彼女の名前ですが、仮に「アイシェ」としておきます。

 

 

 

その人は、私が働く会社に 2年前にやってきました。

 

 

 

年は40歳ほど、

155cm位の小柄で、青い目、

いつも明るい茶色の髪を後ろで編みこんでいる。

 

息子が3人いて、長男は大学浪人生、次男は中学生、三男は10歳とまだ幼い。

 

 

 

会社が契約している清掃等下請け会社の社員でオフィスの清掃を担当していました(セキュリティー、清掃、配膳、運搬、受付等は外部委託)

 

 

「いました」過去形なのは、

今現在は「お茶汲み係」だからです。

 

 

 

 

 

 

トルコ人は ”ハイジェニック” に かなりうるさい国民で、元々家の中も掃除が行き届いており、あちこちブリーチで殺菌消毒しないと気が済まない人々です。

 

 

 

 

特に「他人が使用したトイレ」なんて絶対に誰も掃除したくない。

(トルコ航空のトイレが他の航空会社に比べて汚い事が多いのは、トルコ人のCAが掃除から逃げているせいだと思っています。)

 

 

 

 

ですので、オフィスの掃除係になるのは、

不遇な運命にも貧しい家庭の出身で教育を受けることができず、資格や特技も無い事から、

また夫の収入だけでは生活が厳しい等仕方なく就労する方がほとんどなのですが、

 

 

 

そんなある日、他の若いお茶汲み係の女の子がまた無断欠勤をしてしまいました。

 

 

 

今回3度目の無断欠勤なので、もはや見逃してもらえるわけも無く、責任者の間で処遇を相談していたところ、このアイシェがすかさずお茶汲み係に立候補、強い希望により採用されたそうです。

 

 

その後、お茶汲み係にアイシェが昇格したことで、

清掃員の方を補填することになりました。

 

 

 

 

社内で誰が実権を握っているのか嗅ぎ分ける鋭い能力を持ち、周りの目など気にすることも無く猪突猛進、懐に入り込み、取り入って媚びへつらうアイシェ

 

 

 

 

このアイシェですが、会社の担当者に粘り強く掛け合い続けたおかげで、外部委託業者の職員の方々の中から唯一、今期から我々と一緒にテニス・レッスンに参加することも認められたのですが、例えば、息子の卒業式に出席すると仕事を早引きした日の夜ですら、一度も休むことなく貪欲にレッスンに参加、欠席者がいるとその人の分も合わせて2時間ぶっ通しで顔が真っ赤に染まる程の意気込みで挑み、まだ3か月しか経っていないのに ほとんど我々のレベルに追いついてきたくらいです。

 

 

 

 

 

先の全社参加の Welcome Summer Party でも、

 

 

今回のパーティーのコンセプトが「90年代ファッション」だったのですが、誰もが拘ることなく適当な服装で参加したのに、このアイシェは、ファッション投票がある事を耳にし2週間前から色々調べてインターネットでこの為だけにわざわざドレスを購買し、ヘアもアクセサリーも小物のバッグまで完璧に用意し、全職員の誰よりも一際目立って見事1位に選ばれ、5万円相当の賞金を獲得しました。

 

(実はアイシェのファッションは”50年代風スイングドレス”で誤ったものだったのですが飛び切り目立っていたことから選出)

 

 

 

 

 

 

 

社内のボーリング、カーティング大会 にも もちろん両方参加、カーティングでは見事2位に輝く。

(ここでも3万円相当の賞金を獲得)

 

 

 

 

 

 

 

トルコはまだまだ古い考え方の方も多く、

 

 

「3人もの男児を持つ母親が、夫も子供もほっぽり出して頻繁に何を夜遅くまでウロウロして はしたない!」と言う者や、

 

 

「我々の社員でないのに、どこでもなんにでも しゃしゃりでて全く抜かりない」と陰口を叩く人もいます。

 

 

 

 

 

 

良く言えば、

 

「エネルギーに溢れた人」で、

「何に対しても一生懸命な人」

「全力投球で努力の人」

 

なんですが、

 

 

 

誰よりも貪欲で、

誰よりも野心家、

 

まるで 断崖絶壁を爪を立てて必死に這い上がってくるかの様です。

 

 

 

 

 

最近では、受付の女の子が休んだ日や、その子がタバコを吸いに席を外した際に、代わりに受付に座っているのを良く見かけるのですが、

 

 

 

皆誰しもが、

 

アイシェの次のステップ、次のターゲットは

「受付」であり、

それをも手中にした後は「弊社採用」、

そして「正社員」登用、

 

 

であることを知っています。

 

 

 

 

 

目標を立てて達成する、

成功する、

 

 

生まれ育った環境のせいで受ける事ができなかったこの世の不平等さを物ともせず、

本当に、タフな見上げた根性で、なかなかできない、そんな今まで一度もチャンスを与えられなかった不遇な人々の手本となる、とても素晴らしい事だとは思うのですが、

 

 

 

 

 

何故か私はそんな彼女に畏怖の念を抱くというか、恐怖ですね、恐ろしさを感じるんです。

 

 

仕事上の関りも全くなく、別に私のポジションや生活が脅かされる訳ではないのですが、

 

 

まるで 私の本能の深い所で「彼女は危険だ」と感じていて、自分がじわりじわりとどんどん追い詰められていくような、

 

 

この沸き上がる恐怖に似た感情は一体なんなのか、自分でもよく分かりません。

 

 

 

 

 

 

ではでは~ラブラブ

 

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