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私はミキさんがママをしているスナックで10か月ぐらい働いた。もう10年以上前の話だけど、私が仕事を辞めてからはたまにラインしたり、友人とママの店に飲みに行ったりした交流があった。ミキさんは仕事柄衣装には気をつかっていたが、シンプルなワンピースが多くてアクセサリーで変化をつけるという感じだった。
だから真っ先にミキさんにアトリエの案内をしたのだった。彼女は淡水パールを鎖で繋いだ60センチのロングネックレスをつけて鏡の前でニコニコした。
「とっても似合っています。この淡水パールは色がブル―がかっているから、ママの好きなベージュのニットにも合うし、今の黒のブラウスにもぴったりですよ!」
「そうね、パールってフォーマルな感じだから普段はつけないけど、これだったら昼間のお出かけにもいいわね」
「そうなんですよ、淡水パールは意外とカジュアルなんです。一粒がみな個性豊かで
それで品格もあるんです。私も今まで知らなかったんですが、パールってどんなファッションにも溶け込んでつける方を美しくしてしまうんです」
「ピアスもパールで合わせた方がいいのかしら?」
ミキさんはパールのピアスを手に取りながら言った。
「パールじゃなくてもなんでも合ってしまうから気に入ったものを付ければいいと思います。どんな物でもなじんでしまうので。いろいろ付けてみて下さい」
私はミキさんが色々つけてみてフィッテイングを楽しんでいる姿を見ているだけで嬉しかった。
女はアクセサリーによって変わる。
女性を輝かせるためにアクセサリーは存在する。
お客様が輝くことが私の喜び!
桃子も動画を撮りながらとびっきりの笑顔だった。
つづく