※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(24.2.2.金) 曇りのち晴れ

 今日は、先日、治療が終わった歯医者さんで、歯のクリーニングをしてもらった。クリーニングといっても歯を白くするわけではなく、歯石や歯垢などをとってもらうもの。歯を削るドリルの先だけを変えているのかと思ったら、そうではなく、エアスケーラーまたは超音波スケーラーという名称の、まったく別の器具だそうだ。

 ここの歯科医はかなりの年配の女性で、抜歯時などではそれなりの力が必要なように思われるので、大丈夫かなと思ったが、特に支障はないように思う。仕事が丁寧で、もともとはヨメさんからの紹介だった。ヨメさんがよく行っている自然食品系スーパー『HELP』の知り合いの店員さんの歯が、見違えるほど歯がキレイになり、その女性が通っていた歯医者さんということで、「ええみたいやで」と紹介された。以前に通っていた歯医者さんの治療台は、リクライニングする椅子ではなくて完全なベッド形式だったので、上向きに寝た体勢で腰が痛くなるため、ほかに適当な歯科医院がないかと探していた。

 みっちりと30分ほど時間をかけてクリーニングしてもらった。クリーニングが終わってから、歯科技工士さんからいくつか注意事項があったが、やはり、糖分が歯にとって一番よくないそうだ。私のところは、ヨメさんがチョコレートをはじめ、甘いものが大好きで、老夫婦なのに「3時のおやつ」と称して、しょっちゅうお菓子類を買って帰ってくるが、私もキライな方ではないため、ついつい誘惑に負けて手が伸びてしまう。

 今日は帰りに、『京都一乗寺ラーメン街道探訪記』のために、帰路の途中にある『高安  いつも店前に列ができている有名店で、何回か行ったことがあるが、「ラーメン街道探訪記」のルポを目的としてはまだ行っていない  にでも立ち寄ろうかと思ったが、さすがに歯のクリーニングをしてもらった直後なので、パスしておいた。

 

(24.2.3.土) 晴れ

 今日は節分なので、ヨメさんと『吉田神社』の節分祭に出かけた。

 自転車で京大の「北門」から「吉田キャンパス」に入り、構内に自転車を置いて、「正門」から露店が出ている東一条通りに出た。確か、コロナ禍の自粛期間中は節分祭の開催も見合わせられていたかと思う。昨年あたりから、露店も通常通りで出るようになったと記憶しているが、今日の印象は、やっとコロナ前の状況に戻った感じ。

 参道を登ったところにある「全国の神々を祀る社」と言われる『斎場所元大宮』は門前に長蛇の列。先日、初詣に行った『下鴨神社』の『干支の社』といい、なんでこんなに人が多くなったのか。今年は、『斎場所元大宮』といい、『干支の社』といい、人の多さにうんざりしてパスしてしまった。

 お昼時だったので、露店で「広島焼き」でも食べようかと思ったが、結局、露店はスルーし、吉田キャンパスに戻って、自転車で吉田キャンパスの塀沿いに、今出川通りを銀閣寺方面に向かった。さて、お昼をどこで食べるか、一応、候補としては、京都ラーメンの老舗で伝説のラーメン店『ますたに』、皿うどんとチャンポンの『まつお』、北白川通りの天丼の『魚兼』の三店だったが、結局、一番近くの『まつお』に入った。皿うどんとチャンポンというと、一般には『リンガーハット』が馴染みがあり、私も『イオンモール北大路(旧北大路ビブレ)』のリンガーハットに何回か行ったことがあるが、やはり、出張で長崎に行った時に、ちゃんぽん発祥の店『四海樓』食べたちゃんぽんの味が忘れられない。

 

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(24.2.4.日) 曇りのち晴れ

 土曜・日曜日は、高野川の河川敷の道も人出が多いこともあり、一週間の中での休養日と位置付け、ジャージに着替えてのウォーキングを取り止め、普段着のまま出かけている。

 今日は、とりあえず『恵文社』まで散歩に出かけた。

 平川克美氏の『ひとが詩人になるとき』が新刊書のコーナーに平積みになっていたので購入した。平川氏の著作は『反戦略的ビジネスのすすめ』以降10冊ほど、著作が刊行されるたびにフォローしていた。その後は、本作品と似たコンセプトの『言葉が鍛えられる場所』を買った以外は、同氏の著作は読まなくなっていたので、今回は久しぶりの購入になる。

 平川氏の詩作品も所収されている。この作品は、どちらかといえば、「詩」というよりは「散文」ではないかと思ったが、平川氏の「詩の理解と解釈」を確認したくて購入した。

 この後、曼殊院通りを通って川端通りへ出て、通りを横断して高野川河川敷に降りた。河川敷の道を蓼倉橋まで行ってから東鞍馬口通りに上がり、私の住む団地を迂回するようにして東大路通りに出て、大回りして自宅に帰ったが、これでトータルして歩数で約6000歩、日頃のウォーキングと同程度の距離を歩いたことになった。

 

【今日の読書451※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-43『明治大正史 上』

③-52『生命 最初の30億年』

③-53『すごい宇宙講義』

④-8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』

⑥-25 『文庫の読書』

⑥-26『小説家の四季 1988-2002』

⑦-88『グレート・ギャツビー』

⑦-89『騎士団長殺し』

⑧-17『ステパンチコヴァ村とその住人たち』(Kindle)

