時々取り上げている話に
高額医療費負担問題
というのがあります。
日本には、国民皆保険制度があり
国民全員が最先端医療を
受けられるようになっておりまして
高額の場合、差額を、国や地方自治体
保健組合が出してくれます。
自己負担額は年収や年齢により
異なりますが、おおよそ
約6-8万円という上限があります。
また、それすら払えない場合には
生活保護になることで
支払いゼロ出来る方法もあります。
さて、最先端医療を
安く受けられるという話だけだと
素晴らしい話に聞こえるのですが
問題は差額を誰が払うのか
ということであります。
現在の国民医療費の内訳を見ますと
おおよそで、患者支払いが1割
各種保健組合が5割、税金が4割と
なっております。
この税金の4割は
国家と地方自治体が出してまして
国家は年間約12兆円を出しており
年々増えているところです。
ここ数年も
薬価が1億6700万円のゾルゲンスマ
3200万円のキムリアという薬が出まして
これを使う患者さんのために
とてつもなく税金がかかっています。
ちなみに、どちらも
私が20代の時に勤めていた
スイスの会社ノバルティスの製品で
スイスはこういうの売るから
豊かなんだなと常々思います。
さて、国の財政的には
救命したところで
生産性が見込まれない人に
お金を使うのは
良くないということになります。
例えば、年間2000万円かかる薬を使うと
死にそうな老人が3年延命できたとして
税金から払うお金は
2000×0.4×3の2400万円なのです。
しかし、もともと死にそうな老人の
寿命が数年伸びても
バリバリ働けるわけがなく
税収はほとんど増えないのです。
ですので、経済的にはマイナスで
合理的ではないと言えます。
しかしながら、道義的な問題
感情的な問題として
救える命はコミュニティで救うべきだ
という話があるわけです。
そして、日本は老人が多数派なので
この意見が支持されまして
政治家も将来の財政より
目先の選挙を考えると
高額医療費負担賛成となるわけです。
さらに、製薬会社も病院も
高額医療をやる方が儲かるので
そっちを望んでおりまして
その支援を受けている自民党は
高額医療費負担をやめられないのです。
というわけで
現在こんな感じなのですが
高額医療費制度は約50年前の
1973年に出来たもので
もはや制度不良と言わざるを得ません。
当時は、そんなに高い薬が
なかったからいいものの
数百万数千万数億なんて薬が出てきたら
崩壊するのは確実な話です。
こういう話をすると
老人、製薬会社、病院など
利権者に叩かれますので
政治家や有識者もなかなか
大きな声では言えませんが
国家財政が破綻間近の日本では
さすがに無理でしょう。
そんなわけで、円安進行からの
大増税と社会保障削減の際に
高額医療費制度も削除せざるを
得ないかと思います。
そして、そうなりますと
貧乏人どころか平均年収の人も
高度医療を受けられなくなりますので
健康的な暮らしをして
病気を防ぐようにした方がいいですね。
また、高度医療を受けたければ
しっかり働いて
1億円の薬でも買えるように
貯金しておくしかないですね。
日本も、アメリカと同じく
自分の身は自分で守る時代が
やってきますので
覚悟しておきましょう。
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