■ある意味、誰かの口にご飯が消えてくのを見る映画 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


「『新世界』の制作陣の2014年最初の作品!」


現在、また昨日から東京に来ています。日本で韓国語を教えている韓国語教師(韓国人)の集まりで、日韓の文化の違いと、韓国語を教えながら韓国文化をどのように教えるか、韓国語の心情世界について韓国語で講義することになっています。


ということですが、時間は結構あるので、映画の紹介を一つ。これも今年の初めに観た、とても泣かせる映画として記憶に残っている『男が愛する時(남자가 사랑할 때)』です。胸痛いヤクザ映画ともいえますが、どちらかというとメロドラマの要素のほうが強いです。


韓国では、よく「子供の口にご飯が入っていく以上に、見ていて嬉しいものはない(자식 입으로 밥들어가는 것처럼 보기 좋은 것이 없다)」といいますが、人がご飯を食べるのを見つめることは、その人に奇妙な感情移入をしてしまう結果を生むのかもしれません。


この映画で、ファン・ジョンミンさんが演じる、ヤクザで借金取りのテイルは、借金を取り返しにいった先の女性ホジョン(ハン・ヘジン扮)のことが好きになります。ホジョンは病気のお父さんを世話していて、その病院費のために、願わない相手からの借金に手を染めてしまったわけです。


ホジョンに会いに何度も足を運ぶテイルですが、ホジョンにはそれが、見かけが怖いヤクザであるテイルの脅迫としか思えません。


やがてテイルは、ホジョンに「自分とデートをすれば、一回に何十万ウォンずつ帳消しにしてやる」という覚書を差し出しますが、ホジョンはそれがまたテイルの新たな脅迫であると思い込みます。しかし、他に手もないため、ホジョンはその契約を交わすわけです。


愛の表現を知らないテイルは、二人で大衆食堂に入り、メニューをズラリと並べて一緒に食べるということしかできませんが、そのわけの分からないデートをただ借金を返す手段としてしか考えないホジョンは、毎回、自分の分の料理にいっさい手をつけずに、黙々と食べるテイルの前に座っているだけです。テイルは、それはそれはたくさんの料理を並べ、それはそれは一生懸命に食べ続けます。


しかし、ある日、ホジョンは偶然、テイルが自分の病気のお父さんの体を拭いてくれている姿を見かけます。病室で、意識のないお父さんに親しく話しかけながら、アカスリをするように全身くまなく吹いているテイルの姿を偶然、見かけたホジョンの心が動きます。


その日のデートで、またキンパプ、ラーメン、マンドゥ、トッポッキなど実に多くの料理を二人分ずつ並べて、黙々と自分の分を食べ続けるテイルの姿を眺めていたホジョン。とうとう、箸を手に持ってトッポッキを一つ口に運ぶのです。ここが愛の始まりとなります。



●不器用なヤクザの人情演技はこの人


これは映画の冒頭で起こる愛の始まりまでの部分です。全体的にはやっぱりとても悲しい映画であって、その中で涙を流すしかないジョンミンさんの一途な姿が本当に泣かせます。


そして、一番、悲しい、最後の最後のほうのある場面も、ジョンミンさんがご飯を食べながら、ある言葉を語るシーンということになります。そういう意味では、これはジョンミンさんがご飯を食べる映画なのですが、それがどうしてこんなに泣かせるか分かりません。


ファン・ジョンミンさんはつくづくいい男だなあと思います。不器用なヤクザの人情演技は、昨年の映画、『新世界』(パク・フンジョン監督)でのチョン・チョンと同じです。そして、ジョンミンさんがこの演技をすると、その映画は間違いなくよい映画になると思います。
































『ドヒ(도희야)』(チョン・ジュリ監督)予告編。


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