※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(24.1.29.月) 曇り時々晴れ

 今日も夕方の4時から歯医者さんに行ってきた。今回は上左側の歯茎に痛みがあり、冷たい水などを飲むときに沁みたりしていたが、今日で3回目で、最後の治療になる。治療としては、補填物を一旦取り外して、神経を抜き、再度、詰め直してもらったが、痛みはまったくなくなった。次回、もう一回だけ通って、最後は歯のクリーニングをするとのこと。

 歯医者さんには自転車で行ったが、帰路は、運動のために遠回りして、修学院まで出て、松ヶ崎橋を渡り、北山通りを植物園北側を経て賀茂川まで行って河川敷に降り、出雲路橋まで行ってから一般道に上がった。出雲路橋は、北大路橋葵橋の中間に位置し、賀茂川で隔てられた鞍馬口通を結んでいるが、出雲路橋西詰の西岸は、賀茂川堤防の上を走る加茂街道と交わっている。この出雲路橋は、住宅地街の中の一方通行の細い道路を含む鞍馬口通を結んでいるためか、京都在住の人以外にはあまり知られていないように思うが、その名称『出雲路』の由来がいかにも京都らしい。

 出雲路橋東詰めから鞍馬口通を東行し、下鴨本通りを横断し、下鴨神社を横切って下鴨東通りから蓼倉橋を渡って帰宅したが、この蓼倉橋も含め白川通りに至るまでを東鞍馬口通というが、正直、知らんかった、「ああそうか、繋がってたんか」という感じ。 

 京都の街中は、二十歳の頃に大阪から京都に出てきて数十年が経つが、自宅と職場の生活圏の左京区内、ヨメさんの実家近くの清水寺から祇園に至る辺り、繁華街の三条、四条、河原町界隈の外については、大きな道は車で通ることはあっても、街中の道は目的があるとき以外は通ることもない。そんな街中を目的もなく自転車で巡ると、京町家をリニューアルした飲食店など、思いがけない店や場所に出会すことも多い。そのため用に、私の自転車にはハンドルにスマホ・ホルダーを取り付けてある。おりしも、先日、大垣書店で「僕が京都で行くところ。」と特集された『POPEYE』を購入したばかり。

 

(24.1.30.火) 晴れ

 今日は、ヨメさんが、エル・スポーツのスイミング・スクールが「第五火曜日やから休みやわ」と言ってプールへ行く支度をしようとない。私が「正月の三箇日の二日がプールも休みやったから、今日は第五火曜日でもあるんとちゃうん」と言うと、「ほんならきいてみるわ」と、ヨメさんがエル・スポーツに電話した。「やっぱり休みやったで、無料券1枚もろてるし・・・」とのこと。「無料券」というのは、本人がスクールを休んだ時やスクールの日が休日と重なって休みになった場合に、任意の日にプールで泳げるサービス券のことだが、それもろてたんやったら、早よ言うて、という感じ。

 ということで、恒例の「鬼の居ぬ間の映画祭」  ヨメさんがプールに行っている間に、録画溜めしてある映画を観ること  はできずに、普段どおりの一日になった。

 天気がよかったので、高野川にウォーキングに出かけた。コースはいつもの出町柳まで行って、河合橋を渡り、対岸を折り返すコース。例によってスナップ写真を撮ったが、最近のiPhoneのカメラ&写真はいいなぁ、鳥獣や草花を写すと、ちゃんとその名前を教えてくれる。ただ、今回は同じ被写体なのに、<ワタリガラス>と<ハシボソガラス>と写真によって違う名称が表示された。

 

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     <あれ!お呼びでない?>    <ここあんたの来るとこちゃうで!>

 

(24.1.31.水) 曇りのち雨

 水曜日は、川端丸太町の娘の上の方の孫の小学校が早めに授業が終わる日で、帰宅時間が3時過ぎということで、ヨメさんとふたりでSの顔を見に行こうということになった。

 普段なら自転車で出かけるところだが、やや雨模様なのでマイカーで出かけることにした。ただ、ムコさんが、最近、車を買ったため、平日は駐車場に停めてあるので、私の車を置けなくなってしまった。しかし、ちょうどいい具合に、娘宅の家の真向かいに、10台分ほどのコイン・パーキングがある。料金が40分で200円なら、まあ、リーズナブルな値段といえる。ヨメさんは、例によって手土産として、シュークリームや孫の好きな「ねるねるねーる」なんていう、子どもが作って食べるお菓子などを買ってきている。 

 そのコイン・パーキングに車を停めて、ほどなくしてSが帰ってきた。

 先日、受けた英検準一級の解答が公表されたので、答え合わせをした結果、合否については半々かなという感触とのこと。準一級になると、英語そのものは理解できても、問題文が、例えば、「環境問題」などの小学3年生が考えたことのないような内容の文章なので、そこらがネックのようだ。まあ、小学3年生に「環境問題」などの社会的な課題について〈問題意識〉をもて、ということがそもそも無理な話で、何回か受けて慣れるしか仕方がないのかもしれない。

