※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(24.2.5.月)雨

 今日は、内分泌内科の診察のために久しぶりにK大病院に行ってきた。朝から雨模様なので、自転車ではなく市バスで出かけた。自宅から病院までは約2.5キロほどの距離なので、自転車なら10分ほどで行けるので、市バスの乗り降りのバス停までの距離や、待ち時間などを含めると、自転車の方がはるかに効率的でかつ時間の目処が立ちやすい。

 内分泌内科は甲状腺ホルモン減少症(橋本病)でかかっている。現在は3ヶ月に1回病院に行って、甲状腺ホルモン剤のチラージンとマグミットをはじめとする3種類の便秘薬  気管がんで約2ヶ月間入院していた間の運動不足などが原因で便秘になった  を処方してもらっている。

 なんでこんな病気になったのか分からないが、5年前に気管がんが見つかり、入院を経て外来で診療を受けているときに、定期的に行われていた血液検査のデータの異常値に気づいた呼吸器内科の主治医が、内分泌内科へ診察依頼をして判明した。依頼された内分泌内科の当初の担当医の診断は、放射線治療による後遺症とのことだった。その後、現在の主治医に代わってから「橋本病」と診断され、発がん以前から発症していたと思われるとのことだった。「橋本病」というのは免疫機能障害の一つで、症状としては痛くも痒くもなく、この病気が原因で死に至るということはないようだが、甲状腺ホルモン剤のチラージンとは、一生お付き合いしなければならないようだ。

 K大病院では、最近、保険証の確認や処方箋の院外薬局へのFAX送信などが可能なスマホのアプリが開発された。以前は、診察後に院内に設置されているFAXで処方箋をかかりつけ薬局に送付していた。その後、電子データによるFAX送信機能に変更されていたが、最近になって患者個人のスマホのアプリから処方箋を送信できるようになった。

 今日は、窓口で保険証の提示を求められたが、「アプリにアップしといたで」と言って提示しなかったが、どうもアプリなどのシステムとの医事システムとの連携がとれていないようだ。

 帰路は、院外薬局の最寄りのバス停まで乗って、処方箋をファックス送信しておいた薬を受け取って帰ったが、本当に便利になったもんだ。

 

(24.2.6.火)曇り

 今日は、ヨメさんのスイミング・スクールの日。今日は、スイミング・スクールに行くのか行かないのか、昨日、ちょっと言い合いの喧嘩をしたせいか、今朝からあまり機嫌が良くない。喧嘩の原因といっても、いつも些細なもので、とくに最近、アルツハイマー型認知症の初期のグレーゾーン、「MCI(軽度認知障害)」と診断されてから、少し怒りっぽくなってしまったようだ。同じことを何回も喋ったり、同じことを何回も訊いたりするが、私の方も最近は学習効果で「地雷」を踏まないようになってきた。

 それでもなんとかスイミング・スクールに送り出すことができた。『エル・スポーツ』のスクールで泳いで帰ってくると、やはり身体を動かすからか、すっきりとして、機嫌よくなって帰ってくる。

 私はその間、録画溜めしてあったビデオを一本だけ観てから、ジャージに着替えないでウォーキングに出かけた。

 昨日の雨で、高野川の河川敷の道は、まだぬかるみが残っているだろうと思って、今日は白川疏水沿いの道を歩くことにした。コンクリート張りの道なので、ウォーキングには適していないが、ずっと疏水に沿って続いていて、おまけに自転車が侵入禁止になっている道なので歩きやすい。もうすぐすると、桜並木や川面に垂れた桜が鮮やかな花見のコースにもなる。

 ウォーキングのコースは、まず高野交差点から北大路通りを東行し、叡電の踏切を過ぎてすぐの場所、ダイハツとスズキのディーラーの建物の中間から、東南の方向に向けて疏水が延びている。疏水沿いの道をそのまましばらく行くと御影通りと交わり、それを越えると右手の崖下に『京大農学部グラウンド』が見えてくる。まだ授業のある時間帯だったからだろうか、グラウンドには数名の学生の姿しか見えなかった。

 昔、京大のアメリカンフットボール部「ギャングスターズ」が関学と鎬を削って、何度も甲子園ボールを制覇していた頃、現在、私が立っているグラウンド北側の崖上から、他校のアメフト部関係者がよく偵察していた、というようなことが実しやかに話されていた。 

 農学部グラウンドが見える場所で少し休憩してから同じ道を折り返し、出発地点の北大路通りまで帰ってきて、道路を横断した。北大路通りで暗渠になっていた疏水が再び地上に現れるので、引き続いて疏水沿いの道を行き、『大原街道』まで来てから、帰りの途についた。

 

