※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(24.5.10.金) 晴れ

 今日はK大病院で、5年半前に発症した「気管がん  私の場合は「気管がん」といっても、気管と食道の外側壁の前縦隔という部位に貼り付くように腫瘍ができていた  の経過観察として「脳MRI」「上半身CT」「血液・尿検査」を受けることになっている。

 1週間後には、この検査結果に基づいて、がん診療部(呼吸器内科)の診察がある。この経過観察も  症状が安定して来たからだろう  最近は半年に一回になった。もう少ししたら「寛解」と告げられて、経過観察も必要なくなるのを期待している。

 最近はK大病院へは、雨でもない限りは、もっぱら自転車で行っている。今日は、9:45に脳MRIの予約、その後、11時から上半身CTなので、それまでの空き時間に血液・尿検査を受けることにしている。

 脳MRIは外来棟の地階にある。これまでもう何回か受けているので、段取りも手慣れたもので、不安もない。脳MRIは、腕の血管から造影剤を注入するが、今日は血液検査の採血もあるので、腕を左右で替えなければならない。

 脳MRIの場合は「息止め」もないので、比較的楽に受けることができる。私が受ける検査で一番しんどいのは  今回は受けないが  やはり「PET-CT」検査だろう。画像診断装置に入る前に腕から薬剤を注入して、薬剤が全身に行き渡るように30分間程度安静にしておかなければならない。薬剤が全身に行き渡るのに支障をきたすので、眼や脳を使う読書も禁止されている。こんな時は、すんなり眠ることが出来れば楽なんだが、なかなかそうもいかないのでその30分間の長いこと  子供の頃のことや高校時代のことなどを思い出したりしていると、比較的時間が早く流れるように思う。

 滞りなく脳MRIが終わり、次は外来棟2階の採血室へ行き、自動受付機で受付をした。混み合っている時間帯だったので、私の前に50人以上も“採血待ち患者”がいる。とりあえず検尿だけを先に済ませ、待合エリアで、⑪-9『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』を読みながら時間待ちをしていた。上半身CTの予約時刻まで時間は十分にあると思っていたが、やはり50人も採血待ち患者がいると、結構、時間がかかり、CTの予約時刻が迫ってきた。MRIやCTなどの画像診断検査は予約時間の15分前に受付にかなければならないが、そうこうしているうちに、呼出端末ピッチから検査受付15分前の催促アラームが鳴り出した。

 今日の採血スピッツは8本だったが、手慣れた看護師さんだったので、採血を終え、なんとか予約時刻前までに中央診療等の画像診断受付に行くことができた。この採血室から中央診療棟へ行くまでの廊下には、採血した検体を運ぶ「ロボット」が往復していて、移動している順路に立つと、「ロボットの経路なので立ち止まらないように」と音声で警告する。車椅子の患者さんも慣れたもんで、車椅子を押している人に「ロボット来はったし、どいたげなあかんでぇ」てな感じ。

 CT撮影待合室に入ったら、予約時刻15分前を過ぎていたのですぐに検査の呼び出しがあった。今回は単純CT撮影なので造影剤を注入する必要がない。造影剤CTを受けるときは、アレルギー反応とまではいかないが、お腹がムカついて吐きそうになる。

 CT撮影も滞りなく終えて、外来棟に戻り会計受付をしたが、このK大病院では患者アプリが開発されていて、予約日の1週間前に受診案内があり、その時に保険情報の写メを送ると、それで保険確認が終了するので、受診後の会計受付で提示する必要がない。しかし、そのうち「マイナ登録」をして保険証も発行されないようになるんだろうが、普通のお年寄りが対応できるんだろうか。

 

 会計受付後に診療料金を支払った後、予定どおり『吉本隆明全集』を受け取りに『京大生協書籍部ルネ』へ向かった。

 まず、ルネに寄った時についでに購入を予定していた「講談社選書メチエ」の長谷川宏『日本精神史 近代編』を探しに「選書」のコーナーへ向かった。「選書」かと思っていたが、前著の『日本精神史』と同じような体裁の普通のハードカバーの単行本だった。この『日本精神史 近代編』上下二冊を持ってレジに行き、取り置いてもらっている『吉本隆明全集第34巻』と併せて、スマホで生協電子マネーで料金を支払った。京大生協書籍部で本を購入すると1割引になるが、「京大生協アプリ」に1割分のポイントを付与して対応するようにシステム変更されたので、四苦八苦しながらスマホにアプリをインストールした。

 

(24.5.11.土) 晴れ

 最近は、京都市内、どこへ行っても外国人観光客を見かけるが、今日、たまたま、ヨメさんとふたりで北白川のラーメン『ますたに』立ち寄ったら、店前に人が並んでいた。店内を覗くと店内にも数名の人がいる。店前にいたうちの二人は高齢の外国人女性だった。どこからきたのか尋ねるとドイツからとのこと。それで、私の娘と孫たちも4年間ドイツにいて、今年、帰国した旨を伝えると、「オッ〜、長い間いたんですね、どこに滞在していたんですか?」と訊かれたので「ライプチヒ」と答えておいた。

