この投稿は第36回~40回を編集したものです。
2年生になるとクラスはいくつかのレベルで人間関係が分れていた。
授業をサボったり、授業にいてもスマホゲームをしているだけで不毛な日々を過ごしている「吹き溜まり軍団」。
放課後も学校に残り練習をしたり、消防や他校の訓練会に参加したりして本物の救急隊員一歩手前できている「エリート集団」
二つの中間の集団。
エリート集団からすれば吹き溜まり軍団は目障りな存在でしかなかったと思う。
実習でお世話になる病院が主催する災害訓練会があったその災害訓練会には学生を補助員として参加させることになっていた。
田中は災害訓練会のある日に、吹き溜まり軍団で富士急ハイランドに泊まりで行く計画を立っていた。私も誘われたが断った。この時一緒に行っていたら間違いなく騒動の直後に学校を辞めていたはずである。
災害訓練の会場に田中たちは来なかった。訓練会のスタッフに8人ほど欠席することを伝えたらさすがに困惑された。
スタッフから「8人も欠席者が出るのは困るよ、ただでさえ人数ギリギリなのに訓練会の内容を少し変えないといけなくなる。」と返答をした。先ほどのとは様子がかわりイライラしている感じだった。
この訓練会を主催していた病院には病院実習でお世話になることや先輩が系列の病院に就職することもあったので更に嫌な予感がした。
控室には私が今までの味わったことがないくらいギスギスした空気が漂っていた。
クラスの一人が田中のSNSを見て富士急ハイランドに行っているのが発見し、その話をしている時に訓練会の責任者(医師)に聞かれてしまった。
訓練会の内容も開始直前で変更された。主催者の医師はこの時は准教授でこの訓練会が成功したら教授に昇格することになっていた、が訓練会が不評だったから先延ばしになった。
病院実習は受け入れないことを伝えられた病院実習をしないと卒業は出来ないため誰もがやばいと感じた。
田中にLINEをすると「俺らだけで対処するよ。お前や他のやつには火の粉がかからないようにする」
次の日に学校に行くとエリート集団の武川と吹き溜まり軍団の代表の田中が言い争いをしていた。
田中は訓練会のことを任意参加だと認識していたとの言い訳をしていた。
武川が田中の胸なぐらを掴んだ。田中は武川の手を振り払った。武川は田中の顔をなぐった。数人が二人の間に入り喧嘩をとめた。
担任の先生が教室に入ってきて騒動は一旦収束した。担任の先生が田中たちを呼び出した。他の生徒には午前で帰るように指示を出した。
田中をはじめとする数人が学校をやめた。