75歳医療費倍加 抗議の渦
愛知県保険医協会の折り込みに返信
2021年4月2日【社会】
医者にかかるの半分に…生きていけない
「早く死ねと言うことか。今まで税金を納めてきたのに悔しい」―。75歳以上の医療費窓口負担2倍化法案に対する怒りの輪が広がっています。愛知県保険医協会が同法案撤回を求める署名はがき付きチラシの新聞折り込みを実施したところ、はがきに設けられた「ひとこと」欄に多数の市民から同法案に抗議する声が寄せられました。(新井水和)
「75歳になれば1割になり、少しでも負担が楽になると歯を食いしばって窓口負担を払ってきたのに、2割なんてひどすぎる!」「年金のみの収入で医療費負担が2倍になれば、医者にかかるのを半分にしなければ…。これでは生きていけません」
「知らなかった」
菅自公政権は「現役世代の負担軽減」や「負担の公平化」を口実に、窓口負担倍加の導入を狙っています。同協会は2月末から、署名はがき付きチラシを一般紙に折り込み、県内に配布。約2週間で返信が2136通、4155人分もの署名が集まりました。チラシは国の負担が一番減ることや、倍加することで不公平が広がる実態を告発。多くの市民から「知らなかった」「国がまず負担をすべきだ」との声が相次ぎました。
「国の無駄遣いを削る作業と実施が先ではないか。国民に負担を押し付けるな」「消費税は上げて福祉を切り捨てるのは、約束が違うだろ」「糖尿病治療25年。負担2倍化は、生活の破たんです」など怒りや嘆きの声も。同時に「こんな反対活動をしてくださることに感謝します」「こういう活動(行動)をお待ちしておりました」など協会の取り組みを歓迎する言葉も届きました。
現役世代も打撃
大きな反響があったことに同協会事務局の日下紀生さんはこう指摘します。
「返ってきた署名には振り仮名をふるなど初めて署名をするような人からの反応がありました。『ひとこと』の内容からも負担増が生活を苦しめ生きる希望を絶つものだということが示されています。負担増は親の介護を担う人、一緒に暮らす人など現役世代にも打撃を与えます。家族共倒れを招きかねません。廃案しかありません」