2014年5月12日
東レは9日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品の量産拠点であるカーボンマジック(タイランド)=CMTH=の生産能力を増強すると発表した。投資額は非公表。従来メーンだったレース車両向けに加え、義足や磁気共鳴画像装置(MRI)部品といった医療分野などでもCFRP部品の引き合いが強まっていることを受けて、タイでの能力増強を決めた。
生産能力増強に向けて、CMTHの既存工場が位置する東部チョンブリ県シラチャーの工業団地で、新たに約2万2,000平方メートルの敷地を賃借した。東レの広報担当者によると、工場の増設により、工場面積は約5倍に拡大する。オートクレーブ成形や切削加工、塗装などの設備を導入し、年内から2016年にかけて順次稼働する予定だ。
東レは昨年4月、童夢グループから童夢カーボンマジック(現東レ・カーボンマジック、TCM)を買収、同社の量産工場であるCMTHを通じて、タイで炭素繊維コンポジットの加工事業に参入した。当初はレース車両向けがメーンだったが、徐々に需要を開拓している。
■独・米と連携で市場開拓
東レグループは、先月に始動した中期経営課題「プロジェクトAP―G 2016」で炭素繊維複合材料事業の飛躍的な事業拡大実現を目標に掲げており、TCMをコンポジット事業の中核拠点として位置付け、ドイツ、米国の拠点と連携してCFRP部品の市場開拓・適用拡大を進めている。
東レが8日発表した14年3月期連結決算は、売上高が前期比15.4%増の1兆8,378億円で、営業利益は同26.1%増の1,053億円だった。このうち炭素繊維複合材料事業は、売上高が46.0%増の1,133億円、営業利益は131.9%増の169億円に伸長。同事業における15年3月期見通しでは、売上高を1,500億円としている。