明記されていた「暗号資産」の文字
〈一般的に、本トークンをはじめ、暗号資産(特にミームコイン)はボラティリティの大きい資産であり元本保証はなく、その価値が大きく変化したり、または無価値になったりするリスクがございます〉
資料には総理の名を冠す「SANAE TOKEN(サナエトークン)」が「暗号資産」であると明記されていた。
サナエトークンは「ミームコイン」と呼ばれる暗号資産の一種だ。時価総額は一時、数十億円に膨らんだ。しかし、発行元の「合同会社NoBorder DAO」(以下ノーボーダー)に無登録営業の疑いがあり、金融庁が実態把握に乗り出す中、価値はほぼゼロに。
高市早苗総理も「我々が何らかの承認を与えさせて頂いたことはない」とシラを切ってきた。
高市総理の公設第一秘書である木下剛志氏は、ノーボーダー側より昨年末から「高市早苗応援企画」を始めたいと相談を受け、「ノーボーダーの責任の範疇で行うことは問題ない」と了承したと本誌に明かした(3月30日号)。一方、「仮想通貨だとの説明は一切なかった」とも釈明する。
ところが、異論も出ている。
「高市さんサイドに出した資料には書いてあるのよ。ミームコインって」
3月21日公開のYouTube番組でそう語ったのは、若者の間で高い知名度を誇る「青汁王子」こと実業家・三崎優太氏。サナエトークンを発表したYouTube番組『REAL VALUE』にも出演していた。
三崎氏は「関係者から聞いた」としつつ、高市事務所への提出資料には〈SANAE TOKENは、「変革の熱狂」をみんなでシェアするためのミームコイン〉と書いてあったと明かした。事実なら、総理サイドの主張が覆ってしまう。
高市総理の「サイン」入りの資料
筆者が再び高市事務所に訊くと木下氏から回答があった。
〈(当該)資料なるものは一切承知してない。仮想通貨であるとか、ミームコインであるとの説明は一切受けてない〉
木下氏は否定するが、筆者の手元には三崎氏の説明と符合する資料がある。冒頭で触れた、〈SANAE DAO PROJECT構想概要書 2025年11月版〉と題された11枚のペーパーだ。高市総理のサインとともに〈高市首相本人とともに日本国民全員で明るい未来を創っていくことを決心しました〉とある。
資料によれば、トークンは高市総理へ政策提言すると付与される仕組みだ。さらに〈社員権出資者には様々なトークンが貢献の対価として無償付与されます〉と、出資も募っていた。12月にトークン発行、2月に分散型取引所(DEX)へ上場、というスケジュールも記載されている。
実はこの資料を用いて、昨年11月から営業を行っていた人物がいる。著名実業家・溝口勇児氏と並ぶノーボーダー幹部の松井健氏だ。
〈私どもが主体となって高市事務所とのやり取りを繰り返してまいりました〉
3月21日に松井氏を名乗るXアカウントはそう明かした(現在は削除)。
サナエトークンの設計者を名乗り、昨年の総裁選では高市陣営のネット対策も支援したという。
本当は、もっと以前に知っていたのでは?
秘書の木下氏が、勝手に話を進めていたとは考え難いな。




