■我が息子を思いながら涙で観た戦争映画!(´ぅ_ ;`) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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「どうか、あと一人だけ」――「武器なく75人の命を救った奇跡の戦争実話」!



今回、大学生となった我が息子は日本と韓国の国籍を持っていますが、韓国で就職して暮らしていくために、本人は実は大学在学中に韓国人として軍隊に行くことを願っています。親としては複雑な思いですが、しかし、息子本人の選択を尊重しようと決めています。韓国社会では軍隊に行っていることがとても重要なことであり、実際、人間として大きな訓練になることも事実であって、妻の甥っ子たちも皆、軍隊に行ってくると、見違えるように立派になっています。


ただし、それとは別に日本人の血を引くものとして息子が考えるべきことがあるはずだ、と思い巡らしていた時に、この映画の情報を知りました。アカデミー賞6部門にノミネートされ、すでに数々の賞にも輝いている米国映画『ハクソー・リッジ(原題:Hacksaw Ridge→公式ホームページ )』(メル・ギブソン監督)です。日本では6/24の公開が予定されていますが、韓国では昨日が公開日であったため、さっそく退勤後に今日、時間をつくって観て来ました。


結論からいうと、息子のことも思いながらあまりにも多くの涙を流すことになり、息子にも「必ず観るように」とメッセージを送りました。息子も「分かった」ということでした。ということで、歴史的事実をもとにしていることもあり、ここからは具体的に内容に触れますので、映画の中だけで純粋に事実を知りたいという方は読まれないほうがいいかもしれません。



●映画の演出を超える奇跡の事実


この映画は、第2次世界大戦の沖縄戦で一人で75人の命を戦場から救い出した米軍医務兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマであり、「真の勇敢さとは何か」ということを問いかけるものです。デズモンドは軍隊に自ら志願しながらも、銃に触れることをいっさい拒否するという独特な「良心的兵役忌避者(conscientious objector)」です。当初はキリスト教の信仰だけがその理由かと思いましたが、そうではなく、それが彼の生い立ち上のトラウマによる個人的信念でもあるということが表現されています。


そのことのゆえに最初は部隊内でひどい集団暴行も受け、軍法会議にまでかけられて刑務所に入れられそうにもなりますが、結果として彼の揺らぐことのない信念が認められ、沖縄戦に医務兵として参戦します。そして「ハクソー・リッジ(前田高地)」と呼ばれる150メートルもの断崖絶壁の上における戦いで、日本軍の攻勢でたくさんの仲間が死に、100人を残したまま部隊は崖を降りて退却してしまうのですが、デズモンドはその夜、たった一人で崖の上に残って、朝までかけて生存者を一人ずつ戦地から救い出していくわけです。


実は、映画のエンディングに実在のデズモンド本人と同僚の本人が登場してインタビューに応え、当時の映像なども出てくるのですが、驚くべきことはこれらがそのまま事実であり、映画の脚色であるかと思ったことまで、本当に当時、彼が実際に行ったことであったということです。それ自体がまさに奇跡であるわけです。


彼は、最初の1人を担いで崖まで戻り、下にいる仲間に引き渡すのですが、その時、「どうか神様、あと一人だけお願いします」と祈って再び戦場に走っていきます。そして、敵がうろうろしている中を本当に間一髪で切り抜けながら、また一人を救って崖まで戻ります。そして、「どうか神様、あと一人だけお願いします」と祈って走っていくのです。


部隊長は次の朝、置き去りにしてきたはずの部下たちが皆、医療テントで治療を受けている姿を見てびっくりし、自らがデズモンドに対して考えていたことが完全な誤りであったということを知ります。そしてその彼の勇気こそが、この後の戦いで実際にこの部隊を勝利に導いていくのでした。



●歴史的「信念」の延長に立つために


この映画を通して何よりも私が感じたことは、劇中に描かれる当時の日本とはまったく違って生まれ変わった、現在の日本という国についてです。すなわち、その当時の日本はたしかにデズモンドの敵の側にいたのだけれど、今の日本はその当時の反省と、主人公と同じような「トラウマ」を通して、少なくとも「恒久平和」を謳うようになった憲法と共に、むしろまさにデズモンドとよく似た「信念」の位置にいるんだ、ということです。私は当然、我が息子にも日本人としてのその事実を伝えなければならないと感じました。


もちろん、私は決して息子に「良心的兵役忌避」を勧めるわけではありませんし、それが本当は好ましいことなんだ、などということを伝えたいわけでもありません。この映画は主人公が医務兵であるということもあって、その視点からあまりにも露骨で悲惨な戦場の残酷シーンが映像化されていますが、少なくともそれら歴史的惨劇を代価として、その当時の日本が現在に遺してくれた一つの「信念」の延長の歴史に立って、すべての物事を考えるようになってほしい、ということですよね。


そのために、息子がこの映画を観た後で二人でそのようなことを話し合ってみたい、と感じた映画『ハクソー・リッジ』、お勧めです!主演のデズモンド役が、『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールド君ですが、彼にしかできないと思わされる、すばらしい演技でしたし、韓国では今月末から公開される、遠藤周作原作の『沈黙 -サイレンス-』の主演と共に、今一番熱い俳優なのではないかと思いました。(*´ヮ`)/



















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