 Sと将棋などをしているうちに娘が帰ってきたので、娘にスークリームを出してやると、珍しく、私たちにもコーヒー(インスタント・コーヒーやけど・・・)を入れてくれた。結局、1時間ちょっといて娘宅を出たが、コイン・パーキングは、2コマ1時間20分で400円、バス代と思えば安いもの。

 

(24.2.1.木) 雨のち曇り

 先日、フィッツジェラルドの小説に関し、丸善・ジュンク堂の通販ブックサイト『honto』で在庫の有無を検索したら、何冊かは河原町の『丸善』に在庫があるようだった。それで、Amazonで注文するのではなく、リアル書店を覗いて購入するのもいいだろうと思って、久しぶりに出かけることにした。

 最初は、丸善の地下二階にある『MARUZEN café』で有名な「早矢仕ライス(ハヤシライス)」を食べようと思っていたが、ヨメさんも一緒に出かけたらと思って声をかけると、一緒に行きたい、とのこと。それで『MARUZEN café』は、また、一人で出かけるときに行くことにし、今日は、高島屋の京回廊の『キャピタル東洋亭』に行くことになった。

 先日、植物園北門前の『キャピタル東洋亭本店』に行ったときに、定番の「百年洋食ハンバーグステーキ」ではなく、ビフカツを注文した。それはそれで美味しかったんだが、東洋亭といえばやはり「百年洋食ハンバーグステーキ」  植物園北門前と高島屋京回廊のどちらの東洋亭でも、お客さんの8割ほどがこれを注文している。

 午後1時を過ぎていたので、どの店もそれほどの客待ちはなかったが、それでも東洋亭だけは、10人以上のお客さんが、店の前に置かれた椅子に座って待っていた。一度は諦めて他の店に行こうと思ったが、昼一番に入ったお客さんが、食べ終わって出て来る頃合いなかなと思って、列に並んで座って待つことにした。案の定、10分もかからないうちに入店できた。席について二人とも「百年洋食ハンバーグステーキ」を注文。

 食後、同じ七階でバレンタインデーの催し物をやっていたので、ヨメさんは孫たちへのバレンタイン・チョコレートを買って帰るとのこと、私は、予定どおり、河原町の『BALビル』地階の『丸善』に行くことにした。

 

 最近の京都で、入るに値するような  店内の書架や新刊書コーナーの平積みを「なんか面白い本は出てないやろか」と見て周る  リアル書店は「丸善」だけになってしまった。

 かつて寺町二条に『三月書房』という、特定の知識人層を中心に京都のみならず全国的に知られた本屋さんがあった  数年前に閉店した。この『三月書房』に関しては、その昔、ガタイのがっちりとした男性(吉本隆明氏)が、店の奥に座っていた前々店主の宍戸恭一さんに「吉本です、お世話になっております」と挨拶されているのを目撃した、という「都市伝説」のような話を聞いたことがある。吉本氏らが創刊した同人誌『試行』は個人の直接購読が原則であったが、同書店が本雑誌を取り扱っていたこともあって、吉本誌が立ち寄っていたのかもしれない。こんな三月書房だったが、店頭に学習雑誌の『小学◯年生』なんかが置かれていたのが、なんともご愛嬌で、微笑ましい。

 その昔、四条河原町に『京都書院』なんて先鋭的な書店などもあったが、かつては「丸善」も、現在の「BALビル」の少し南側の河原町蛸薬師に「丸善」の自社ビルがあった。洋書がメインの書店だったが、バーバリーなど高級洋装雑貨や高級文房具などのフロアもあった。私も京都で就職することになって、ウィンドウに飾ってあったMARUZENビジネスシューズ(マナスルシューズ)  登山靴のような靴底  が気に入って、高額だったが、買って、面接に履いて行ったことが、懐かしく思い出される。

 その後、河原町蛸薬師の「丸善」は2005年に閉店され、しばらくの間、丸善ジュンク堂書店として旧「BALビル」で営業していたが、旧「BALビル」の建て替えの間は、河原町三条の『朝日会館』に場所を移して営業していた。その後、「BALビル」のリニューアルとともに、地階一二階に、10年ぶりに『丸善』としてオープンした。

 (話を戻して)丸善に入店してすぐに「在庫検索端末」で「フィッツジェラルド」で検索し、所在場所をプリントアウトして、各階の所定の書架で在庫の本を確認し、「村上春樹翻訳ライブラリー」のフィッツジェラルドなど数冊を買って帰った。

 

【今日の読書450※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-43『明治大正史 上』

③-52『生命 最初の30億年』

③-53『すごい宇宙講義』

④-8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』

⑥-25 『文庫の読書』

⑥-26『小説家の四季 1988-2002』

⑦-89『騎士団長殺し』

⑦-90『フィッツジェラルド10』

⑧-17『ステパンチコヴァ村とその住人たち』(Kindle)

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑪-8『ひるは映画館、よるは酒』

⑫-28『小説の読み方』

⑫-29『小説の読み書き』

⑬-11『行人』(Kindle)

