コロナ禍 保育園休みでも仕事休めない! | 子どもたちもお年よりも笑顔あふれる街へ

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この問題、9月議会で取り上げました

コロナ禍 保育園休みでも仕事休めない!

行政の責任で代替保育を

2021年10月13日【くらし】

 新型コロナのデルタ株が広がった8月から9月にかけて相次いだ保育園の休園。仕事が休めない親も園も対応に追われました。何が必要か考えました。(染矢ゆう子)

 さいたま市内で、子どもが通う保育園が2週間休園になった田中ゆりさん(30代、仮名)。年長の長男が濃厚接触者にもなり、小学4年生、2歳、0歳の子どもも全員家にいることになりました。「両親が近くに住んでいて預けられたので、英語講師の仕事を続けられましたが、それでも大変だった」と振り返ります。

 自宅で教室を開き、週2日はパートで働きます。パートの職場では、子どもが家にいることを伝えることができませんでした。保育園が休園した場合は小学校休業等対応助成金が利用できますが、当時は制度がありませんでした。(9月30日に制度が復活し、8月1日以降の休園に対応可)

有り余る元気

 英語教室があるときは、4人の子どもには隣の部屋でビデオを見てもらい、仕事をしました。「小学生の長女に下の子をみてもらい、助かった面もありましたが、子どもたちの力がありあまっていて、けんかも起こります。長女のオンライン授業が始まったら、下の子がちょっかいを出したり、遊びに夢中になって長女が授業に集中できなかったり。目も手も全然足りませんでした」

 園では医療従事者の子どもなどを保育する「応急保育」を行っていました。長男の検査結果が出て、陰性だとわかったあと、0歳、2歳の2人を預かってもらおうと思いましたが、「保育士の濃厚接触者が多くて体制がつくれない」と利用できませんでした。「園が対応できないときは国や市が代替保育の受け皿をつくってほしい。権利として保育を保障するルールをつくってほしい」と田中さんは話します。

別の人も感染

 園で最初に感染した職員は「濃厚接触者なし」とされました。ところが2日間休園して再開後、別の職員の感染がわかり、休園が長引きました。濃厚接触者にならなかった保育士のPCR検査費用は園の父母が負担しました。当時市内で数十園が休園していましたが、保健所が市に一つしかなくて指示も遅い状況でした。

 「最初に職員を全員検査してくれたらよかったのに」と田中さん。「保育園がないと生活は成り立ちません。子どもたちの命と成長が保障される場があってこそ安心して働けます。平時からギリギリの人数でなく、余裕をもった保育にしてほしい。責任と専門性に見合った待遇に改善し、保育士になりたい人が増えるようにしてほしい」

独自開設した自治体も

 保育園が休園した場合の代替保育を実施している自治体もあります。三重県鈴鹿市は、公立保育園の旧園舎で、市の子育て支援センター職員が保育しました。山形県酒田市では市内4カ所の子育て支援センター等で実施しています。条件は、保護者の就労で預け先がない子どもで、濃厚接触者でなくPCR検査を受けて陰性だった場合です。

日本共産党の「保育所等のコロナ感染に関する緊急提言」から(詳細は党のホームページで)

 ▽迅速な行政検査と定期検査▽保護者が安心して休めるように所得保障を確実に行う▽保育所等の感染対策を自治体や国の責任で行う▽感染症対策の観点から最低基準の見直しに踏み出す

国の指針・財政保障が不可欠

 全国保育団体連絡会副会長・実方伸子さんの話 7月から保育園での感染が広がりました。しかし、感染拡大期における自治体としての登園自粛要請、園で感染者が出た場合の休園や保育再開などについて国の指針はなく、現場任せです。国が指針を示し、財政的に保障することが不可欠です。

 9月に国に対して、▽PCR検査の定期実施、感染が疑われるときの希望者全員検査▽臨時保育士確保のための財政措置▽代替保育の確保の指針と財政措置▽手厚い感染対策ができる施設基準と職員配置基準の改善―などを求めました。

 対策を徹底していても、ウイルスはどこからでも入ってきてしまいます。感染が広がると、濃厚接触者は2週間出勤停止になるなど、保育が困難になります。

 乳幼児を1人で家において、働くわけにはいきません。保護者の休業への所得補償とともに、代替保育を国や自治体の責任で実施すること、代替保育は公立保育施設を活用し、公立施設職員を中心に計画することが、必要です。公立保育所を廃止・民営化している場合ではありません。