蘇について、いつもあやふやになってしまうので、再確認。
牛乳をひたすら煮詰める、ブラウンチーズのようなもの。
蘇(飛鳥〜平安時代につくられていた)
西暦700年(飛鳥と奈良の境目だけど飛鳥時代)
文武天皇により蘇を税として全国で作るように使いが派遣された。
典薬寮の乳牛院という機関が生産を担っており、薬や神饌(しんせん・・・神に供えるもの)としても使われ、仏教祭事には蜜と混ぜられて原料として使用された。
平安時代、貴族階級の間で乳製品が広まったが、武士の台頭により、江戸時代中期まで日本の酪農は廃れた。
2020年
新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、感染拡大防止のために日本全国の小中高校の学校給食も休止された。余剰となった大量の牛乳を消費しようとする動きで「牛乳さえあれば作れる手軽さ」と「古代のお菓子」という珍しさを持つ蘇が注目されるようになった。
蘇とチーズの違い
チーズとは乳を凝乳し乳清の一部を除去したものなので、蘇はチーズではない。
乳を煮詰めただけの乳製品は無糖練乳。
砂糖と煮たものは、ミルクジャムやドゥルセ・デ・レチェやミルクキャラメルなど。
ノンホモ牛乳を加熱後冷やし表面に浮いたクリームを集めるとクロテッドクリーム。
加温せず遠心分離でクリームを得て発酵させた場合はサワークリームのようなものになる。
大般涅槃経の乳製品
『大般涅槃経』(だいはつねはんきょう)の中に、五味として順に乳→酪→生酥→熟酥→醍醐へとある。酥は醍醐の原料という説があるのはここからであるが、蘇と酥は別のものとする説がある。
酥・・・古代中国で生まれた、牛乳の発酵食品