← パトリック・シャモワゾー作『カリブ海偽典 (最期の身ぶりによる聖書的物語)』(塚本 昌則訳  紀伊國屋書店) 「カリブ海の小さな島で、一人の老人が死の床に就いている。彼は、第2次大戦後に世界各地の植民地独立戦争に参加したかつての島の英雄である。今では忘れられたこの老人が身ぶりで語るその生涯を、言葉の記録人シャモワゾーが必死に書き取っていく。植民地支配に抵抗した老人の闘いとは?その闘いの持つ意味とは?クレオール文学を超えた世界的傑作」

 

 パトリック・シャモワゾー作『カリブ海偽典 (最期の身ぶりによる聖書的物語)』(塚本 昌則訳  紀伊國屋書店)を30日に読了した。読み通すには、30日近くは確実に要すると思っていたのだが、読み進めるうちに文体にも慣れて…それでも三週間弱で登攀に成功した。

 本書もだが、パトリック・シャモワゾーなる作家のことも全く未知の人物で、書店で本書のあまりの浩瀚さに圧倒され、手にするのも躊躇われた。重さ厚さを実感しつつ手にし、パラパラと。読み応えありそう、でも、高価さもあって躊躇。最後はゴンクール賞受賞作という勲章に失敗はなかろうと敢えて買った。

 買ってよかった。ガブリエル・ガルシア=マルケス の『百年の孤独』や、イサベル・アジェンデの『精霊たちの家』などを初読した際の衝撃に近いものがあった。今年に限ると、リチャード・パワーズの『黄金虫変奏曲』に匹敵する漲るパワーを感じた。

 当初は文体に戸惑い、一体どういう物語なのか、読み手を何処へ連れていくのか、まるで密林に紛れ込んでしまった感すらあった。「植民地支配に抵抗した老人の闘いとは?」を描いているというが、「今では忘れられたこの老人が身ぶりで語るその生涯を、言葉の記録人シャモワゾーが必死に書き取っていく」ってどういうこと? 理解不能。それでも吾輩を引き摺って放さない。

 小生は、南北アメリカへの欧米による植民地支配先住民蹂躙関連の歴史には予てより関心を抱いて来た。関連の本も少しは読んできた。本書はまさに「世界各地の植民地独立戦争に参加したかつての島の英雄」を描いていて、ある意味吾輩の関心をえげつない程に満たし掻き立てる作品だった。

 正直、圧倒されたままでまるで受け止めきれていない。吾輩の読解力じゃ、咀嚼するなど無理。こんな作家を今まで知らずにいたのかと、愕然とした思いである。これから読まれる方は心して読まれるべし。 (06/03 03:20)

 

 ← 昼過ぎ、生け垣の剪定をしてたら発見。山茶花? (06/03 02:44)

 

 昼過ぎ、生け垣の剪定をしてたら……声はすれども姿は見えず…近所の方に我が家の庭からウグイスの鳴き声が聴こえると。我輩は何とか姿を撮りたいのだが、一度も成功したことがない。 (06/03 02:44)

 

 二日(日)不動産屋さんを自宅に。いよいよ我が家を、あるいは我が敷地を手放すことが現実化する。今日の不動産屋さんに決めたわけじゃないが。正月元旦の地震の影響大。無論、自分の年齢や体力も考慮。同居する人も居ない。小さな家かアパートにひっそり暮らす。問題は父母の遺品も含めた書籍類の確保。ワンルームでもいいがスペースは必要だろう。

 ところで、庭木や生け垣の剪定をしてたら、近所の方が通りかかった。せっかくなので声をかけてお喋り。その方は家の建て替えをされることもあった。いろいろ話したが、最後に近所の住職さんが急死されたことを告げられた。ショック。近所で吾輩のことを気遣ってくれた唯一の人物だった。元気なころは、(吾輩が庭仕事してるのに気付くと、恐らくわざわざ寺を出てきて)吾輩に声を掛けてくれた。 かなりの読書家であり、蔵書家。万を優に超える蔵書は壮観。 (06/03 03:32)

 

 自宅では、藤尾 慎一郎著の『弥生人はどこから来たのか: 最新科学が解明する先史日本』(歴史文化ライブラリー 587)とブライアン・グリーン著の「時間の終わりまで」(講談社)とを併読してる。日本に限らず古代史や考古学関連の話題は好物。DNA分析技術の成果は目覚ましい。後者、長らく読んできたが、本日(三日)にも読了か。さすがのブライアン・グリーンだ。 (06/03 02:52)