そしたら、ガスも若干晴れてきて剱岳を奥大日岳からも拝むことができた。
剱岳はどっから見てもかっこいいし男らしい。
その後少しゆっくりしたのちに、先に歩くのを再開させた。

[奥大日岳頂上に祀られている神様]

[カルボナーラ]

[奥大日岳頂上からの剱岳]
次の目的地はいよいよ大日小屋だ。
周りの景色はガスがかかっていて、相変わらず真っ白だった。
ただし、直射日光がなかったのは、この日オレにとってはよかった。
オレはずっと外にいたので、日焼けで顔がヒリヒリと痛くなっていたのだ。
それでもやっぱり汗だくで重い荷物を持って一歩一歩踏んでいたことには変わりなかった。
それから大日小屋までには2時間するかしないかで到着した。
奥大日岳から大日小屋までの間にも雷鳥の親子に出会った。
今度は砂浴びをしている親子だった。
見てて可愛かった。


[砂浴びをする雷鳥の親子]
大日小屋に着いた時は下り道を歩いていたら霧の中に山小屋の赤い屋根が見えて、いきなり到着した感じだった。
12時半位だった。
そして山小屋のおかみさんにチェックインを申し込んで、無事に大日小屋に宿泊できることになった。
大日小屋はランプの小屋で有名だ。
そしてお店の店主がギターを作る職人さんだということも聞いていたので、オレはおもしろそうだと思い宿泊した。
オレの寝るベットは奥の部屋の二段ベットの上の段の1番だった。
まだ、小屋には宿泊者は自分以外に誰もいなかった。
それにその日は宿泊者が多いと聞いていて、寝るスペースはキュウキュウのキツキツだと聞いていた。
そう、大日小屋は相部屋なのだ。
とりあえず荷物を置いて、食堂でチョコレートを食いながらゆっくりしようと思ったとき、チェックインの時に話していたおかみさんが「山で働いていたの?」と聞いてきた。
オレはホテル立山で働いていたことを伝えると、おかみさんは「今日うち手伝わない?」と聞いてきた。
!!!???
いきなりでびっくりした。
でも、その日は大日小屋が忙しい日でスタッフが足りてない日だったらしい。
オレはおもしろそうだと思い即座にその話しにのった。
それから裏のスタッフルームに移動して、くさい足を洗わせてもらいキッチンで山芋切りから夕食の盛り付けを手伝った。
他の大日小屋で働いていたスタッフさんも氣がよく、優しく接してくれた。
みんなオレと同年代の旅好きの人達だった。
仕事中に一緒になってたくさん笑った。
その日は50人を超えるお客さんの数で、大日小屋としてはそこそこ多い人数だそうだ。
なんだかんだ18時位までお手伝いさせてもらい、それから大日岳に登って夕日を見させてもらった。
大日小屋から大日岳の頂上は15分から20分で登れる。
いよいよ旅の最終日と思い、じっくり大日岳の頂上から西に沈む夕日を眺めた。
ちなみに大日岳の頂上にも大日如来様が祀られてている。
その大日如来様にも挨拶をした。

[大日岳頂上に祀られている大日如来様]
その日の夕日も素晴らしかった。
夕日で雄山から剱岳までの山々が照らされて薄っすらとオレンジ色になって、またそこにかかっていた雲がピンク色になっていた。
その光景を見て、胸がじーんと熱くなった。
美しかった。
立山を出るのがどことなく寂しく感じた。
それに夕日が沈みかけた時の雲がイーグルみたいになっていて、その写真を上下ひっくり返したらイーグルが宇宙を飛んで太陽に向かう写真になった。
すごく感動したし嬉しかった。


[大日岳頂上からの夕日]


[ピンクの雲に覆われた立山連峰]

[宇宙のイーグルが太陽に向かう]
そして夕日が沈みきってからまた大日小屋に戻って夕食の片付けを手伝った。
そしたらおかみさんやスタッフの人達が「明日もいれば?ライブがあるかもよ。」とオレを誘ってくれた。
そう、大日小屋ではタイミングによるが夕飯の後にライブをすることがあるのだ。
さすがギター職人の山小屋。
オレは音楽のライブに心が行き、もう一日いさせてもらうことにした。
そりゃー完全に行くっきゃない!って感じだった。
おもしろい流れになっていた。
その日は20時過ぎにみんなでまかないを食べて少しお酒を飲んで寝た。
朝早くから起きていたからぐっすりと寝れた。
おもしろい巡り合わせの旅になっていた。
2015年8月6日(木)
早朝4時に起床。
外に出てみると剱岳が太陽の光りのライン上に幻想的にあった。
そして日が徐々に徐々に上がってきて、美しい輝く太陽が剱岳の肩から顔を出して大日小屋とオレ達を照らした。



[大日小屋から見る美しい朝日]
また新しい一日が始まった。
朝の大日小屋の仕事のスタートは早い。
4時半すぎには動き出して5時か6時位に朝食を準備する。
オレは日の出後にそれを手伝わせてもらった。
朝食が済み、宿泊者が全員出たのちに部屋の掃除をした。
オレはミュージシャンのソーメンくんことしんちゃんと一緒に宿泊者の部屋を掃除した。
一緒にしょーもないことを話して笑った。
そして二段ベットの二段目に何回も頭を打った。
目ん玉が飛び出そうになる位痛かった。
そして、廊下の雑巾がけをして午前中の仕事がだいたい終わった。
それにこの日ヘリコプターで荷物が運ばれてくる日でもあったので、オレはその光景も見ることができた。
しかも三回もだ。
ヘリコプターはでかいしホコリだらけになる。
窓の隙間から山小屋中がホコリまみれなのだ。
そんな状況もみんな笑って過ごしていた。


