■今日本公開中の『オオカミ狩り』にあえてネタばれしたい理由!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

「ハードボイルド・サバイバル・アクション」とはありますが…。

 

 

最近、忙しくて映画紹介をサボっていましたが、日本で韓国映画『オオカミ狩り(늑대사냥)』(キム・ホンソン監督)が先月から公開中だということを知って、これだけは急いで書いておかなければと思いました。これから観ようとされている方のため、実際、公開されて時間も経っているからこそ書けることかと思いますが、ここに書くのは一種の善意のネタばれであり、それが必要ない方は読まないでください!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

昨年秋に韓国で公開されたこの作品は、ものすごいスラッシャー映画(=サイコパスの刃物殺害もの)であり、それを好む人にとっては、充分に映画史に残りそうな傑作なのにもかかわらず、ただただ、「事前にその正しい『ジャンル』を知らせなかった」ということゆえに、とても酷評が多かった作品でした。

 

すなわち、最初からきちんと、「これはスラッシャーはスラッシャーでも、そもそも現実の話ではなく、『The Witch 魔女(原題:마녀)』と並ぶような『クリーチャーSF映画』である」ということを充分に認識させていたら何の問題もなかったのに、ということですよね。その「クリーチャーSF」の面白さを最初から期待して観たら、これほど楽しめるものもないだろうという思いから、あえてネタばれといえることを今思い切って書きました。(^ヮ^;)

 

それは制作側の意図したネタ隠しではあったのでしょうが、完全に逆効果だったと思います。最初からあたかも現実にあった話かのようにして、「なぜ船での囚人輸送になったのか」などの蓋然性を丁寧に描いてリアリティを最大限に上げ、その上で多様なキャラクターを一人ひとり描写しては、これらの人物たちが揃って何を繰り広げるのか、それがすでに観客各自の頭の中で予想図として生き生きと動き始めたと思ったら、突然、スクリーンのほうがテロを起こして台無しにしてしまったという感じです。

 

「その予想破りをしたかった」といわれればそれまでですが、そうするには、そこまでの俳優たちのリアルな演技がもったいないですよね。特に、今後の俳優として、歌手としての生命は大丈夫なのかと心配してしまうようなソ・イングクさんの体当たり凶悪演技をはじめ、ベテラン刑事役のパク・ホサンさんと優秀な後輩女性刑事役のチョン・ソミンさんの相棒演技、海洋救助団長役のソン・ドンイルさんのプロフェッショナル演技、さらに背景がそれぞれに魅力的な囚人たちの役づくりなど、実によく完成していて、それがすべて「クリーチャー」の登場で無条件につぶされるのが、大災害の悲劇以外の何ものでもなかったです。

 

そういう意味では、これは災害の無慈悲さと無条件さを描いた一種のディザスター・ムービーだったのかもしれません。それぞれに一流の愛すべき俳優たちの演技と、それをもとに観客の頭の中で一度動き出した脳内名作を無慈悲に押し流した大型ディザスター作として、永遠に見られないそちらの作品のほうに鎮魂歌を捧げたくなりました。(^^;)

 

その上で、でもしかし!最初からそのジャンルさえ正しく分かっていたならば、これは怪物が、これでもかとターミネーターのように無造作に爽快に(?)人を殺していくクリーチャーものとしてものすごい作品だったのであって、それこそ観終わってみれば、2018年の『The Witch 魔女』、昨年の続編『THE WITCH/魔女 ―増殖―』と充分戦える秀作だったため、こういう真実を明かした上でならおススメです!あともう一つ、日本で今月公開予定らしい『THE WITCH/魔女 ―増殖―』のほうもおススメですね!♪ヽ(´▽`)/

 

 

【あらすじ】 東南アジアに逃亡したインターポール手配者を移送する動く刑務所「フロンティア・タイタン」。極悪無道な彼らとベテラン刑事がフィリピンのマニラ港に集まり、脱出を目論むジョンドゥ(ソ・イングク)、どうしても韓国に戻らなければならないドイル(チャン・ドンユン)をはじめ、各自の目的と警戒心を抱いて搭乗する。韓国に向かう途中、太平洋の真ん中で今まで見たことのない極限の状況に直面するのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『オオカミ狩り(늑대사냥)』(キム・ホンソン監督)予告編。

 

 

☆。.:*:・'☆'・:*:.。.:*:・'゜☆。.:*・'゜☆

韓国情報ランキングに、現在参加中です。
ブログランキング
↑上のバナーをクリックするだけで、一票が入ります!
更新を願って下さる方は、よろしくお願いいたします。