※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 なお、『逃病日記501』(2023.5.23)  の「『逃病日記』の表題の変更について」に記載したとおり、ブログの表題を『逃病日記 ー妻とともにー 』と変更することにしました。

 

 

(23.12.29.金) 曇り

 夕方になって  ヨメさんが出かけていたので  洗濯物を取り込もうとベランダに出たら洗濯物が干されていない。

 部屋の中を見ても取り込んだ気配はない。もしや?と思って洗濯機のフタを開けたら、洗い終わった洗濯物が捩れたまま、洗濯機の中に残っていた。今さら干しても仕方がないのでそのままにしておき、ヨメさんが帰宅してからその旨を伝える「ほんまや、朝、忙しかったから忘れてたわ」と、あっけんからんとして、洗濯機を乾燥モードに切り替えていた。

 最近、今回のように、こちらが「言葉をなくす」ような事態が、結構、増えてきたような気がする。

 リアルタイムで話している時は特に異和感は感じないが、過去の出来事に関係した話になると、やはり単なる〈物忘れ〉ではないと思わざるを得ない。聞いた話が、右の耳から左の耳にそのまま通り過ぎていっているような感じで、〈記憶形成〉が行われていないような気がする。その際、過去の記憶と関係があるような事象については、その事象に付箋をつけるように、あるいは過去の記憶と紐付けするような形で、記憶として定着するようだ。

 一方で、以前は覚えていた出来事に関する記憶についても、あたかも完成したジグゾーパズルのピース剥がれ落ちていくように、記憶が失われていっているように思う。

 以上のように、ヨメさんと接していると、第一に新たな記憶が形成されないこと、第二に過去の記憶が部分部分で失われていくことのふたとおりの症状が観られ、現在、服用しているドネペジルでは、やはり限界があるようだ。脳内に蓄積し続けるアミロイドβそのものを取り除いていくという効能が謳われているレカネマブを処方してくれるような病院に転院できればいいのだが。

 

(23.12.30.土) 晴れ

 今日、27日に帰省していた息子のヨメと孫SRが我が家にやってきた。

 28日に息子へLINEメールで「SRやらはいつ帰ってくるん?」と送ったら、「昨日、帰っている。昨日今日と忙しかったみたい」とあったが、そんなアホなという感んじだにゃ。

 道路ひとつ隔てた隣の団地に住んでいるんだから、帰省したら、まずダンナさんの親元に孫を連れて挨拶に来るのがスジなんじゃないの?息子も息子で、ヨメをカバーしているんだろうが「昨日今日と忙しかったみたい」やて。

 しかし、まあ、せっかく挨拶に来てくれたんだから、今までわだかまりがあったにも関わらず、その気持ちを封印して来てくれたということは、今度はこちらがボールを投げ返さなければならないんだろう。

 息子との不和も、どちらが折れるということもなく1年が経過した。双方とも、(多分)自分の方が正しく相手の方が間違っていると思っているのだろうから、最早「時間が解決する」しか方法がないんだろうとは思っていた。和解に関する何かのヒントがあるかと思って、志賀直哉の『和解』や一連の作品を読んだりもした。しかし、「不和」なんていうものは、まさに、千差万別、ケースバイケースだと思い至り、当面は時間の経過に任すしか方法はないなぁ、という気持ちでいた。

 昨年、不和が生じる前の夏休みに息子一家3人で帰省した際、私の車を息子が運転し、我々夫婦と息子一家の計5人で大阪にある我が家の墓参りをして、大阪港のUSJ近くのホテルに一泊し、翌日は『海遊館』や『レゴランド・ディスカバリー・センター』に立ち寄った。その後、京都に帰って、私の家などで過ごしたが、孫SRは当時5歳で、『UNO(ウノ)』などをして一緒に遊んだ時の印象では、なかなか意思の強いしっかりした性格の子だなという感じだった。

 息子のヨメと、同行したその母親は挨拶を済ませてすぐに帰っていった。孫のSRは私と将棋をしたが、先日、Amazonから誕生日に贈っておいた『ドラえもん はじめての将棋』をもう読了したとのことで、娘の方の孫S(小学3年生)より手強い感じだった。聞けば、地元の「将棋スクール」に通っているとのこと、納得。

 一回目に私が勝ったので、二回目は「飛車角抜き」で始めたが、途中でヨメがSRを迎えに来た。送って行きがてらヨメと少し話したが、まだ、なんとなくわだかまりが感じられたように思ったが……?