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(24.2.7.水)曇り

 今日は、川端丸太町の孫のSが、小学校から早めに帰る日なので、ヨメさんと自転車で娘宅に向かった。

 高野川河川敷を下り、鴨川の三角デルタを経て、鴨川河川敷の道を行けば、信号に引っ掛かることもなく、一番早く走れるルートなんだが、なんせヨメさんがビビりなもので  河川敷の堰の辺りの狭いところの道は勾配もあるので  、怖くて、走ることができない。仕方がないので、時間はかかるが一番安全で走りやすい鞠小路通りを下がることにした。

 団地の南門を出てすぐに鞠小路通りに入る。叡電の踏切を過ぎ、御影通りを横断し、養成小学校の横を通って、あの阿闍梨餅の本店『阿闍梨餅本舗満月本店』の前を通ってすぐに今出川通りの信号に突き当たる。信号を渡ると『思文閣会館』があり、まもなくあの有名な『金平糖緑寿庵清水』を過ぎ、京大の体育館裏の道をしばらく走ると東一条通りの信号。そのまま真っ直ぐ行くと京大医学部の裏塀に沿って走り、まもなく近衛通りの信号に差し掛かる。そのあと鞠小路通りは、京大病院本院の東構内と、あの山中先生の『ips細胞研究所』などのある西構内の間を走り、最後に『京都教育文化センター』に突き当たって鞠小路通りは終わる。この後、丸太町通りを横断して、『踏水会』の前を通って娘宅に至る。

 今日は少し遅く午後4時頃に着いたのでS君はもう帰宅していた。ヨメさんが持っていったシュークリームを食べた後、S君が私に将棋を挑戦してきた。

 将棋に関しては、私も小学生の頃に遊んでいた程度で、たいして強くはないが、なんとかまだS君に負けることはないだろう。それでも、S君も先週に比べると上達しているようで、私が油断して、テレビを観ながら指していたこともあって、「飛車」の頭に「歩」を打たれたのを見逃し、「飛車」を取られてしまった。油断していると、負けてしまいかねない。

 

(24.2.8.木)晴れのち曇り

 今日は、ヨメさんを烏丸東洞院にある、行きつけの美容院に送って行った。

 ヨメさんにとっては、場所的に分かりにくく、交通の便も悪いので、いつもマイカーで送り届けている。ヨメさんは、美容院の後はいつも高島屋に立ち寄って、『551蓬莱』などで晩ごはんの惣菜などを買って帰ってくる。

 この『蓬莱』は、「すべての豚まんが同じクオリティーで食べられるよう、工場を一つにしていること、そして鮮度にこだわるため、工場から150分圏内のみに出店すると限定している」ために、この「豚まん」が食べられるのは関西地方に限られている。そのため、東京から来た人たちが、帰りに『蓬莱新幹線新大阪駅店』で「豚まん」を買い求めていくという話をよく聞く。

 私は大学に入るまでは大阪に住んでいたが、幼少の頃、難波に行った時などに、よく両親に『551蓬莱本店』に連れて行ってもらったもんだ。

 ヨメさんは、いつも、豚まん(翌日のお昼用)、餃子、焼売、肉団子を買って帰ってくる。この餃子とビールが合うのはもちろんだが、白ご飯との相性も抜群。肉団子はタレをドレッシングのようにして野菜と混ぜ合わせて「肉団子サラダ」にする。

 ヨメさんは「下肢静脈瘤」があり、あまり長時間の立ち仕事はよくないので、機会をとらえて、外食や「蓬莱」などのテイクアウトをするようにしている。

 ただ、先日、Amazonで買った認知症専門医が書いた『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』を読むと「認知症グレーゾーン」の「MCI(軽度認知障害)」の場合は、家事などをすることを面倒がる傾向があるが、それを放っておくと認知症の要因になりかねないそうだ。仕事の段取りなど、ある程度、頭を使うことが多い家事などをやり続けることは、MCI(軽度認知障害)からのUターンに効果的との記載が本書にある。「下肢静脈瘤」のためには立ち仕事は避けるべきだが、一方で、MCI(軽度認知障害)のことを考慮すると、積極的に炊事はする方がいいようなので、さてどうしたものか、私も判断に迷うところだ。

 

【今日の読書452※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-43『明治大正史 上』

③-52『生命 最初の30億年』

③-53『すごい宇宙講義』

④-8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』

⑥-25 『文庫の読書』

⑥-26『小説家の四季 1988-2002』

⑦-89『騎士団長殺し』

⑦-90『フィッツジェラルド10』

⑧-17『ステパンチコヴァ村とその住人たち』(Kindle)

