祝意は強制させるものではありません | 子どもたちもお年よりも笑顔あふれる街へ

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祝意は強制させるものではありません

(写真は旧高橋家住宅に飾られたこいのぼり)

天皇代替わり“祝意の意義理解させよ”

文科省が教育委に通知

しんぶん赤旗2019年4月27日【1面】

 天皇退位と皇太子の即位について文部科学省が、学校で児童・生徒に祝意の意義を理解させる指導をするよう求める通知を都道府県教育委員会などに出していたことが26日までに分かりました。同省は、5月1日の「天皇の即位の日」に各学校で「日の丸」を掲揚するよう求める通知も出していました。

 学校現場で、子どもたちの内心の自由を侵害するもので重大です。

 安倍政権は2日の閣議で、即位当日の「祝意奉表」として各省で「日の丸」を掲揚し、地方公共団体やそれ以外の学校や会社にも掲揚の協力を求めることを決定。文科省は同日、藤原誠事務次官名で、教育委員会はじめ所管の教育機関に「日の丸」掲揚を求める通知を出しました。

 同省はさらに22日、永山賀久初等中等教育局長名で、天皇退位と皇太子即位に際しての「学校における児童生徒への指導について」とする通知を発出。「国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当と思われますので、あわせてよろしく御配慮願います」とし、指導の名で子どもたちに祝意を強制するよう求めました。

政府の意見押し付けに

 世取山(よとりやま)洋介・新潟大学准教授(子どもの権利条約市民・NGOの会事務局長)の話 文科省の通知は、天皇制に含まれる重要な論点を覆い隠し、政府の意見を一方的に子どもたちに押し付けるものです。論点を深く慎重に子どもたちに考えさせるべき学校で、論点を覆い隠すことはすべきではありません。

 そもそも国家象徴に対してどういう姿勢を取るかは個人の良心の自由に委ねられています。肯定的姿勢をとるのか、否定的姿勢をとるのか自体が、論争的な主題なのです。

 同時に、今回の天皇退位をめぐっては、一人の個人を国家象徴とし続けるのかという論点も表に出てきました。そういうことについて、子どもたちにじっくり考えさせることこそ重要です。

 そうした深刻な論点がでてきたときに、国民こぞって祝意をという通知を出すのは、天皇の政治的利用という言葉を使うのもはばかられるような安倍政権の軽薄さを感じます。