 

(23.12.31.日) 曇りのち雨

 今日は大晦日、今年一年に想いを馳せる日だが、仕事もすでにリタイアしているので、気楽と言えば気楽な感じで、気にかかる事柄で主だったものは、やはり健康にまつわることだろうか。

 私の方は、気管癌経過観察中、左膝人工関節、右膝変形性関節症、脊柱管狭窄症、前立腺肥大、橋本病(甲状腺ホルモン減少症)など、「病気のデパート」状態だが、どれに関しても症状は特に深刻というわけでもなく、処方された薬で、日々、なんとか健康に過ごしていると言ってもいいかもしれない、まさに「逃病中」というところ。

 今年一年だけの気がかりに留まらず、これからはずっと気にかけていかなければならないのは、ヨメさんが「アルツハイマー型認知症」と判明したことだ。今のところ、買い物にも一人で出かけ、なんとか日常生活を維持できているが、特効薬のドネペジルや生活改善  人との交流による会話の機会の維持・確保・増大や楽しく過ごせるように配慮すること等  で、どれだけ症状の悪化を抑え、緩和できるのだろうか。私の顔を見て「おたくどちらさん?」という状態にまでは進行させたくない。

 

【今日の読書441※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-43『明治大正史 上』

③-51『重力とは何か』

③-52『生命 最初の30億年』

③-53『すごい宇宙講義』

④-8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』

⑥-25 『文庫の読書』

⑦-85街とその不確かな壁』

⑦-88『グレート・ギャツビー』

⑧-17『ステパンチコヴァ村とその住人たち』(Kindle)

⑨-5『自省録』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑪-8『ひるは映画館、よるは酒』

⑫-28『小説の読み方』

⑬-11『行人』(Kindle)

コメント:年末になって、Sの学校が短縮授業から冬休みに入り、我が家が「学童」状態になってからは、就寝前を除いて、読書時間を確保するのが困難になってきた。特に昼間はSの相手をしなければならないので、まず無理な状態。まあ、年始の三日が終わるまでは仕方がないだろうと思っている。

 

今日の映画441】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『非情の標的(U-NEXTで視聴)

原題:Revolver

製作年:1973年

製作国:イタリア・フランス・モナコ合作

監督:セルジオ・ソリーマ

出演:オリヴァー・リード/ファビオ・テスティ/アゴスティーナ・ベリ/フレデリック・ド・パスカル

ストーリー:イタリー財界の大物の石油王が何者かに殺された。警察は容疑者としてミロ(ファビオ・テスティ)を逮捕し、ミラノの刑務所に送りこんだ。ところがある日、副所長ピート(オリヴァー・リード)の妻アンナ(アゴスティーナ・ベリ)が何者かに誘拐され、その後ピートの元にミロとアンナを交換するためにミロを脱獄させろと脅迫電話が入る。早速ピートはミロを脱獄させ、引きかえ場所へむかった。組織は石油王暗殺事件の秘密をにぎるミロを殺そうとする。ある日、逃走の途中でミロはピートのすきをみて逃げ出し、ピートに手錠をかけ、自分の恋人のいる国外まで逃走をはかったが、組織の手は二人に忍び寄る。組織のボス、グラニエ(フレデリック・ド・パスカル)はアンナとミロの交換を急ぎ、一方でピートは深みにはまっていった。

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.5、TSUTAYAは2.71、Filmarksは3.8で、私の評価は3.5とした。

 イタリア・フランス・モナコ合作ということだが、やはりフランス映画臭い感じがするものの、単国作品よりはいくらかスティエーションの幅が広がるようだ。背後の巨悪の姿が最後まで見えなかった点がやや不満が残る。

 

【今日のジャズ441※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Sketches Of Spain

アーティスト:Miles Davis

レーベル・品番:Columbia・CL 1480/ソニーレコード・CSCS 5142/・SICP 1207/・SICP 20054/CBS・CL 1480/・CS 8271/・32023/CBSソニー・23AP 2557/・32DP 524

録音年月日:1959.11.20/1960.3.10-11

曲名:①Concierto De Aranjuez/②Will O' The Wisp/③The Pan Piper/④Saeta/⑤Solea

ミュージシャン:Miles Davis (tp,flh)/Bernie Glow (tp)/Ernie Royal (tp)/Louis Mucci (tp)/Taft Jordan (tp)/Frank Rehak (tb)/Dick Hixon (tb)/John Barrows (frh)/Jim Buffington (frh)/Earl Chapin (frh)/Jay McAllister (tu)/Albert Blook (woodwinds)/Eddie Caine (woodwinds)/Harold Feldman (woodwinds)/Danny Banks (bcl)/Paul Chambers (b)/Jimmy Cobb (ds)/Elvin Jones (per)/Janet Putnam (harp)/Gil Evans (arr,cond)//Johnny Coles (tp)/Joe Singer (frh)/Tony Mirande (frh)/Bill Barber (tu)/Romeo Penque (woodwinds)/Jack Knitzer (bassoon)/Danny Banks (bcl)

コメント:ギル・エヴァンスの協力を得て、マイルス・デイヴィスはモード・イディオムの導入を図るようになった。いくつもの成果を上げていた彼が、この作品でさらなる可能性を提示する。大作の〈アランフェス協奏曲〉はもちろんだが、スペイン音楽の古典に題材を求めたそれ以外の曲でも、スパニッシュ・モードを駆使することで、マイルスとギルが従来のジャズ・オーケストラとはまったく異なる響きを導き出す。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Miles Davis Septet, Palazzo dello Sport, Torino, Italia, November 16th, 1971

Miles Davis Quintet, Teatro dell'Arte, Milan, Italy, October 11th, 1964

Miles Davis - Spanish Key (Live at Isle of Wight 1970)