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑪-8『ひるは映画館、よるは酒』

⑫-28『小説の読み方』

⑫-29『小説の読み書き』

⑬-11『行人』(Kindle)

コメント:今回も、平野啓一郎の⑫-28『小説の読み方』から、印象に残った箇所を抜粋しておく。

p.285-286「ドストエフスキーの小説が、後世に多大な影響を及ぼす素晴らしい小説と評価されている理由は、『アポリア』が含まれている点だろう。アポリアとは、哲学的には、一つの問いに対する答えとして相反する二つの見解が成立する場合を意味するが、一般的にはどうしても解決できない難問のことだ。このアポリアがなければ、文学にはならないというのが、私の意見である。理屈で説明できる問題をテーマにすると、どんな物語を書いても簡単に割り切れてしまう。しかし、文学である必然は、解決できない問題に取り組むことができる、ということにあり、そのアポリアに向かって書き続けることで、言葉は熱を帯びていき、その熱が読者にも伝わってゆく。」

p.294-295「小説を読む時、タイトルの意味はもちろん、重要だ。タイトルは、作品の内向き、外向きの両方で機能しなければならない。既読の人向け、未読の人向けとも言える。読む人にとってだけ意味があればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、どんな本でも、人類全体で見れば、未読の人の方が圧倒的に多く、しかもそのうちの何パーセントかは、タイトルと評判に惹かれて、やがて既読の人となるのである。外向きに、この本が一体なんであるのかを表現する力は重要であり、さもなくば、書店で手に取ってもらうこともない。しかし、同時にやはり、内向きに、作品の全体を象徴する必要もある。タイトルは、物語を深く読み解く手がかりであり、自分の読みの方向性を疑ってみるきっかけにもなる。」

p.299-300「人は相手によってどこまで何を話すかを区別していて、結果、相手ごとに自分の考えや感じ方も変化する。そのように自分の中に矛盾が生じた時、『どっちが本心なんだ?』と突き詰めようとしがちだが、相手と状況によってどちらも本心である、ということはあり得るはずである。矛盾する感情が心に同居している状態も、その人の本心であり、対人関係や日々の生活のなかで刻々と変化していくのもまた本心である。」

 

今日の映画451】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『小説家を見つけたら(NHK-BSの録画で視聴)

原題:Finding Forrester

製作年:2000年

製作国:アメリカ

監督:ガス・バン・サント

出演:ショーン・コネリー/ロブ・ブラウン/F・マーレイ・エイブラハム/アンナ・パキン

ストーリー:NYのブロンクスに暮らす黒人の高校生ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、プロのバスケットボール選手を夢見つつも、実は大変な文学少年。そんな彼が、アパートの部屋に引きこもっている謎の老人と知り合う。彼は40年前にピュリツァー賞に輝いた処女作一冊だけを残して文壇から消えた幻の小説家、ウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)だった。二人の間にはやがて師弟関係のような友情が生まれ、ジャマールは文学の才能を開花し、フォレスターは長年閉ざされていた心を開いていく。そんな時、ジャマールの才能に気づき嫉みはじめていたロバート・クローフォード教授(F・マーリー・エイブラハム)が、ジャマールの提出した作品のタイトルがフォレスターの昔発表したエッセイと同じ副題を持っていることを糾弾するという事件が起こった。ジャマールは退学の危機にさらされるが・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.9、TSUTAYAは3.81、Filmarksは3.9で、私の評価は3.8とした。

 ショーン・コネリーは、『007』のジェームス・ボンド役でスターの座に就いたが、役者として役柄が固定され、狭められることを嫌って、自らジェームス・ボンド役を辞退したが、結果的には、彼の決断は正解だったようだ。本作品や『アンタッチャブル』『インディ・ジョーンズ』『レッド・オクトーバーを追え!』など、彼が主演を演じた名作は枚挙に遑がないが、個性豊かな風貌と演技力で、本作品でも各映画サイトで高い評価を得ている。本作品と似たストーリとコンセプトの『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』で主役を演じたマット・デイモンが、最後にちょい役の弁護士役で顔を出しているのが、いかにもアメリカの映画作品らしく、“遊び心”たっぷりでご愛嬌だ。

 

【今日のジャズ451※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Bill Evans Live In Tokyo ( The Tokyo Concert )

アーティスト:Bill Evans

レーベル・品番:CBSソニー・AP 653/・32DP 599/Fantasy・F 9457/・OJC 345/・OJC CD 345-3

録音年月日:1973.1.20

曲名:①Mornin' Glory/②Up With The Lark/③Yesterday I Heard The Rain/④My Romance/⑤When Autumn Comes/⑥T. T. T. T. ( Twelve Tone Tune Two )/⑦Hullo Bolinas/⑧Gloria's Step/⑨On Green Dolphin Street

ミュージシャン:Bill Evans (p)/Eddie Gomez (b)/Marty Morell (ds)

コメント:待ちに待ったビル・エヴァンス (p) の初来日をとらえたライブ・アルバム。これによって、彼が大きなステージでも、スタジオ録音と同じリリシズムを発揮することが証明された。新曲中心のプログラムが新鮮な響きを醸し出す。トレードマークのリリカルなタッチと、トリオが一体となって演奏されるインタープレイ  ホールでのコンサートながら、小さなジャズ・クラブで聴いているような緊密感がスリリング。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Bill Evans Trio in The Jazz Set 71 Japan

Bill Evans Live '64 '75

Bill Evans Live at Molde Jazz Festival (1980)