※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(24.1.1.月)雨

 私たちが現在の住まいに引っ越してきてから、初詣は、ほぼ毎年、『下鴨神社』に行っている。

 しかし、京阪電車が出町柳駅まで延伸して以来、下鴨神社の初詣に来る人が増え、地元の我々としては甚だ行き辛くなった。

 コロナ禍の二三年は、いくらかマシだったが、今年はコロナが5類になったこともあって、びっくりするほどの人出だった。最後尾が鳥居をくぐった参道の半ばぐらいまで人列ができていた。現在の宮司がやり手(という評判)ということもあって、屋台もかなりの数だった。昔は、正月三が日でも屋台がまったく出ていなかったので、『糺の森』と相まって、厳かな雰囲気が漂っていたが、最近は、私たち夫婦の習慣になっているから毎年初詣に参拝しているものの、もう、参拝者の多い普通の神社という感じ。

 本殿へのお詣りは、また日を改めることにして、とりあえず、毎年買い替えている「破魔矢」だけを買っておいた。来年の正月からは、初詣は、交通の便の悪い『上賀茂神社』にしようかな。

 この後、下鴨本通りに出て、最近できたと思しきオシャレな蕎麦屋さん『あふひ 〜aoi〜』に入ったが、蕎麦は品切れだったのでソフトクリームを頼んで一服、この後、下鴨本通北大路の交差点を右折して北大路通りを東行し、帰路についた。  

 

(24.1.2.火)晴れ

 今日、待ちに待った、息子が東京から帰省する日。

 ヨメと孫のSRはすでに年末の27日に帰省し、ヨメの実家  道路を隔ててエリアが異なる一連の団地  に滞在していて、30日にこちらに挨拶に来た。

 ヨメさんは、一昨年の秋以来の息子との不和の原因をすでに失念していて、状況を正しく認識できていないため、帰ってくるなり、息子に対して不用意な言葉を発して、息子を怒らせてしまった。息子も「もう、東京に帰るわ」なんて言っていたが、私が宥めて外に連れ出し、団地の集会所のベンチでしばらく話をした。最近、つくづく感じるのは、面と向かって相対しての会話の重要性だ。今回の不和に至った状況を振り返ってみても、電話とメールのやり取りだけで意思の交流をしていたため、誤解やすれ違いが生じたことは否めない。その反省を踏まえ、集会所のベンチでじっくり話し合うとともに、母親の病気に対する理解を促した。寒い中、1時間近く話し合っただろうか、私が息子の言い分を聞き、息子も私の話を聞いて落ち着いてくれたので、二人して我が家に戻った。

 昨日は元旦だったが、息子が帰省する今日に合わせて開けずに置いておいた「おせち料理」で、久しぶりに息子と夫婦の三人で夕食をした。ヨメと孫SRは先約があり、明日、『京都ホテルオークラ』で娘一家も交えて昼食を取ることになっていることもあって、我が家にはやって来なかった。

 しかしまあ、何はともあれ、1年半近く続いていた不和が雪解けらしき状況になって、ホッとしたという心境だ。ヨメさんの病気のこともあるので、いつまでも仲違いを続けているような状況ではないだろう。私としては不本意な点もなくはないが、細かなことに捉われていても、得られるものは何もないと思い至った。 

 

(24.1.3.水)晴れのち雨

 今日は、我々一族  我々夫婦二人、息子一家三人、娘一家四人の計九人で『京都ホテル オークラ』の地階の『桃李』で新年会となった。本来ならバイキング形式がよかったんだが、あいにく予約した時期が遅かったため、めぼしいところ  第一候補は昨秋に行った『都ホテル』の『オールデイダイニング洛空』のバイキング  はどこも満席の状態だった。かろうじてこの『桃李』のコース料理  子供たちはアラカルト  でなんとか席を確保できた。

 当初、息子は帰省しないと聞いていたが、私が「母さんの記憶が確かなうちに顔を見せてやって下さい。父さんのたってのお願いです」とメールしたのに応えて、帰ってきてくれた。

