オレがサイモンの農場でお手伝いをしている時期のことだった。
オレは農場の手伝いの休みの時にその周辺にある温泉に行ったのだ。
オア ホットスプリングスという名の温泉だ。
アメリカでオレは温泉に行くなんて全く予測していなかったから、温泉があることを知ったときはすごく嬉しかった。
ちなみにそこの温泉は人数制限があって、行く前に予約しないといけない位人氣のある温泉だった。
オレはそこの温泉に一泊することにした。
しかも部屋かコテージかもしくはキャンプ場が選べるのだ。
オレはテントを持っていたのでキャンプ場を選んだ。
それに値段も安かったってこともある。
また、キャンプは氣持ちがいい。
キャンプ場の使用料金は一泊$60だった。
部屋を借りると一泊$180、コテージだと一泊$250という値段設定だった。
ちなみに宿泊なしで施設を使用することもできる。
大人一人$30で子供が$25だ。
オレはそこのキャンプ場に宿泊して大正解だった。
その日のキャンプ客はオレ1人で、林の中の川辺にゆっくりと過ごすことができたからだ。
水の音がたまらなく氣持ち良かった。
オレは水の音が大好きだ。

(キャンプ場)
ちなみに温泉と言っても日本の温泉とは若干見たては違うが、アメリカ人の感性で日本をイメージしたかのような建物のデザインがなんとも言えず絶妙でおもしろかった。
また、共同で使えるエリアは牧ストーブがあってオシャレな木でできたアメリカのお家って感じでほんわかする雰囲氣がたまらなかった。



(オア ホットスプリングス)
またそこでは食べものは持ち込み制になっていて、自分達で野菜や肉、パン、米など何でも食糧を持ち込んで共同キッチンで料理するシステムになっていた。
みんな共同キッチンでお互い知らないヒト達同士でちょっとした会話をしながら料理するのがなかなか楽しかった。
温泉付きバックパッカーホステルって感じだった。
でも、自然の中、森の中の温泉ってこともあってお客さんの感じはみんな柔らかいヒト達が多かった。
自然に触れていて健康な生活が好きそうな印象の人達が多いのだ。
そしてメインの温泉。
湯船は大まかに言うと、大浴場が外に二つと大きいバルコニーに1人用のバスタブが二つ並んでいるものと、サウナとスチームサウナ、でっかいプールが一つといった感じだ。
サウナで身体が火照ってからでっかい冷たいキンキンに冷えた冬のプールで泳いでスーパーリフレッシュしたのが氣持ち良かった。
それにハマって何度かそれを繰り返した。
暑いのか冷たいのかがわからなくなるくらい感覚がおかしくなってきて、不思議だった。
そしてこれぞアメリカって感じたのが、お風呂が完全混浴なのだ。
老若男女みんなすっぽんぽんでお風呂を勝手氣ままに楽しんでいた。
オレは正直若干始めのうち抵抗もあった。
嬉しい氣持ちも正直あった。
でもやっぱり慣れると何でもなくなってしまう。
ハワイのマウイ島のヌーディストビーチに行った時もそうだった。




(ハワイ マウイ島 ヌーディストビーチ)
そこでのあたり前に馴染むと人ってその環境に適応すんだなってつくづく感じる。
そんでもってみんなお風呂が大好きそうだった。
日本の雰囲氣とはまた一風変わった温泉体験だった。
それにその日はオレにとってスペシャルな日にもなった。
お風呂から上がって、テントでゆっくりしていた。
そんな時に外の空を見上げていたら、流れ星が流れたのだ。
そしてまた空を見ていたら、また星が流れていったのだ。
しばらく見入っていたら数分間の内に幾つか流れ星が流れて行くのだ。
多分何かの流星群の日だったのかもしれない。
オレはそれを見て、すかさずまたお風呂に向かった。
そして個人用露天風呂に浸かって空を流れる無数の星たちに見入ったのだ。
しかもその場所にオレ貸し切りでだ。
素っ裸であったかい天然温泉に浸かってたくさんのあの流れ星に見入ったあの時間はまさに夢のような時間だった。
自然の中の特別なショーを見ていた。
贅沢すぎる氣分だった。
始めのうちは幾つ流れ星が見れるか数えていたが、途中からやめてただ単純に見入った。
多分30分位お風呂に入っていた時間だけで25~30個位の星が様々なカタチで流れていった。
時に短く、時に長く、時に細く、時に太く、時に少し傾いたり、時にまっすぐとどれもこれも素晴らしかった。
すごく自然な感覚を味わった夜だった。
お風呂から上がってお茶を飲もうとキッチンでお湯を沸かしていたら、受け付けの方からギターの音が聞こえてきた。
その音につられていくとスタッフの人がギターを弾いていた。
それを聞きながらお茶を飲んでいたら、その人とオレはいつの間にか話しをしていて、そして一緒にジャムセッションをすることになった。
オレがうたってそしてそのスタッフの人がオレのうたとギターの音にギターで合わせてくれたのだ。
すごく氣持ちのいいセッションだった。
彼の音からはどこか森の雰囲氣を感じることができた。
そしてお互いに笑顔を分かち合ってめちゃくちゃ氣持ちよくセッションできたことが素晴らしかった。
全部最高な日だった。
オレはアメリカで温泉に入ってつくづく感じたことは、オレはやっぱり日本人なんだなってことだ。
ずっとシャワーだけを浴びる生活をしていた時のことだったから、久しぶりにお湯に浸かってゆっくりしたあの時間。
身体も心もほぐれたような感覚だった。
久しぶりにリフレッシュした。
心が日本に戻ったかのようだった。
毎日触れている当たり前のことが他の国に行くとそれが当たり前じゃなくなってくる。
そんな時に自分に対して氣づくことが多々ある。
改めて自分のことを知りはじめていた。