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑪-8『ひるは映画館、よるは酒』

⑫-28『小説の読み方』

⑫-29『小説の読み書き』

⑬-11『行人』(Kindle)

コメント:今回も、平野啓一郎の⑫-28『小説の読み方』から、印象に残った箇所を抜粋しておく。一応、今回で、⑫-28『小説の読み方』からの抜粋は最後になる。

p.302「もし、言葉が人の本心の代理であるなだば、言葉で綴られた小説も、ある意味では作家の想像した世界の代理であると言える。しかし、言葉自体は無色透明な器ではなく、そもそも社会的に構築されてきた意味の代理であり、作家の想像した世界との間には相互作用がある。小説を書き始める前は、(中略)モヤモヤした想念や感情が渦巻いている状態だ。その漠然とした想いや感情を、それぞれの登場人物に割り振って代理させて、表現しながらモヤモヤが整理されていく。このプロセスは、名前を付された人物のキャラクターが立ち上がっていくプロセスでもあり、その際、逆に言葉そのものが私の想像した世界に意味を与える役割もは果たしている。」

p.304-305「小説の登場人物は作者の代理であると同時に、読者の代理でもある。たとえば、読者と同じような苦しみを抱えた主人公が最後に死んでしまうと、悲しい反面、自分自身はそのおかげで別の道を生きていけるということがある。自分の身代わりに主人公が死んでしまう、というのは、奇妙な思い込みだろうが、しかし、小説にはそうした不思議なカタルシスのメカニズムもある。他方、主人公には生き続けてほしかった、という同化の仕方もあるだろう。誰しも、自分の心は自分が一番よく知っているつもりでいる。しかし、だからといってそれで十分だというわけではなく、皆、映画を観たり、小説を読んだりと、その登場人物の人生に共感したいと感じている。他者の人生に仮託しながら、自分の中にある想いや感情を再発見し、言語化している。それは、他社を経由せずに自分で自分のことが分かっている、というのとは違う。大きな感動を伴うことである。」

 

今日の映画452】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『ノスタルジア(U-NEXTで視聴)

原題:Nostalgia

製作年:

製作国:イタリア・ソ連合作

監督:アンドレイ・タルコフスキー

出演:オレーグ・ヤンコフスキー/エルランド・ヨセフソン/ドミツィアーナ・ジョルダーノ/パトリツィア・テレーノ

ストーリー:18世紀ロシアの音楽家パベル・サスノフスキーの足跡を追う旅を続けるロシアの詩人アンドレイ(オレーグ・ヤンコフスキー)は、通訳の女性エウジェニア(ドミツィアーナ・ジョルダーノ)を連れてイタリアのトスカーナ地方にやって来る。アンドレイは病に冒されており、旅は間もなく終わりを迎えようとしていた。ある朝アンドレイは、周囲から狂人扱いされている老人ドメニコ(エルランド・ヨセフソン)と出会う。世界の終末を信じるドメニコはアンドレイに1本のロウソクを託し、その火を消さずに広場を渡るよう依頼するが・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.6、TSUTAYAは3.20、Filmarksは3.9で、私の評価は3.5とした。

ロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキーが、イタリアで撮りあげた長編劇映画。自殺した音楽家の足跡をたどってイタリアを訪れたロシア人詩人の旅を豊かな映像美で描き上げている。1983年・第36回カンヌ国際映画祭で監督賞等を受賞している作品とのことだが、正直な感想としては、映像美は印象的だとは思うが、難解で作品の趣意がわかりましぇん。

 

【今日のジャズ452※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Head Hunters

アーティスト:Herbie Hancock

レーベル・品番:CBS・KC 32731/CBSソニー・32DP 438/ソニーミュージック・SICP 20011

録音年月日:1973.9

曲名:①Chameleon/②Watermelon Man/③Sly/④Vein Melter

ミュージシャン:Herbie Hancock (elp,clavinet,syn,etc)/Benny Maupin (ss,ts,bcl,alto-fl,etc)/Paul Jackson (b)/Hervey Mason (ds)/Bill Summers (per)

コメント:フリー・ジャズにも視野を広げていたハービー・ハンコックが、一転してブラック・ファンクを取り上げた。センセサイザーを大胆に駆使したサウンドと躍動感あふれるビート。ヴォーカルこそないものの、アルバムはジャズ・ファンのみならず、ポップス・ファンにまで受け入れられ、ベストセラーを記録する。これによって、音楽シーンにはファンク・ブームが到来した。シンプルなビートはいま聴いてもダンサブルだ。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

HeadHunters Live 1976 @ Don Kirshner’s New Rock Concert - October 20th, 1976

Herbie Hancock & The Headhunters - Chameleon (Live in Munich, 1989)

Herbie Hancock Future2Future