コメント:今回も、平野啓一郎の⑫-28『小説の読み方』から、印象に残った箇所を抜粋しておく。

p.171「もともと、人間の頭の中には、過去から未来へ向かってまっすぐ一直線に、均等に時間軸が整理されているわけではない。現在のことを考えていたあとに、急に何十年も前のことを思い出すこともある。ふと将来のことが頭に浮かんで不安になったりする。そうした混沌に、因果関係をつけ、社会で共有されている時計とカレンダーとに結びつけて、整理したものが、私たちの持っている時間感覚だ。」

p.177「インターネットの登場以降、日本語は、ますますやせていっているが、それは、一日あたりの処理情報量が、かつてとは比べものにならないくらい膨大になっている中で、日本語自体が、生き残りのために、変わろうとしているからだ。言葉のスピードは猛然たる勢いでますます上がり、それについていけない言葉は次々と振り落とされていっている。しかし、そこで取り扱うことのできないものこそが、いや、恐らくは扱うことのできないものだけが文学のテーマとなる。」

p.195「やや突飛な話だが、たとえばテレビの政治家のインタビューなどでも、あまり正面からカメラを見据えて語られると、なんとなく、本当かね?と疑いたくなるような気分になる。ところが、誰かと喋っている姿を斜め横から映されると、こちらに客観的に判断する余裕が与えられたような感じがして、かえって、本当のことを言っているように感じられる。小説もそれと似ているとおろがある。あんまり馬鹿正直に読者に向かって設定を説明していると、小説の興奮は台なしにされてしまう。なぜ、主語化された人物が登場し、会話したり移動したりする小説という形式が必要とされるのか、その辺りにも理由があるだろう。」

p.280「絵画でも、肖像画がその人物のその時の表情を表しているのか、それともその人物の一生を表しているのか、と考えると、とても複雑な奥行きが見えてくる。例えば、レンブラントが描いている老婆の絵をじっと見ていると、その時の老婆の表情なのか、その老婆の人生全体の象徴としての表情なのかと、豊かな混乱を生じさせる巧みな技術が感じられる。」

p.281「小説の登場人物と退場場面  を工夫する、というのは、基本的な考え方である。そして、その退場場面が、物語全体の中でどのような意味を持つかで、その人物の重要さがわかる。更に、その退場のさせ方には、作者の思想が色濃く表れることになる。」

 

今日の映画450】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『大いなる勇者(NHK-BSの録画で視聴)

原題:Jeremiah Johnson

製作年:1972年

製作国:アメリカ

監督:シドニー・ポラック

出演:ロバート・レッドフォード/ウィル・ギア/アリン・アン・マクレリー/ステファン・ギラシュ

ストーリー:1850年代、戦争からの逃亡者ジェレマイア・ジョンソン(ロバート・レッドフォード)はロッキー山中で猟師となったが、開拓者一家の惨殺に遭遇し、生き残った少年を助ける。インディアンと交易し、犯人一味と敵対する部族の酋長から美しい娘を贈られた彼は、少年と3人で平和に暮らし始めるが・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.3、TSUTAYAは3.12、Filmarksは3.6で、私の評価は3.5とした。

 監督作品も含め、ロバート・レッドフォードの作品には、私の好きな作品が多い。ざっと上げるだけでも『追憶』『大統領の陰謀』『明日に向って撃て!』『リバー・ランズ・スルー・イット』など名作や傑作も多い。スター俳優兼監督として、クリント・イーストウッドと双璧といえる。 

 

【今日のジャズ450※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:The Inner Mounting Flame

アーティスト:The Mahavishnu Orchestra with John McLaughlin

レーベル・品番:CBS・KC 31067/ソニーレコード・SRCS 7009/・SICP 1030

録音年月日:1971.8.14

曲名:①Meeting Of The Spirit/②Dawn/③The Noonward Race/④A Lotus On Irish Stream/⑤Vital Transformation/⑥The Dance Of Maya/⑦You Know You Know/⑧Awakening

ミュージシャン:John McLaughlin (g)/Jerry Goodman (vln)/Jan Hammer (key)/Rick Laird (el-b)/Billy Cobham (ds)

コメント:マイルス・デイヴィスのレコーディングで重要な役割を果たしたジョン・マクラフリン (g)がついに自身のグループを結成した。ハード・ロックに通じるサウンドとマイルス譲りのポリリズム  5人の腕達者がめくるめく展開の中で超絶技巧を繰り広げる。その後にテレビ・シリーズ『マイアミ・ヴァイス』の音楽で成功するヤン・ハマー (key)のマクラフリンを凌ぐ早弾きやビリー・コブハムの重量級ドラミングも最高!(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

John McLaughlin’s Mahavishnu Orchestra live at the North Sea Jazz Festival・1986

11.8.18 John McLaughlin The 4th Dimension Leverkusener Jazztage

John McLaughlin & The One Truth Band, Le Stadium, Paris, France, September 29th, 1978.