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利用者も職員も安全守れない

福祉保育労 日本医労連 「1人夜勤なくして」と訴え 愛知

2021年12月22日【国民運動】

介護・障害職場 夜勤実態調査から

 全国福祉保育労働組合(福祉保育労)東海地方本部と愛知県医労連が共同で実施した介護・障害職場の夜勤実態アンケート。労働者207人のうち、94%が「1人夜勤」を経験しており、入所者の安全も労働者の健康も守れないと訴えています。(江田耀)

 特別養護老人ホーム職員のAさん(50代)は夜勤時、ワンフロア20人から25人の高齢者を1人でみています。夜勤は、午後5時から午前10時までの17時間、月6~8回にのぼります。

3、4人同時に

 「20人から25人もの高齢者を1人で見るプレッシャーはすごく強く、肉体的疲労は回復しますが、精神的疲労は蓄積しています」と話します。

 1人での対応に限界を感じています。利用者が転倒する可能性を知らせるセンサーコールが3、4件同時になることがあります。「複数人いる昼間だと手分けして対応できますが、夜間帯は1人で対応しなければいけません」と語ります。

 他フロアにも職員がいますが「みんな1人で大勢の高齢者をみており、応援を頼むことは難しい」といいます。

 「特に夜は転倒の危険が増します。命にかかわるのでせめて2人いれば」

 Aさんの職場では、人手不足から過重労働で体調を崩す職員が増えています。夜勤を担う職員減で、Aさんの夜勤は月6回から7、8回に増えました。「低賃金もいやですが、1人夜勤の負担増も耐えられません」と訴えます。

 障害者グループホームで働く加藤邦章さん(37)は夜勤時、知的障害、身体障害などの入所者5、6人を1人でみています。夜勤は、午後4時から午前9時まで。月平均15回、多いと月21回にもなります。

 「今週は月曜日から5日連続の夜勤で家にいる時間はほとんどありません。大変という言葉につきます」。「入所者の体調が急変する怖さと毎日たたかっています。余裕のない勤務体制で1人しか夜勤者もおけません。求人を出しても人が来ません」と話します。

 福祉保育労東海地本の西田知也書記長は、夜勤職員を複数置いた場合、現行の国の補助では人件費をまかなえない問題や、障害者グループホームでは深夜帯の配置基準がない問題を指摘。「低賃金や、精神的にも負担の大きい1人夜勤の状況から、多くの職員がやめていきます」と話します。

 介護・障害福祉労働者の賃金は全産業平均より約8万円も低くなっています。「岸田内閣が打ち出した月9000円の賃上げ額では一桁足りません」

抜本的改善求め

 アンケートで示された深刻な実態を受けて、愛知県労働組合総連合と福祉保育労東海地本、愛知県医労連は、愛知県に「1人夜勤」解消を求める要請書を提出し、今後は署名運動も計画しています。

 西田氏は「職員が長く働き続けられる職場環境は、利用者の安全や支援の質を守るためにも欠かせません。職員の複数配置基準や処遇の抜本的改善を求めていきます」と話しています。