※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 今回から、下記に記載した経緯のとおり、このブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

『逃病日記』の表題の変更について

 前回は、この『逃病日記』が記念すべき500回を迎えた。

 その500回目の『逃病日記』の「23.5.24.水」の記事で、「A病院に行って(中略)診察の結果、私は異常はなかったが、ヨメさんの方は異常所見で薬が処方された」とし、「詳細については、また、後日に書いてみたい」と書いた。

 「詳細については、後日に書く」と書いたものの、なかなか踏ん切りがつかなかった。しかし、この『逃病日記』の、私自身の生活の中での位置づけなどを考えた結果、501回目からこのブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにした。

 詳細については、追々、書いていくことにするが、5月24日にA病院に行ったのは、「物忘れ外来」を受診するためだった。私は受診する必要はなかったが、謂わばダミーで受診することにした。

 ここ半年くらい、ヨメさんが、同じことを何回も言ったり、尋ねたりすることが多いなぁ、と感じることが多くなってきた。当然、高齢化によって物忘れは多くなってくるのは、誰しも経験することで、多くの人に共通する一般的な症状だろう。ただ、ヨメさんの場合は、高齢化による症状の域を超えているように感じていた。この3月に娘たちがドイツから帰国したが、ここ2ヶ月の間、娘も母親と接していて同様な印象を持ったようだった。

 先日、娘に「お母さん、このごろ、ちょっと物忘れが酷ないか?」と訊くと、「おばさん(ヨメさんの姉)もいうてはった」とのこと。それで3人で集まって  私と娘と義姉  で相談して、どこか適当な病院で診てもらおうということになった。

 しかし、なかなか「猫の首に鈴」はつけにくいもんだ。あれやこれやと策を検討した結果、私と二人でA病院の「物忘れ外来」を受けることにした。前もって電話で相談したときには、私の電話での応答ぶりから、私は受信する必要はないだろうと言われた。ただヨメさん一人だけ受診させると言っても、なかなかOKしそうもないので、「ふたりで一緒に見てもらおか」と持ちかけて、受診することになった。

 医師による、標準的な口頭のテストや脳CTなどを受けた結果、ヨメさんは、「アルツハイマー型認知症」の初期段階と診断された。

 CT画像を見せられながら説明があったが、ヨメさんにしたらなかなか受け入れ難いことだったんだろう。私が「細かいことをガミガミ言うのでそのストレスでおかしなった」と、医師に告げたりして、医師と、同席していた看護師ともどもなんとも困ったような顔をしていた。私も「そんなことではならへんよ」と嗜めるが、ヨメさんは、かえってその言葉に激昂するばかりで、ほとほと困り果ててしまった。しばらくして、なんとか落ちついたが、ヨメさんは一人で帰ると言って病院前で別れてしまい、私が、処方された「ドネペジル錠」という薬をA病院近くの院外薬局で受け取って帰宅した。

 以上が、『逃病日記500』の「23.5.24.水」の記事の顛末である。詳細については、追々、書いていくとともに、日々の記事もそのヨメさんに関する内容のものが多くなることを想定して、このブログの表題を、501回目から『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更するにした。

 現在のところ「ドネペジル錠」が、唯一の効果的な治療薬らしいが、初期段階に服用することによって、この効果で、「アルツハイマー型認知症」も初期段階で止まることもあるらしい。一方で、日々刻々と症状が変化していくことも想定されるが、いずれにしろ、そのことを記録しておくことは、私自身にとっても、無駄ではあるまい。

 私が、本庶佑先生がノーベル賞を受賞した研究成果に基づいて開発された「免疫チェックポイント阻害剤」オプジーボの同類薬キイトルーダによって、「気管がん」が寛解に近い状態にまで回復したように、「アルツハイマー型認知症」の治療薬も、病気の原因  脳内で作られるアミロイドβというタンパク質(脳内のゴミ)が、異常によって脳内から排出されずに蓄積して健康な神経細胞にまとわりつく  が分かっているだけに、今回、処方された薬で治療中に、新たな特効薬が開発される可能性も否定できないだろう。

 

(23.5.26.金)曇り

 今日もまた、上の方の孫Sの小学校が振替休日  今週の月曜日に、同じく振替休日ということで、娘と二人でUSJに行ったばっかりなのに。私学だから振替休日が多いというわけでもないんだろうが、ということで今日は、私たちがSの面倒を見ることになった。

 ちょうど新京極三条のMOVIX京都で『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を上映していたので、それを観て、その建物地階のくら寿司で昼食という段取りになった。

 ところが、上映スケジュールをみると、なかなか上手い具合な時間帯が見つからない。同じ『スーマリ』で、「字幕」「吹替」「3D」と三つの上映ヴァージョンがある。Sは小学校3年生なので、字幕は読みこなせないので無理だろうと言うと「英語音声で分かるで」と、クソ生意気なことをぬかす。しかしその字幕ヴァージョンも時間的にムリがあったので、結局、3Dヴァージョンで観ることになった。例のメガネをかけて観るやつで、料金は少し高めだが、スケジュール的にはこれがいちばん好都合だった。ただ、上映開始時刻が13:50からだったので、先にくら寿司に行くことになった。

