米クアルコムは9月22日(現地時間)、米ハワイ州マウイ島で開催中の「Snapdragon Summit 2026」で、次世代のAndroidフラッグシップスマートフォン向けチップ「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」と「Snapdragon 8 Elite Gen 6」を発表した。いずれも2nmプロセスで製造し、CPUやGPUに加え、端末上で動作するAIやAIエージェント向けの処理能力を強化した。
従来は最上位が1製品だったSnapdragon 8シリーズを、今回は2階層に分けた。8 Elite Gen 6が前世代「Snapdragon 8 Elite Gen 5」の後継に当たり、新設の8 Elite Extreme Gen 6がその上位に位置する。
Extremeは端末上のAIを大幅強化
両チップは、複数のアプリをまたいで操作したり、バックグラウンドで複雑な処理を実行したりする「AIエージェント」の利用を想定する。クアルコムは、より高速で応答性の高いAI体験を実現するとしている。
にAI処理を強化したのが8 Elite Extreme Gen 6だ。クアルコムによると、300億超のパラメータを持つMoE(Mixture of Experts)型のAIモデルに対応する。
AI処理を担う「Hexagon NPU」では、共有メモリの容量を前世代から50%拡大した。モデルのデータをNPUの近くに保持し、メインメモリへのアクセスを減らすことで処理速度を高める。
ExtremeのGPU「Adreno」には、AI処理向けの行列演算コア「Adreno Matrix Cores」も搭載した。AIを使ったアップスケーリングやフレーム生成などを利用し、ゲームなどで画質やフレームレートの向上を図る。
CPUは最大5GHz、GPU性能は最大44%向上
両チップにはクアルコム設計の最新CPU「Oryon」を採用し、最大動作周波数は5GHzに達する。同社によると、モバイルCPUとして5GHzに到達するのは世界初という。
前世代のSnapdragon 8 Elite Gen 5と比べると、8 Elite Extreme Gen 6はCPU性能が13%、GPU性能が44%、NPU性能が35%向上した。8 Elite Gen 6もそれぞれ10%、35%、14%向上している。
電力効率は両チップともCPUが37%、GPUが40%改善した。AI処理のワット当たり性能は8 Elite Extreme Gen 6が33%、8 Elite Gen 6が20%向上したという。
8K/60fps動画にも対応
カメラ機能では、8 Elite Extreme Gen 6が動画コーデック「Advanced Professional Video(APV)」に対応する。8K/60fpsでの動画撮影に加え、4K/240fpsのスローモーション撮影も可能だ。
音声などのセンサーデータを常時処理する「Sensing Hub」も刷新した。低消費電力で動作する処理系を強化し、必要に応じてCPUやNPUなどの高性能なプロセッサを起動できるようにする。
MotorolaとXiaomiが搭載スマホを披露
搭載製品も早くも登場する。同発表会場では、中国Xiaomiと米Motorolaが新チップを採用したスマートフォンを披露した。
Motorolaの「Signature 27」は、最上位のSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6を搭載する。5000万画素のメインカメラと2億画素のペリスコープ望遠を含む4眼カメラを備え、米Googleの生成AI「Gemini」にも対応する。発売は2026年内を予定している。
Xiaomiは「Xiaomi 18 Pro」にSnapdragon 8 Elite Gen 6、上位モデルの「Xiaomi 18 Pro Max」にSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6を採用する。クアルコムが新たに設けた2つの最上位チップを、Xiaomiも製品ラインアップで使い分ける形だ。同製品は中国で日本時間の9月23日夜に正式発表予定。グローバルでの展開も2026年中を予定している。
