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公立・公的病院統廃合 今こそ白紙撤回を

厚労省に共同行動 署名12万8000人分提出

2020年4月23日【政治総合】

コロナ対応に専念させて

 中央社会保障推進協議会など6団体でつくる「公立公的病院等再編・統合阻止共同行動」は22日、厚労省に対して病院統廃合の要請リストを白紙撤回し、現場が新型コロナウイルス感染症対応に専念できるよう求める要請を行いました。合わせて白紙撤回を求める約12万8000人分の署名を提出しました。

 要請で、全労連の岩橋祐治副議長は、医療崩壊を防ぐために緊急事態宣言を発令した一方で、いまだに公立・公的病院の再編・統合を進める方針を取り続けることは現場の奮闘に水を差すものだと厳しく批判。「国は地域の合意形成を重視しているというが、感染拡大の新局面を踏まえた議論を行うためにも、厚労省自身が名指ししたリストの撤回が必要だ」と訴えました。

 厚労省の担当者は、リストの指標に感染症対策が含まれていなかったことを認めましたが「追加的に参考データや資料を示し、地域で考えていただく」と述べました。

 各団体の代表は「9月までに統廃合の結論を出せとの期限も残したままでは、まともな議論はできない。仕切り直しを」(中央社保協)、「現場では防護服やマスクが不足し、院内感染が広がりつつある。これまでの方針の誤りを認めて、転換すべき局面だ」(自治労連)と求めました。

 医労連の代表は「新型感染症の教訓を踏まえ、平時には余裕をもって専門性も育てていく体制を国民は求めている。病院の統廃合やベッド削減方針を白紙に戻したうえで、新しい絵を描く時だ」と強調しました。

“現場に力与えよ”

声次々に

 「公立公的病院等再編・統合阻止共同行動」が22日、おこなった厚労省に対する要請では、「統廃合リストを撤回し、必死にたたかっている医療現場に力を与えてほしい」と求める声が次つぎと上がりました。

 「自治体病院の現場では、N95マスクが壊れるまで使っています。サージカルマスクは2週間で1枚です」と語ったのは、自治労連の高柳京子副委員長です。「診療実績がないから統廃合の対象だと名指しされた自治体病院が、いままさに病床数を確保しなさいと言われている。リスト撤回で、現場をコロナ対応に専念させてほしい」と求めました。

 全日本国立病院労組の香月直之委員長は、「現在、公立・公的病院で奮闘している医療従事者の使命感は言葉や、数字に表せないものだ」と指摘。「今後の日本の医療、危機管理という視点で、公的医療機関の役割をしっかり位置づけるべきだ」と強調しました。

 全厚生労働組合の大門晋平書記次長は、「平時からの備えが不足していた点や検査体制、基礎研究のぜい弱性をコロナが明らかにしている」と指摘。「サーズ、マーズから学んで医療体制を整えた諸国のように、方針を改めるべきだ」と語りました。

 中央社保協の山口一秀事務局長は、地域医療構想を含め、縮小・再編の「全世代型社会保障」路線を見直し、医療と健康を守る政策としての再構築を訴えました。

 日本医労連の森田しのぶ委員長は「感染症対応の公立・公的病院では、本来受け入れるべき重症患者も受け入れられない。医師・看護師らは命を守ることのはざまに立たされている」と指摘。「不採算だとベッド数を削減してきたことの問題点が明らかになっている。教訓を踏まえた新たな方針が必要だ」と求めました。