「ベアーに襲われた

 

 ベア…クマ(だったと思う)に襲われる夢を観た。というか、襲われたのか定かじゃない。

 寝てたら不意に何かの獣がオレの上に。が、組み合っているうちに、何故かオレが奴の上に。しかも組み強いている! オレのほうが強いのか? 何だか妙な感触。毛深いはずが繁みのはずが次第に不思議に柔らかくて、すべすべしてて…赤ん坊の肌のようにプニュプニュしてる。やばい! このままじゃコイツをオレの体重で押し潰してしまう! 

 けれどコイツはなんとオレにしがみついて放さない。ほとんど抱きついてる。いつぞや顔をうずめたパイパンの感触が、体躯のしなやかさが懐かしい。

 そうか、ベアは熊じゃなく、赤ん坊じゃなく、むき出しのベアなのか。

 あの女?! あいつがこんな夜更けに忍び込んできた? 餓えるオレを慰めるため?

 違う。この切迫感は只事じゃない。女のほうこそ餓えている。確かにクマではないが、この激しさは獣の猛々しさだ。女はそんなにも?

 気が付けばますますどっちがどっちを押し倒しているのか分からなくなっていた。紅蓮の焔が脳味噌を焼き焦がしていた。肺腑やら腸までが沸き立っている。

 オレは悔恨の念に苛まれていた。逃げまくっていたのはオレだった。気持ちを知らないではなかったのに、己の凝り固まった殻が溶け去ることに怯えていた。

 蓑虫だった。中身はブヨブヨに蕩けていて、広く赤い世界の中で迷子になっていた。萎縮したオレには何も見えなくなっていた。ひたすら逃げ惑うしか能がない。それなのに欲していた、女をそれとも殻を粉微塵にすることを。違う! 女に酔っている…酔いたい! それは今なのだ… (09/09 03:24)

 

 

[画像は、「Russian Photographer Inadvertently Proves Brown Bear Probably Stole Your Girl | The Creative Ham」より。夢…と書いているが、創作である。この頃は、創作をスマホで。読書メーターにいろんな呟きを投稿している。人気があるわけじゃないので、すぐにスルーされていく。誰も見向きもしなくなった頃に、適当な呟きにコメントの形で即興で創作していく。この創作スタイルが馴染むかどうか分からないが、楽しくもある。09/09 13:28]