■スペイン版と設定変えた理由は韓国の親の情緒ゆえ!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


「私が殺した妻の死体が消えた~2018年最初の追跡スリラー」


先月観た映画で、キム・サンギョンさんとキム・ガンウさん主演の『消えた夜(사라진 밤)』(イ・チャンヒ監督)です。♪ヽ(´▽`)/


韓国映画としては珍しくしっかりした頭脳推理モノで、猟奇的シーンも怪奇シーンもアクションもなく、精密に構成されたストーリーが、一見すると日本映画かと思ってしまうほどですよね。実際、韓国人も名探偵コナンの人気などを見れば、純粋な推理モノが好きであるはずですが、それでなのか、まあまあ評点も高かったです。


実は原作があって、2012年のスペイン映画『The Body(原題: El cuerpo)』ですよね。私も観た覚えがありますが、実はその映画と重要な部分の設定を変えています。大きく大どんでん返しをして明らかになる内容の設定部分ですが、なぜ変えるのか、それは原作でやったことが、韓国人の「親の情緒」では絶対にできないことだからですよね。実際、当時、その映画を観た韓国の方が、「このようなことは韓国人の情緒ではとうていできない」といっていました。


ネタばれになるので具体的なことは書きませんが、それを日韓関係に関連付けていえば、たとえば唐突のようですが、慰安婦問題における日韓のすれ違いに置き換えることができます。日本で韓国人元慰安婦のハルモニの証言を否定して、「慰安婦の強制連行はなかったんだ」とする主張の中に、日本人慰安婦の資料をもとに韓国人も同じだったんだと判断する意見があります。すなわち日本では実際に当時、慰安婦になった女性の中には、「親が貧困のゆえに娘を慰安婦として売ってしまった」というケースが多かったというわけです。


それゆえ、日本の方の中には、韓国の慰安婦の中にも同じケースが多かった、それゆえ現在の元慰安婦のハルモニたちが「拉致された」、「強制された」、「騙された」と証言しているのは、実際には強制ではなく親によって業者に売られたことを自分が知らなかっただけなんだ、という人がいるわけです。実際、日本ではその論が説得力を持ちます。


しかし、それは韓国人の親の情緒と、特に当時の徹底した儒教文化をまったく知らないでいう話です。韓国の当時の文化というものは、「銀粧刀」に象徴されるように、親が娘を教える時に「女性の貞操は命以上に大切なものだ」と教えるものであり、さらにはそもそもの「韓国の親の情緒」としては、いかに金銭的に貧しいとしても、子供の「貞操」を売る親は当時も今もとうていあり得ないということです。もちろん、まったくなかったとはいえないにしても、そこが韓国文化の根幹であるということは、この地に25年生きてきながら実感してきた私自身の確信でもあります。


ということで、話が変な方向にいっているように思えるかもしれませんが、すなわち、スペイン映画の原作のほうで描いていた内容は、スペイン人なら可能なのかもしれないけれど、韓国人の場合、「親の情緒」としてとうていできないことなので、韓国版リメイクではその部分を変えているということなのです。これは変えているので、韓国版を見ても分からないし、ネタばれにもなりません。韓国版にはない内容だからです。(^^;)


これ以上は書けませんが、関心のある方はぜひDVDなどで韓国版とスペイン版の両方を見比べていただければご理解できると思います。面倒くさくてすみません!(>_<)


でも、上の話を抜きにしてもそもそもよくできたシナリオなのでとっても面白かったです。何より最初から犯罪を犯した犯人役のキム・ガンウさんの演技が最高でした!彼の演技力の最高峰の作品ではないかと思います。上の話を抜きにしてもお勧めです!ヾ(≧∇≦)〃♪



【あらすじ】 妻(キム・ヒエ)を殺害して完全犯罪を計画した夫(キム・ガンウ)。何時間か後、国立科学捜査研究の死体保管室で彼女の死体が跡形もなく消える。そして夫に届いたメール一通。「私たちの秘密を埋めた所で待っているから」。夫を疑い始めた刑事(キム・サンギョン)と、これらすべてが妻の計画だと主張する夫。彼女は本当に死んだのか?消えたのか?























映画『消えた夜(사라진 밤)』(イ・チャンヒ監督)予告編。

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