[ヘリの光景]

[ヘリコプターの風の力から窓を抑える光景]
ちなみにこの日の夜ライブがあるのだ。
そのことにオレはウキウキしていた。
それにこの日は用事で外出していたオーナーさんが帰ってくる日でもあった。
ギター職人のオーナーさんだと聞いていたので会ってみたいと思っていた。
また、オレもみんなと一緒にまかないをいただけた。
ありがたかった。
それに山小屋で窓から見える剱岳を眺めながらみんなで食う飯はうまいし、みんなおもしろいから腹がよじれるくらい笑った。
いい時間だった。
そうこうしていると宿泊者がどんどんくる。
そしてなんだかんだで、また仕込みや夕食の準備をしていると日がくれる18時~19時位になるのだ。
オレはまた、夕日の沈む時間に仕事を抜けさせてもらった。
そしてこの日、オレの立山での今回最後の夕日となった。
また大日岳に登った。
大日岳の頂上に到着すると、辺り一面が雲海になっていた。
すごくすごく素晴らしかった。
大日如来様に挨拶をして、そして沈んで行く夕日に見入った。
キラッキラに輝く太陽があった。
頂上には誰もいなくオレ1人だけだった。
美しすぎて、オレは動けなかった。
ただ、ただ、その美しい夕日に見入って沈むまでじっと立ちつくしていた。
今まで見た夕日の中でもとびきり美しいすごい夕日だった。
太陽がオレに語りかけてくれているようだった。
心に焼き付く光景だった。
先に言われていた、19時のライブの時間をすぎてしまっていたがそれでも美しくて動けなかった。
すごく感謝できる光景であって、また今回の立山縦走の旅が自分にとってとても大きな経験にしてくれた光景の一つだった。
素直に素晴らしかった。





[大日岳頂上からの今回最後の夕日]
そして山を降りて小屋に戻ったら、みんな夕食を食べながらミュージシャンのしんちゃんの歌を聞いていた。
案の定ライブは始まっていた。
ランプの淡い光りにしんちゃんの歌、いい雰囲氣だった。
そんな時にみんなに夕日に見入って遅れたことを謝ったら、みんな氣にしていなくむしろ「今年1番の夕日だよあれ。帰って来ないと思ったよ。」と言ってくれた。
すごく優しい人達だった。
そしてオーナーさんがオレに「一曲歌いなよ。」とすすめてくれた。
オーナーさんが作った素敵なギターを借りて歌った。
氣持ちを込めて即興で歌った。
何を歌ったか思い出せない。
でも素直な氣持ちをのせてみんなに伝えた。
みんなオレが歌い終わると大きな拍手をくれた。
すごく氣持ちよかった。
そしてオーナーさんが、その後二曲歌ってくれた。
場の雰囲氣が和む素敵な曲だった。
すごくいいライブに参加させてもらえた。
すごくいい場所にいいタイミングでたどり着けた氣が大きくした。
それからオーナーさんと焼酎を飲みながら語りあった。
山の中でライブして分かち合う時間。
最高に最高で最高だった。
ちなみにオーナーさんの作ったギターはサーフィンをするオレの感性で言うと、クラシックサーフボードみたいなギターだった。
持った瞬間にそう思った。
見た目もヘッドにピンラインが入っていたり、ネックがずしっとした印象があった。
もちろん音も良かった。
手作りのあの完成度。
マジかっこよかった。
それに手作りものが好きなオレからすると、手作りって響きだけでものすごく魅かれるモノがある。
何よりあの優しいオーナーさんが作ったってのもあって魅力的だ。

[借りたギター]
まさか山小屋でライブできるとは全然予想していなかった。
人生ってマジおもしろい!!!
そう思えるくらいこの日も本当に素晴らしい日だった。
その日も氣持ちよくぐっすり眠れた。
2015年8月7日(金)
午前4時に起床。
今回立山で最後の朝日を拝んだ。
辺り一面が雲海になっていて、剱岳から登る輝きに輝く太陽をじっと見た。





[大日小屋から見た剱岳越しの美しい朝日]
それから荷物をまとめてみんなと朝食をとった。
下山前の朝食までいただけて本当にありがたかった。
そして山小屋のみんなが見送ってくれた。
大日小屋はみんなあったかくて、それでいておもしろくて大好きだ。

[出発の時の美しい雲海]

[見送ってもらう前にみんなで集合写真]
最終日の山を降りながら、大日平まで向かいながら、たくさんの思い出が頭をよぎった。
大日平の大きな平原の緑や鳥の鳴き声がたまらなく美しくて心に響いていた。
最高の2015年の夏を過ごしていることを心から実感していた。
そうこうしていたら辺りにはガスがかかって真っ白になっていった。
そんな霧の中を汗だくで前に進んでいった。
ゆっくりゆっくり一歩一歩前に進んだ。
ゴールはもう目の前だった。
たくさんのことを感じ、たくさんのことを経験し、たくさんのものを得た大きな一週間だった。
立山にこれて良かった。
そう素直に思えていた。
そうこうしていたら最終地点の落差日本一の滝、称名滝付近の山道登り口にオレはゴールした。
嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、笑顔が止まなかった。
山の下は蒸し蒸ししていて暑く夏真っ盛りだった。
汗だっくだくだったオレ。
それでも氣分はこれでもかってくらい爽快だった。
目の前に通ったヒトにゴール記念の写真を撮ってもらった。
写真を撮ってくれたヒトもオレを祝福してくれた。
最高の思い出がこの文章を書いていて、心に響く。
自分に大きな自信が着いていることを実感した。
また、自然にも、立山で出会えた人達、みんな、サポートしてくれた人達、全部に改めて感謝をおもいきりしたい。
みんなありがとう!!!

[ゴール!!!]