相続の手続きに入ったのだが、難航…。耐震診断してもらった。結果報告待ち。家の目の前の嘗ては我が家の最後の田圃だった空き地が宅地造成中。淋しい感が募る。なんだかんだで気力が萎え気味の四月だったが、なんとか庭仕事再開。あくまで体作りと心得て…。

 

4月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5208
ナイス数:5669

シェイクスピア全集 (3) マクベス (ちくま文庫)シェイクスピア全集 (3) マクベス (ちくま文庫)感想
せっかくの休日なので温存(?)してきた松岡和子訳の「マクベス」を一気読みした。既存の訳でも何度となく。さすがのシェイクスピア作品を楽しんだ。今回は過日レベッカ・ソルニットの「ウォークス」を読んだばかりだったこともあって、魔女像が気になった。さすがのシェイクスピアと言えど、紋切り型の魔女像。だけど、魔女って?
読了日:04月30日 著者:W. シェイクスピア


眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た感想
「◎スウェーデンの難民家庭の少女たちに広まった「あきらめ症候群」◎ニカラグアに現存する幻視や憑依を主症状とする「グリシシクニス」◎カザフスタンの鉱山町で発生した「眠り病」◎キューバ駐在のアメリカとカナダの外交官らが罹患した「ハバナ症候群」◎コロンビアの女子学生たちに集団発生した「解離性発作」◎アメリカ北東部の地方都市ル・ロイと南米のガイアナで発生した「集団心因性疾患」◎ロンドンの病院で著者が担当した患者の「解離性発作」」などの謎の病を扱う。
読了日:04月30日 著者:スザンヌ・オサリバン


ウォークス 歩くことの精神史ウォークス 歩くことの精神史感想
ウォーク…歩くをテーマにこれだけの大著。10日を費やして。(三十路後半の頃の無理なマラソン強行の挙句のひざの故障で)もうひたすら歩き続けるなんて最早できそうにない自分。読書で根気よく。散歩する、ただそれだけのことが体をそして心を解してくれる。吾輩の好んで読んできた書き手も、そうした人物が多いことに今更ながら気づかされる。ルソー、カント、ショーペンハウアー、キルケゴール、西行、芭蕉、 そもそも人類は二足歩行に始まったのだった。
読了日:04月27日 著者:レベッカ ソルニット


死なないやつら (ブルーバックス)死なないやつら (ブルーバックス)感想
2010年に「マイコプラズマ・ラボラトリウム」、別名「シンシア」という新しい生物が人間の手によって作られたという。本物のDNAを消去した生物の細胞に「人工DNA」を挿入したのである。いよいよ神の領域に人間が足を踏み込んだのか。
読了日:04月25日 著者:長沼 毅


フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)感想
通算三度目。単行本で読んだ際、インタビューアーとベーコンとの間に会話が成り立っていないと当時、感じたんだった。インタビューアーは、真っ当な理屈で問う。ベーコンは、直感というか感性というか、論理の筋が見えない……我輩のような凡俗には皆目。が、訴えたい何かは感じる。ベーコンは作品が全てなのだ。根っからの表現者。ベーコンはジャクソン・ポロックが大嫌い。我輩は好き。というかどちらの作品にもとんがったセンスを感じる。実際、ベーコンの手法にポロック臭を感じてならない。
読了日:04月24日 著者:デイヴィッド・シルヴェスター


メキシコ古代都市の謎 テオティワカンを掘る (朝日選書)メキシコ古代都市の謎 テオティワカンを掘る (朝日選書)感想
近年、テレビでメソアメリカの古代都市の話題が増えている気がする(NHKだけか)。21日もテレビをオンにしたら、偶然「上白石萌音のはるかなる古代文明 マヤ - NHK」だった。途中からだったが思わず録画して観た。  
読了日:04月20日 著者:杉山 三郎


