「夢魔との戯れ

 

 夢魔擬きの妄想…寝入るまでの迷想:夜の底深い。深みの際に達したなら浮上あるのみか。そのはず。泥濘をノタノタと這っているうち気が付いたら、視界が開けてきて、息苦しささえいつしか忘れ去っている。浮かび上がるために踠いたりはしない。何をしたって無駄。悪足掻きはしないことだ。藻に絡まれクラゲにチクリとされ、イソギンチャクになぶられる。何故かマリンスノーまで深海から舞い上がってきやがる! 

 白濁はマリンスノーのせいじゃなく、水晶体が白く濁ってるから? 海中なのか池の中なのか、いやそれともただの水溜まりに過ぎないのかもしれない。何でも大仰に取り沙汰して喚いてる。夢の中ですら、煩く騒ぐ。 (09/05 02:54)

 ああ、夢ならいいのに。この頃、夢と現実の境が分からない。目覚めない夜。というか、眠りってものが分からなくなってる。目覚め…。疑っても疑いきれない妄想。終わりのない物語。結末どころか、いつから始まっていたのか気付かない物語なんてあんまりだよ! (09/05 03:06)

 

 寝起きの夢: いよいよ当日。そうだったオレがするんだった。しない代わりに執刀の手伝い、患者の患部を銀色の長い棒先で摘み上げて執刀する先生方に示し治療してもらう。患者は手術室の外に居る。先生方二人は苦笑いしつつオレを促す。患部を摘まんで示すその程度のことすらオレに出来るだろうか? (09/05 08:23)

 ダメだ。やるしかないんだ。オレは廊下へ。患者や看護師らの長い列。どの人がオレの担当する患者なのか。いよいよ手術室に呼び入れた。どうすればいいのか……気が付くと患部が鉗子か何かの器具の先で持ち上げられているではないか!

 そうだ! 手術するのはオレ。そう患者はまさにオレなんだ! 気付いた瞬間、目覚めた。

 その前に観ていた夢: 友人二人とオレは小さなテーブルを囲んでカードゲーム。ルールなどまるで分からない。でも、二人はお前だって知ってるはずさと、断固始めてしまう。オロオロしつつ流れに乗る。カードゲームがやたらとスムーズに捲られていく。オレはただ機械的にやってるだけ。あれよあれよと進んで、気が付くとゲームは終盤。すべてのカードが捲られると、何とオレが完璧に勝ってるじゃないか!

 オレは要するに二人の操るがままに人形のように参加していただけ。彼等の華麗な手捌きに乗せられていただけ。何だってオレを主役にする? 二人より遥かに愚鈍なオレを! (09/05 08:42)

 

 今夜最後の夢: 女二人(親戚筋)が食事の用意してる。ほぼ出来てる。こんなにご飯あるのに食べてくれないとぼやいてる。オレは様子を見に行った。食卓にはだれもいない。どれがオレのご飯茶碗が分からない。棚のこれだろうか? 湯気の上がるオカズにご飯。オレも食べ始めた。木枠の中に山盛りのご飯。勿体無いとオレはせっせと一人食べる。オカズは、湯豆腐。白菜だけ。昆布が混じってる。ご飯をおかわり。気が付くとほぼ食べ終わってる。これだけ頑張った……、最後まで一人だった。それどころか、女たちは一人も給仕に来なかった。 (09/05 10:14)

 

[画像は、「インキュバスに襲われる女性」(Wikipediaより)]