 順番が来て、彼女たちはカウンター席にふたり並んで着席し、店のスタッフから英文表記のメニューを渡されていた、といってもこの『ますたに』のメニューはいたってシンプル。普通のラーメンかチャーシュー麺の2種類でその大・小別の4種類、あとはライス(白飯)と漬物(たくあん)しかない。

 しばらくして私たちもカウンターに案内された。私はチャーシュー麺の大でネギを多め、ヨメさんは普通のラーメンの並を注文した。しばらく、私のAmebaブログ『京都一乗寺ラーメン街道探訪記』もご無沙汰してるので、今回の『ますたに』をアップしようかと思ったが、また一人で来たときに取り上げることにした。

 先に注文していた二人の外国人女性は、ちょうどL字形のカウンターの両辺の調理場を挟んで見渡せる位置だったが、見ているとライスも頼んでいるではないか。店前で並んでいた時に「どうしてこの店を知った?」のか尋ねたら、この店には何回か来ていると言っていた。メニューなどに関してある程度の知識があったようだ。

 ラーメンを食べ終え、支払いを済ませて店を出るタイミングが、またまた彼女たちと一緒になった。彼女たちは、店に入ってすぐの場所でスタッフが麺を大釜で湯がいているところを写メしていた。

 事程左様に、京都は  京都だけに限らないかもしれないが  どこに行っても外国人観光客に出会すようになった。以前からも京都は、他の地に比べて外国人観光客が多かったが、コロナで、一旦、減少したのが、現在の「円安」とも相まって、まさにオーバー・ツーリズム状態。静かな京都を取り戻すために「鎖国」ならぬ「鎖京」宣言でもするか。

 

(24.5.12.日) 雨

 今日は母の日なので、カーネーションでも持って来てくれるのだろうか、夕方、娘一家がこちらに来ると連絡があった。

 夕方に来るということは、夕食もこちらで食べるつもりなんだろう。ヨメさんも楽しみにしているようなので、まあいいかな。我が家で食事となると後片付けが大変なので、今日は、『洛北阪急スクエア』地階の『にぎり長次郎』を利用することにした。この店は孫のS君のお気に入りで、私と二人で何回か行ったことがある。私はいつもセットメニューを注文するが、S君はタブレットで自由に好きなネタ  トロ、サーモン、イクラなどの値のはるもの  を注文する。

 今日は、自転車を連ねて来るものと思っていたが、雨模様なのでマイカーにするらしい。それで「ムコさんは飲まへんの?」と訊くと、「お寿司やしええいうてるわ」とのこと。そうなると駐車場を確保しておかなければならない。『洛北阪急スクエア』の駐車場  『にぎり 長次郎』に行くので無料で利用できる  でもいいかなと思ったが、団地の管理組合事務所に来客用駐車場を申請した。

 予定どおり、夕方5時頃に娘たちがやって来た。『にぎり 長次郎』は夕方6時からの予約だったので、家で遊ぶというほどの時間はなかったが、めずらしく下の方の孫K君が将棋をしようと言って、将棋盤と将棋の駒を持ってきた。K君が将棋をするといっても、将棋の駒と盤を使って遊ぶ「回り将棋」のこと。これまで一、二回遊んでやったが、ルールは半分うら覚え、兄のS君も一緒にやるので、私と三人でするのが楽しいようだ。

 そうこうしているうちに6時前になったので『にぎり 長次郎』に出かけた。「食べログ」で6人の席を予約しておいたため  夕食どきだったので店前には何組かの客が待っていたが  待つこともなく入店できた。

 大人4人は握り寿司10巻ほどのセットメニューを注文したが、S君とK君は「マグロづくし」「サーモンづくし」などの握り寿司が5巻ほどのメニューをタブレットで注文していた。

 1時間ほどで食事を済ませ、S君はパパ(ムコさん)と『ひごペット』へ飼育している魚の餌を買いに、K君はママ(娘)とヨメさんと一緒にお菓子を買いに行った。私は一人で自宅に帰ったが、ほどなくみんなが帰ってきた。娘たちは、ヨメさんが買ってきたハーゲンダッツを食べ終えてから、帰って行った。今日は外食にしたので後片付けもなく、夫婦円満といったところ。

 

【今日の読書479※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-44『明治大正史 下』

③-54『すごい実験』

③-55『ありえない138億年史』

④-9『小林秀雄全集7/歴史と文学・無常ということ』

⑥-25 『文庫の読書』

⑥-27『小説家の四季 2007-2015』

⑦-89『騎士団長殺し3』

⑦-90『フィッツジェラルド10』

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑩-43-『前人未到』

⑪-9『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』

⑫-29『小説の読み書き』

⑬-11『こころ』(Kindle)

