能登半島地震で割れ残った“佐渡沖の活断層”
津波の波形から活断層の動きを分析する東京大学地震研究所の佐竹健治教授。
「能登半島地震では色のついた4枚の活断層が最大4m滑ったことで、津波が発生した」と話す佐竹教授は、このときほとんど動かなかった活断層の存在を指摘した。
それが、佐渡沖の2枚の活断層だ。
割れ残ったこの活断層が大きな揺れを引き起こす恐れがあると警鐘を鳴らしている。
「例えば2枚の活断層が滑ると、最大M7クラスの地震が発生して新潟県でも3mくらいの津波が発生する可能性がある。それだけのポテンシャル・エネルギーを持っている」
しかし、一体なぜ佐渡沖の活断層だけ割れ残ったのだろうか?
佐竹教授は「活断層の傾きが違う」と指摘する。
今回、動きが大きかった能登半島沖の活断層は南西に傾いているのに対し、佐渡沖の活断層は北西側に傾いていて傾きが逆方向だった。そのため、活断層の動きに差が生まれたという。
「約1カ月後に最大余震…」十分注意を
幸い元日の地震では動きが小さかった佐渡沖の活断層だが…「(日本海側の)M7.5以上の地震は一番大きな余震が1カ月くらい経って起きるということは結構ある」
これまで日本海側で起きた3度の地震は約1カ月後に最大余震が起きているという。
「佐渡沖では十分注意する必要がある。1月1日から1カ月なので、あと1週間~2週間くらいは十分注意が必要だと思う」
約3mの津波の恐れ 到達時間も短く…
さらに、佐渡沖の活断層は新潟沿岸に近いため、津波が到達するまでの時間の短さに注意が必要だ。「場所にもよるが5分~10分以内には到達するところが多い」
佐渡沖で大きな余震が起きれば、高さ3mほどの津波が元日の地震よりも早く押し寄せる可能性がある。
「特に津波が大きくなりそうなのは佐渡の小木、断層の真向かいにある上越・柏崎あたりで津波が大きくなると考えられる」
佐竹教授はハザードマップで浸水域を確認して、大津波警報が発表されたらすぐに逃げる心構えをしておくべきと話している。