中国のSHEIN・Temu・AliExpressに輸入関税を課すべくEUが免税枠の廃止を検討 | ITCトレンダー・カワピーの気になるブログ‐ゲーム、PC、デジタル機器情報

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欧州連合(EU)は中国のプチプラブランドであるSHEINやTemuの製品に関税を課すべく、これまで存在した「150ユーロ(2万6000円)以下の輸入品は関税免除」という基準を廃止することを検討していることが明らかになりました。


イギリスの経済メディアであるFinancial Timesが関係者から入手した情報によると、EUの政策執行機関である欧州委員会(EC)は、中国のオンラインマーケットプレイスであるTemu、AliExpress、SHEINの製品に関税を課すため「輸入関税を免除できる150ユーロの基準枠」を撤廃することを検討しているそうです。


ECによると、2023年にEUに輸入された免税品の点数は23億点で、これは前年比で2倍以上となっています。「輸入関税を免除できる150ユーロの基準枠」は、基本的にEU圏外から顧客に直接製品を発送するオンライン小売業者にのみ適用されます。そのため、アメリカに拠点を置くものの、EUを拠点とする販売者を利用して製品を顧客に発送するAmazonなどの販売業者に、この免税措置は適用されません。

この他、ECは大規模なプラットフォームに対してオンラインでの付加価値税(VAT)の支払いを義務付けることも検討しています。2021年以降、EUの消費者に送られる小包は、金額に関係なくVATを支払っていますが、これにも免税措置が課されています。


EU当局の匿名の関係者によると、ECはすでに2023年の時点で免税枠の廃止を提案していたそうです。また、近年の安価な輸入品の急増に対抗するべく、「対応策の導入を早める可能性がある」と語りました。

しかし、免税枠を廃止することになれば、すでに手一杯の税関職員の仕事を増やすこととなるため、「EU諸国の同意を得るのは難しい」と別の関係者は語っています。

なお、EUで報告された危険製品の数は2022年から2023年にかけて50%以上増加しており、1年間の報告件数は3400件超に達しています。なお、最も安全性に問題があるとされているのが、化粧品・玩具・電化製品・衣料品などです。


小売業界のロビー団体であるEuroCommerceのクリステル・デルベルヘ事務局長は、「我々はEUに拠点を置く消費者をターゲットとするすべてのプレーヤーが、拠点がどこであろうと、オンライン小売においてEUと同じ土俵に立つことを望んでいます」「既存の法律で十分ではあるものの、効果的かつ効率的な国境を越えた執行戦略が必要となる」と語りました。

なお、Temuは同社の著しい成長は安価な製品の売上に依存していないと言及しており、Financial Timesの報道に対しても「消費者の利益に沿うような立法府の政策調整には前向きであり、支持するつもりです」とコメント。AliExpressも「立法機関と協力し、EU市場においてコンプライアンスを遵守する立場にあることを確認し、現在も、そして今後もそうあり続けます」と言及しました。SHEINも、免税措置の廃止を「全面的に支持する」とコメントしています。