 約2時間、最初は、なんとなく緊張した雰囲気があったが、そこは、気遣い無用の子供たちがほぐしてくれ、だんだんと親子、兄妹、婿嫁の間でも会話が進み出した。

 『京都ホテル・オークラ』での食事後も、自然の流れで我が家にみんなが集まることになり、息子とムコとそれぞれの子ども(私にとって孫)が集会所前の広場でサッカーに興じていた。本当に、あっという間の「雪解け」だったが、それもこれも、直接、顔を合わせて話したことが大きな要因だったように思う。

 

 当初、息子は今日の夕方5時に東京に帰る予定だったが、夜の8時に再予約が取れたとのことで、まあ、いずれにしても一泊だけの帰省で慌ただしかったが、晴々とした気分で東京に帰って行ったことだろう。

 

(24.1.4.木)晴れ時々雨

 今日から娘とムコさんは仕事が始まり、娘の下の方の孫Kも保育所が始まったが、上の方の孫Sはまだ冬休み中なので、当然のように我が家で「学童」ということになった。

 息子の嫁と孫SRは、息子と一緒に東京には帰らなかったので、我が家に遊びに来てくれた。SとSRが二人して、野球やテニスをするというので、『イズミヤ』内の『コーナン』にグローブやラケットなどを買いに行った。せっかく、いとこ同士が仲良くなってくれたので、こちらも気が大きくなって、グローブ、テニスのラケットなどのセット  子供用なので大した値段ではない  を買ってやった。

 それと、家にあったバドミントンのラケットを持って集会所前の広場に繰り出した。しかし、今頃の子供は、近所の広場や空き地などで「草野球」なんてやったことがないんだなぁ、正直、言ってまあヘタクソだ。キャッチボールにしろ、テニスにしろ、バトミントンにしろ、せいぜい続いて2回まで、めずらしく3回続いたので、「これから3回以上続いたら百円ずつお小遣いや」と言ったら、えらい気合を入れ出した。自分らでかってに「百円、二百円、・・・」と数えとるやん。かなんなぁ、ほんま。

 

【今日の読書442※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-43『明治大正史 上』

③-51『重力とは何か』

③-52『生命 最初の30億年』

③-53『すごい宇宙講義』

④-8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』

⑥-25 『文庫の読書』

⑦-85街とその不確かな壁』

⑦-88『グレート・ギャツビー』

⑧-17『ステパンチコヴァ村とその住人たち』(Kindle)

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑪-8『ひるは映画館、よるは酒』

⑫-28『小説の読み方』

⑬-11『行人』(Kindle)

コメント:今回は、平野啓一郎の⑫-28『小説の読み方』から、印象に残った箇所を抜粋しておく。

p.45-46「(『カラマーゾフの兄弟』に言及して)恐らく小説家の一番奥底にあるのは、こうした、境目もなく入り乱れている混沌である。その混沌に目を凝らし、何と何が対立しているのかを見極め、そのそれぞれに焦点を当て、それが何かを考えていく。そうして、その得体の知れない何かを〈主語化〉して、『……は、……だ』の形に落とし込もうとする時に、与えられる名前が、登場人物の固有名詞である。逆にあえて固有名詞を与えて〈主語化〉させるまでもない登場人物は、『ウエイター』だとか、『コンビニの店員』だとかいった社会的な属性に呼び名をとどめて、プロットの背景から必要以上に飛び出してこないようにしなければならない。名前を与えてしまうと、読者が『知りたい』しまうからだ。」

p.46「荒っぽい分類の仕方だが、この登場人物の主語に続く述語は、大別すると、二つに分けられる。ひとつは、登場人物の人物像を形作ってゆくもの。もうひとつは、登場人物の行動を意味するものだ。」

p.51「〈主語〉+〈述語〉という文法形式は、私たちを取り囲む複雑多岐な情報を、一本の時間の流れの中で整理するための方法だったが、対人関係もまた例外ではない。それは、結果的に、対人関係を通じて変化を被った自分自身を、時間の流れの中で、過去から未来へと順序立てて並べてゆくための手立てだ。記憶が曖昧な時、私たちは、『待てよ、……』と考えて、『あの時、自分は友達と会って、その後に、駅に子供を迎えに行って、……』と頭の中を整理する。これは〈主語〉+〈述語〉の形式を借りて、出来事を時間時軸の上にひとつずつ乗せていっているのだ。」

p.53「登場した主語に対して、どんなん述語が続くのだろうという期待感が持続することが重要であり、しかも、その予測は、適度に裏切られなければならないということだ。」