 ヨメさんは、映画は観ないで、四条の大丸裏にある美容院に行くことになっていたが、昼食は一緒にくら寿司に行った。前に行ったときは映画『ドラえもん』を観てから、ヨメさんと待ち合わせてくら寿司に行った。今日は、くら寿司も前回のように混んでいなかったため、順番待ちすることもなく席につけた。Sは、いつものように「イカ嫌い、ハマチ嫌い」と、いくらや中トロなど、子供らしからぬ高級ネタばかりを頼んどる。子供を含む3人で6千円以上って、ちょっと食い過ぎか・・・・・・。

 たらふく食べて店を出たが、ヨメさんは錦市場を通って美容院へ、私とSは丸善に行くことにした。Sもパパと一緒に丸善にはよく行っているようで、地下2階までエスカレーターに乗ってスイスイと降りて行って、目的の洋書コーナーへ一直線。その洋書コーナーで何を買ったかといえば、英語版の『ドラえもん』  愛読書で何冊も持っているようだ。

 その後、今日もSは「お泊まり」なので、市バス3系統に乗り、最寄りのバス停田中大久保町で降りて、我が家に帰った。

 

(23.5.27.土)晴れ

 お泊まりもいいが、孫Sは、朝6時過ぎに起き出すので、ヨメさんもやや閉口気味ではある。

 朝食を終えてからは、私がSの相手をしなくてはならない。団地の集会所でセグウェイをするというので、一緒に集会所に行った。セグウェイを買ってから、もう二、三ヶ月ほど経ったので、だいぶ、上達してきたようだ。30分ほどセグウェイを乗り回していたが、飽きてしまったのか、今度は高野川河川敷に虫取りに行くと言い出した。捕虫網も持って出ていたので、セグウェイを取りあえずクルマのトランクに入れておいて、高野川に出かけた。

 今の時季、虫取りといっても、いるのはモンシロチョウぐらいのもんで、捕虫網をさかんに振り回しているが、なかなか取れない。手本を示してやろうと、捕虫網を取り上げて挑んだが、結構、虫取りも難しいもんだ。諦めて、すぐに捕虫網をSに返したら、今度は亀石を渡って、対岸に行って網を振り回していたが、なんとか蝶を2匹捕まえて戻ってきた。

 

(23.5.28.日)曇り時々晴れ

 昨日、孫Sと近くのアサヒに自転車を下見に行ってきた。

 主目的は、「ゴルフで日本一周」の際にトランクに折り畳み自転車を積んで回るため  脚が不自由なために行動が制限されるのでそれを補うのが目的  だが、ドイツから船便で送った荷物の中に入っているSの自転車が届くまでの間、Sに貸しておいてやろうと思って、折り畳み自転車というのが、サイズ的にどんなもんかと下調べに行った。

 なるだけ重量の軽そうなアルミフレームのものを選んだ。店員に訊くと、折り畳みで車経が20インチの自転車でも、身長が150cm以上ないと勧められないとのこと。小学3年生でそこまでの身長はないので、やはりSとの共用は無理のようだ。

 仕方がないので自転車をSに貸してやるのは諦めて、「ゴルフで日本一周」の際にトランクに積んで携行することだけの目的に留めることになったが、予定していた自転車を購入した。アサヒの店舗から家まで乗って帰って、棟の前で自転車を折り畳んで、クルマのトランクに入れておいた。

 

【今日の読書381※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

②-43『明治大正史 上』

③-49『生物の世界』

③-48『量子革命』

⑦-84『あの本は読まれているか』

⑧-14『失われた時を求めて14』

⑨-5『自省録』

⑬-8『それから』

コメント:引き続いて、今西錦司の③-49『生物の世界』からの抜粋となるが、今回も第四章「社会について」から印象に残った箇所を抜粋した。この『生物の世界』からの抜粋、引用については、長々とした文書が多いので、読んでもらっているだろう人たちもウンザリするとおもう。しかし、私が今まで接したことのない「考え方」として、記録としておきたいのでご容赦願いたい。

p.98「同種の他の個体というものも、やはりこれを一つの環境と考えるならば、それがその生物の生活状態の如何によってその意義を異にする、あるいはそれがその生物の生活の場に現われたりひっこんだりするのである。われわれだって生きている以上はその生活の場はつねに可変的なものであり、厳密にはそのときその場所における状態によって同一対象に見出すわれわれの意義を異にするものではあるが、多くの動物などではそれがもっと簡単化され、したがってより効果的に積極化されていると考えられないだろうか。生活の場に現われたりひっこんだりするといったのはその意味であったが、それもでたらめにそうなるのではなくて、一定の生理的過程によってその生物の生活史というものが至極鮮やかに展開するようにできている。したがってどういう環境が生活史のどういう時期に求められ、そういう対象がそのどういう時期に生活の場に登場してくるかということがほぼきまっており、その適切な時期に一致していなければそのものはその生物にとって何ら意味のない、存在しないと同様なものとして取扱われる。そしてこういう現象を一般に呼んで生物の、とくに昆虫などの本能的習性といった場合が多いのである。だから生物の社会などとひと口にいってしまって、これを抽象的に取扱いすぎると、とかく誤解を生ずる。」

