●ソウル生まれの大衆的スープ料理
今回日本から来られたお客さんを夕食にお連れしたのがこちら。ソルロンタンの最も有名なチェーン「神仙ソルロンタン」(→ホームページ
)の明洞店ですね。仙人のマークが目印です。
日本の方にはどこよりここの味が間違いないだろうと思います。はっきりいって私の好きなソルロンタンの味はまた別にあるんですが、少し癖があるかもしれませんからね。ここのは、とてもポピュラーでマイルドで整った味ですよね。(*´▽`)
キムチも美味しいですが、日本から来られたお客さんも「今回の観光で一番、キムチとカクトゥギが美味しかった」とおっしゃってました。こういう白いスープのお店は、キムチの味がその魅力の半分を占めてます。
ところで、ソルロンタンについてですが、ソルロンタンの今の正確な表記は「설렁탕」となっていますが、ここのお店は「설농탕」と表記しています。どちらもカタカナにすると同じ「ソルロンタン」ですが、韓国語では母音が明確に違います。
実は、このソウル発祥の最も大衆的な「タン(湯)」料理の定番「ソルロンタン」の由来にはいくつかの説があるんですよね。今では「설렁탕」が標準とされ、この場合、漢字はないのですが、少し前まで、「설농탕(雪膿湯)」と書かれている表記が併用されていたものです。
●「ソルロンタン」名前由来の諸説
一番有力な説としては、ソウルの東大門区の、その名も祭基洞に「先農(ソンノン)壇」という祭祀を行う場所があるのですが、高麗時代、朝鮮時代の昔にそこで、王が直接、農業を始める「先農(ソンノン)祭」を行ったわけですよね。当時は農業の豊作・不作の責任が王にあったからなわけですが、そこで「親耕」といって、王自ら畑を耕す姿を見せて農業を尊重したわけです。
この時に、穀物や家畜を祭壇に捧げるわけですが、その中で一番大きいのが牛一頭であるわけで、行事が終わるとその牛をそのまま煮込んで、国民たちにスープを振る舞い、供え物の穀物もご飯にしてふるまったとされ、それが「先農(ソンノン)湯」と呼ばれるようになり、それがなまって、スープ自体が雪のように白いことから「雪膿(ソルロン)湯」になったという説です。
さらにもっと具体的な説もあって、朝鮮時代の最も有名な王である、ご存知、ハングルの創製者・世宗大王が、同じように「先農祭」に出かけた時に大雨に降られ、長い時間動けなくてお腹がすいたため、「親耕」に使った牛をその場でほふって、真水に煮出して皆で食べたのが始まりだという説です。これは何より「ソルロンタン」屋さん自体が好んで、壁などに貼りだす話ですが、何でも偉い人を出せば、大義名分が高まるということで作られた話ではないかともいわれています。(ところで、この「先農祭」は、植民地時代に日本によって一度廃止されていますが、1979年に再開されるようになり、現在も行われている行事です)
●韓国的「すっきりさわやか」を体験
いずれにせよ、現在の「설렁탕」の表記による「설렁(ソルロン)」は、さわやかだという意味になるのですが、韓国人はコクのある熱いスープを飲んで胸がすっとする感覚を「さわやか」と表現するので、その意味もあって最終的に定着したのではないかと思いますよね。
こういう濃くて熱いスープでどうして、「すっきりさわやか!」になり得るのかは、疑問を抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ実際に韓国に来られて食べて体験してみてください。私も最初は理解不能でしたが、今ではその感覚に充分同意しています。(*´▽`)
【行き方】 明洞駅から明洞通りを入って右に曲がるとあります。
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