 

今日の映画442】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『リスボン特急(U-NEXTで視聴)

原題:Un Flic

製作年:1972年

製作国:フランス

監督:ジャン=ピエール・メルビル

出演:アラン・ドロン/カトリーヌ・ドヌーブ/リチャード・クレンナ/リカルド・クッチョーラ/アンドレ・プース

ストーリー:シモン(リチャード・クレンナ)は表向きはパリのナイトクラブの経営者だが、実はギャングという裏の顔を持っている。ある時、シモンはマルク(アンドレ・プース)ら4人で大西洋に臨むある小さな町の銀行を襲撃、大金を強奪する。しかし、隙をつかれてマルクが撃たれ、負傷してしまう。一方、パリ警視庁のエドゥアール・コールマン刑事(アラン・ドロン)は、ある組織が税関とグルになって麻薬をリスボン行きの特急で運び出すという情報をキャッチする。そして午後7時59分、特急は運び屋を乗せてパリを出発した。シモンら3人はヘリコプターを使った作戦でその麻薬を横取りした。数日後、マルクの死体が発見される。シモンらに口封じされたのだ。コールマンはマルクの身元から犯人を割り出し・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.2、TSUTAYAは3.07、Filmarksは3.6で、私の評価は3.0とした。

 前半の銀行を襲撃するシーンは、非常に緊張感があるんだが、それに比べ、後半、疾走する列車からヘリコプターを使って麻薬を強奪するシーンが、単調で、ヘリコプターから列車にロープを使って降り立つというなかなかの場面なのにまったく緊迫感がない。このシーンを含め、後半がちょっとダレた感じが否めない。

 

【今日のジャズ442※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Sarah Vaughan In Hi - Fi

アーティスト:Sarah Vaughan

レーベル・品番:Columbia・CL 745/ソニーレコード・32DP 5044/CBS・CL 745/Legacy・CK 65117

録音年月日:1950.5.18-19/1949.12. 〜 1953.1.

曲名:①East Of The Sun/②Nice Work If You Can Get It/③Come Rain Or Come Shine/④Mean To Me/⑤It Might As Well Be Spring/⑥Can't Get Out Of This Mood/⑦Goodnight My Love/⑧Ain't Misbehavin'/⑨Pinky/The Nearness Of You/⑩Spring Will Be A Little Late This Year/⑪Ooh, What 'Cha Doin' To Me/⑫It's All In The Mind/⑬The Nearness Of You (alt take)/⑭Ain't Misbehavin' (alt take)/⑮Goodnight My Love (alt take)/⑯Can't Get Out Of This Mood (alt take)/⑰It Might As Well Be Spring (alt take)/⑱Mean To Me (alt take)/⑲Come Rain Or Come Shine (alt take)/⑳East Of The Sun (alt take)

ミュージシャン:Miles Davis (tp)/Bennie Green (tb)/Tony Scott (cl)/Budd Johnson (ts)/Jimmy Jones (p)/Freddie Green (g)/Billy Taylor (b)/J. C. Heard (ds)/Sarah Vaughan (vo)/Mundell Lowe (g)

コメント:名声を確立しつつあった時期にサラ・ボーン (vo)が残した録音集。さまざまな構成によるいくつかのセッションの中で、ファンが注目するのはマイルス・デイヴィスが参加した50年の吹き込みだ。ただし、6曲でソロが聴けるのは2曲だけ。それ以外の曲目でもオブリガードはつけているものの、聴くべき内容にはなっていない。ここで耳を傾けるべきは、やはりサラの際立った名唱だ。」(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Sarah Vaughan - live Sweden '58, Holland '58, & Sweden '64

Sarah Vaughan And Her Trio Live At The North Sea Jazz Festival • 12-07-1981 • World of Jazz

Sarah Vaughan in concert 1987