コメント:引き続いて、③-52『生命 最初の30億年』から、私が印象に残ってマーカーを引いた箇所を引用しておく。

p.249「葉緑体とミトコンドリアをもつ真核生物は、ミトコンドリアだけをもつ細胞も存在する系統樹の大枝で、末端の枝に位置するはずなのだ(つまり、葉緑体をもつ細胞でミトコンドリアのないものはない)。そして、真核生物の根元近くの枝には、核はあるがミトコンドリアのない細胞がなければならない  この原初の真核生物から、すべての内部共生が始まったのである。」

p.284「七億五千万年前までに真核生物は、原核生物の代謝によって本質的に維持された現在の生態系の  複雑にもつれ本質的ではない  頂部を形成する、入り組んだ食物連鎖を構成し出していた。」
p.250「長い原生代が終わりに近づくにしたがい、地球が真核生物の惑星になっていった」

p.287「真核生物の系統関係にかんする議論は今もかまびすしいが、意見が異なるのは、たいていその系統樹の初期の枝にあたるものの正体と性質だ。今日見られるさまざまな真核生物の多くが、急速な分岐を遂げた比較的短い期間に現れたという点では、広く意見の一致を見ている。」

p.292「有性生殖のおかげで、真核生物は進化の原材料  個体群内の遺伝子の多様性

  をとりわけよく生み出せるようになり、その結果多様化が進むという主張に、数学が論拠を与えてくれる。」

p.294「原核生物の多様性は、細菌や古細菌が種々の栄養源やエネルギー勾配(場所によるエネルギーの差異)を利用する、その驚くべき能力を反映している。これに対し、真核生物は、世界との新しい関わり方に取り組むことによって、多様化を遂げた。」

 

今日の映画479】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『タイムリミット(Amazon Prime Videoで視聴)

原題:Out of Time

製作年:2003年

製作国:アメリカ

監督:カール・フランクリン

出演:デンゼル・ワシントン/エバ・メンデス/サナ・レイサン/ディーン・ケイン

ストーリー:フロリダ州の小島で警察署長を務めるマット・リー・ウィトロック(デンゼル・ワシントン)は、仕事の腕は一流で、部下からの信頼も厚い、がプライベートでは、妻アレックス(エヴァ・メンデス)とは8ヵ月前から別居中だった。関係が悪化して以来、高校時代の後輩で今は人妻のアン(サナ・レイサン)と親密になり、彼女と過ごす甘い時間に慰めを見出していた。夫クリス(ディーン・ケイン)の暴力に苦しんでいたアンへの同情は、いつしか激しい情熱へと変わり、ふたりはたびたび密会を重ねる仲になっていた。ある時マットはアンの頼みで、彼女の兄として病院に付き添う事になった。そこでアンはガンの転移が見つかり、余命わずかと宣告されてしまう。アンの主治医はスイスの代替医療を紹介するが、治療費が高額で、必ず治る保証もないという。死を覚悟したアンは・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.7、TSUTAYAは3.16、Filmarksは3.3で、私の評価は3.3とした。

 デンゼル・ワシントンは、あのわけ知り顔が、なぜか好かない。しかし本作では、役柄の設定もあって、かなり狼狽えた顔が垣間見えた。ストーリーは、途中でドンデン返り、逆にマット(デンゼル・ワシントン)が追われる立場に変わってしまという、かなり面白い展開。

 

【今日のジャズ479※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:The Chase And The Steeplechase

アーティスト:Wardell Grey And Dexter Gordon

レーベル・品番:Decca・DL 7025

録音年月日:1952.2.2

曲名:The Steeplechase/The Chase

ミュージシャン:Conte Candoli (tp)/Dexter Gordon (ts)/Wardell Grey (ts)/Bobby Tucker (p)/Don Bagley (b)/Chico Hamilton (ds)

ミュージシャン:Art Pepper (as)/Hampton Hawes (p)/Charlie Haden (b)/Shelly Manne (ds)

コメント:史上最高のテナー・バトルを記録したのがこの作品。パワーとテクニックで迫るデクスター・ゴードンとワーデル・グレイのやりとりが痛快に響く。ライヴをいうこともあって、ふたりが白熱のブローを繰り広げる。ビバップが熱かった時代に残された演奏だけに、超絶的なテクニックの競い合いと挑発的な応酬が認められる。併録されたトニー・スコット率いるグループの演奏もアルバムに大きな価値を加えた。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Dexter Gordon Denmark 1967

Dexter Gordon Quartet Live At The North Sea Jazz Festival • 15-07-1979 • World of Jazz

Dexter Gordon Lives - Jazz Video Guy Live - 8.28.20