p.98-99「原則的には同種の個体が相集まれば、そこになにか同種の個体であることによってのみ生じ得るような状態が発生し、そういう関係が持続的に成立して行くところには、そういう集団が家族とか群れとかいうような構造にまで発展していることを認め得られるといっても、要するに同種の個体の集まりでない種というものもなければ、種というもので同種の個体の集まりでないというものもないのである。(中略)一定の分布地域というものがきまっているということは、種というものがその中で個体の繁殖し、また営養をとる一つの共同生活の場であることを意味し、またその限りにおいては種というものの中に、根源的になにか社会というものを意味するものが含まれていなければならないと思うのである。そういう意味において社会性ということは、このもとは一つのものから生成発展し、どこまでも相異なるものの世界においてどこまでも相似たるものが存在するという、この世界の一つの構造原理であり、相対立しあうもの同士とはどこまでもその対立を空間化し、空間的に拡がって行かねばならない存在として、社会性はこの空間的構造的一面を反映した、この世界を形づくるあらゆるものに宿っている一つの根本的性格なのであるかも知れないのである。そして生物の社会とはどこまでもその中で個体が繁殖もし営養もとるところのものではあっても、社会のこの空間的構造的性格はどちらかといえば営養ということの方により深い関連を示すものであると、解釈しておいたのである。」

p.100-101「それぞれの種には大体それぞれの種の分布地域というものがきまったいるというのは何故であろうか。(中略)地球上の状態がけっしてどこでも同じではないのである。水陸の分布が不平等であるし、ある処には山があり、ある処には山がない。第一に生物活動のエネルギーの源泉ともいうべき太陽の輻射熱がけっして地球上のすべての場所に平等に与えられてはいないのである。だからわれわれの世界というものは根本的に不平等な世界であり、不平等はわれわれの世界が担っている一つの宿命的性格だあるともいえる。(中略)私はこの不平等さゆえに、かくも多種類の生物がこの地球上に反映しているのだといいたいのである。」

 

今日の映画381】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『偽りの忠誠 ナチスが愛した女(Amazon Prime Videoで視聴)

原題:The Exception

製作年:2016年

製作国:イギリス・アメリカ

監督:デビッド・ルボー

出演:リリー・ジェームズ/ジェイ・コートニー/ジャネット・マクティア/クリストファー・プラマー

ストーリー:1940年、ナチス・ドイツによる他国への侵攻は激しさを増していた。そんな中、退位しオランダに亡命したものの、未だ国内に根強い支持者を持つドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム2世(クリストファー・プラマー)の動向を監視するため、ヒトラー政権によりオランダの元皇帝の屋敷へと送られてきたドイツ軍将校ブラント大尉(ジェイ・コートニー)。そこで彼は、メイドとして働くミステリアスな美女ミーケ(リリー・ジェームズ)と出会い、ひと目で心を奪われる。ミーケもまたブラントの思いを受け入れ、戦時下の言い知れぬ不安から逃がれるかのように、二人は夜ごと激しい情事に溺れてゆく。しかし、ミーケの正体は英国政府の密命を受け屋敷に潜入したスパイだった。やがて、彼女の極秘任務が明らかになり・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.2、TSUTAYAは3.13、Filmarksは3.3で、私の評価は3.3とした。

 個人的にはなかなか面白い作品だったが、やや時間が短すぎるような気がした。シナリオ的には面白いので、せめて2時間ぐらいの枠があれば、もう少し深みを出せたのではないかという気がする。

 

【今日のジャズ381※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Lonely Woman

アーティスト:The Modern Jazz Quartet

レーベル:Atlantic/MMG

録音年月日:1962.1.24-25/1962.1.29/1962.2.2

曲名:①Lonely Woman/②Animal Dance/③New York 19/④Belkis/⑤Why Are You Blue?/⑥Fugato/⑦Lamb Lepard/⑧Trieste

ミュージシャン:John Lewis (p)/Milt Jackson (vib)/Percy Heath (b)/Connie Kay (ds)

コメント:オーネット・コールマンの才能をいち早く見抜いたのがモダン・ジャズ・カルテットの実質的リーダー、ジョン・ルイスだ。西海岸でくすぶっていた彼にニューヨーク進出をお膳立てし、自身とカルテットが契約していたアトランティックにも紹介しているい。そのコールマンの代表曲が〈哀しい女〉だ。作者のヴァージョンは不気味な雰囲気に彩られていたが、モダン・ジャズ・カルテットにかかると洒落た演奏に変身するから面白い。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Concert by the Modern Jazz Quartet on the North Sea Jazz Festival 1982

The Modern Jazz Quartet (1970) Oslo Newport Jazz Festival

The Modern Jazz Quartet (1985) Molde Jazz Festival

Modern Jazz Quartet - Live concert - 1969 World of Jazz