古代幻視古代幻視感想
再読。若い頃…三十路の頃、梅原猛の諸著を読み漁った。「隠された十字架―法隆寺論」 (新潮文庫)や「水底の歌―柿本人麿」などなど。彼の論にロマンを感じてたか。本書も教えられたこと多々。学べなかったけどね。絵巻物の深さ見事さ。清少納言「枕草子」のギリギリの表現。今昔物語の面白さ…何故芥川龍之介が今昔物語に惹かれたのか。今昔物語論は読んだが、肝心の「今昔物語」は読んでない。但し、「平家物語」は原文で読んだ(変な現代語訳に辟易し原文に向かった)。
読了日:04月19日 著者:梅原 猛


空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙感想
こうしたテーマの本は大好き。題名もいい。中学生の頃、幾何学が好きになったのは、〈補助線〉の発見に魅せられたから。1本の線が縺れた絡みをあれよあれよと解してくれる快感。
読了日:04月17日 著者:前川淳


なぜ日本は原発を止められないのか? (文春新書 1433)なぜ日本は原発を止められないのか? (文春新書 1433)感想
日本の原発政策の惨状を怒りを以て告発する。福島原発事故の悲惨は今もこれからも続く。劣化した日本のマスコミ。テレビも新聞も情けない限り。一読はしたほうがいい。
読了日:04月16日 著者:青木 美希


惑う星惑う星感想
「パパ、この惑星に僕の居場所はないの? 地球外生命の可能性を探る研究者の男、その幼い息子は絶滅に瀕する動物たちの悲惨に寄り添い苦しんでいた。男は彼をある実験に参加させる。MRIの中で亡き母の面影に出会った少年は、驚くほどの聡明さを発揮し始め――現代科学の最前線から描かれる、21世紀の「アルジャーノン」」という出版社の内容案内はそのまま肯える。
読了日:04月16日 著者:リチャード・パワーズ


精神の考古学精神の考古学感想
著者は、「いまから四十数年前、私は一人でネパールにでかけて、その地でひっそりと難民の暮らしを送っていたチベット人のラマ(先生)のもとで、「ゾクチェン」という古代から秘密裡に伝えられてきた精神の教えを学び始めた。この本で私は当時の記録と記憶をたよりにその修練の過程をできるだけ詳しく再現しようと試みた」というまさに四十数年の修練の集大成の書。
読了日:04月12日 著者:中沢 新一


万物の黎明 人類史を根本からくつがえす (翻訳)万物の黎明 人類史を根本からくつがえす (翻訳)感想
予備知識のない中でよくぞ本書を見出だしたと自分を褒めたい気分。感想は後日。ハラリやダイヤモンド等はかなり厳しく批判されてる。人類学も考古学もその成果はめざましい。我々はその一端をも知らないとつくづく。
読了日:04月10日 著者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ


未闘病記──膠原病,「混合性結合組織病」の (岩波現代文庫 文芸354)未闘病記──膠原病,「混合性結合組織病」の (岩波現代文庫 文芸354)感想
読むのが辛くなる小説。究極の私小説。嘗ては結核小説が多かったが、現代は膠原病など免疫疾患の闘病が浮上してきた。文学(小説)化するのは難しかっただろうとは、ど素人の吾輩も想像される。名作とはいいたくないが、瞠目すべき作品だろう。
読了日:04月05日 著者:笙野 頼子


本地垂迹 (ちくま学芸文庫 ム-13-1)本地垂迹 (ちくま学芸文庫 ム-13-1)感想
非学な吾輩、字面だけなぞったよう。庶民の一人として神棚と仏壇の同居する家にある。神も仏も分からずじまい。ま、いっか。神仏習合や本地垂迹説がなんとなくでも分かればいい…のか。
読了日:04月03日 著者:村山 修一


こうしてヒトになった 人類のおどろくべき進化の旅こうしてヒトになった 人類のおどろくべき進化の旅感想
絵本である。買うつもりはなかったのだが…、子供向けの本とは知らずに入手してしまった。買った以上は読む! ヨーロッパ旧石器時代の遺跡数多く見つかっている豊満なビーナス小像が実は豊穣を祈念する女神像じゃない、原始的母権制に関する時代遅れのヴィクトリア朝の空想の産物。実はバービー人形のようなもの(だから沢山見つかる)。などなどパラダイムシフトが起きつつある近年の研究成果は織り込まれていない…? 
読了日:04月01日 著者:マイケル ブライト

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