息子が2週間、実家に帰ってきていました。
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その間に、いろいろな話をしました。
そのひとつは、「死」について。
夫の父親(息子にとっての祖父)の容態がよくありません。
嚥下(飲み込む)ができなくなり、点滴で栄耀補給している状況です。
もう90歳ですから、仕方がないのですが、それでも人の「死」に向き合うことは、心が痛みます。
息子はずっと言っていました。
「じぃじの葬式って行ったほうがいいのかな」
って。
「祖父だし、遠方に住んでいるから、行っても行かなくてもいいよ」
と、私は答えましたが、行かないのも薄情だし、行くのも気が重いらしいのです。
3年前に私の母が亡くなりました。
一番息子をかわいがってくれた祖母でした。
私は、そのころは仕事もしていたし、母の病院に行ったり、亡くなってから手続きだの、実家の片づけなど、バタバタと毎日が過ぎて行きました。
加えて私は、更年期の体調不良に、実家の片づけが思った以上に大変で、自分のことで精一杯でした。
そのため、息子にあまり気持ちを向けていませんでした。
息子はちょうど高校3年生で、文化祭の実行委員やら、受験やら、デリケートな時期でもありました。
あまり関りのなかったじぃじの死期が近づいていることで、これだけナーバスになっている息子だから、大好きなばぁばが亡くなった時には、ショックが大きかったことでしょう。
息子、今年のお正月に、高校時代のお友達との飲み会で
「ばあちゃんには、会える時に会っておいたほうがいい!」
って泣きながら、1時間力説したらしいです。
本人は、酔っぱらっていて記憶にないそうですが。
いつも飄々としていて、良くも悪くも感情をあまり見せない息子ですが、人の死に心を痛める子に育っていたのですね。
実家滞在中にはこんなこともありました。
テレビで、映画
「魔女の宅急便」
を、一緒に観ていました。
すると息子が
「この後のシーンは、考えるだけで、気が悪い!」
と、何度も何度もつぶやしていました。
それは、魔女のキキが雨の中、おばあちゃんが焼いたニシンパイを孫に届けるシーンです。
孫の女の子は、雨に気遣いながらも熱々のパイを届けたキキに言うのです。
「私、このパイ嫌いなのよね」
って。
息子は、このシーンが嫌いだと言うのです。
まぁね、感じ悪いですよね、孫(笑)
私は
「こういうことはよくあることやん。
こういう経験をしながら大人になっていくんやん」
と、言いました。
きっと息子も頭の中では理解はしているのでしょう。
でも、感情的には釈然としない。
そう、こういうことはよくあるのです。
私は
「親切の押し売り」
って表現していますけど(笑)
「よかれ」
と思っていることが相手にとっては、ありがた迷惑なのですね。
20歳の息子、まだまだ青いと言ってしまえばそれまでですが、
「やさしい青年に育っているなぁ」
と、母は嬉しくなったのでした❤
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