■「天地開闢」と韓国おにぎり新時代の幕開け!≧▽≦)ノ♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

韓国では「チュモク・パプ(おにぎり)」をウリにする粉食屋さんが人気。まさに隔世の感ですね。



●「天地開闢」が起こった大韓民国


なんかすっごい、大げさなタイトルで始めましたが、韓国で「チュモク・パプ(おにぎり)」が売られることが「天地開闢」である!ということを書きたいと思います。(*´▽`)


「天地開闢(てんちかいびゃく=天地が開かれること)」とは、他でもない韓国の朝鮮末期の民衆宗教「東学(現在は天道教といっています)」が唱えた一つの予言であり、朝鮮に対する日本の支配が終わる頃に、もう一度、天地が新しく開かれる、ということを語ったものです。「東学」では、それ以前の古い時代を「前天時代」といい、後の新しい時代を「後天時代」と呼びます。


で、具体的には何をもって天地が新しくなるのか。それは、あらゆる身分の貴賎や儒教の秩序がひっくり返り、それまで虐げられて人間扱いされることがなかった、女性や子供、庶子などが貴い存在となるし、「士(※韓国では両班)・農・工・商」の上下も逆転するというわけです。


それはまさに今やその予言どおりになってますよね。先日、新しいマンションが近所に建ったので、一応部屋を見に行ったら、家のど真ん中に、広~い調理スペースのあるキッチンがで~んと占めていて、リビングよりも存在感があることに驚きました。(その名もスマート・フォンならぬ「スマート・ビラ」でしたが…)


これなんかがまさに「天地開闢」なわけです。以前の韓国では、台所は家の外にあって、薪で火を起こしながらお嫁さんが一日中そこで過ごし、その土の床にコンクリートを敷いたというだけで大喜びしていたわけですから。今やまったく逆転して、主婦が家庭の中心存在となっている、ということになります。といっても私も料理が好きなので、その部屋を見ながら「いいなあ」と思ったのですが、この、夫が料理を楽しんでいることも、「天地開闢」なわけですよね。(^^;)


庶子に対する身分差別などももちろんなくなったし、子供も家庭の王様のようになったし、「士(=両班)農工商」も、今やビジネスマン(商)が最高だし、工業、農業の人気順位も逆転したし、あれほど、神様のような権威で血統を誇り、尊敬されていた「両班」は、あとかたもなく消え去ってしまいましたからね。



●昔は考えられなかった「おにぎり」人気


ということで、やっと本題に入りますが、そのようなあまたの「天地開闢」の中でも、私が最も驚いている「天地開闢」が最近の韓国での「おにぎり」人気!


この「おにぎり」は、韓国語では「チュモク・パプ(拳ご飯)」といって、元来は牢屋の食べ物だったわけです。韓国では、ご飯というものは、お膳があって、そこから背筋を伸ばして、ゆっくり匙ですくって一口ずつ食べるのが、貴い両班の姿だったわけですが、それを握って固めて、しかも手に持って直接かじるなどというのは、貴い人間にあるまじき姿であり、牢屋で人間扱いされない人たちが食べる食べ方だったわけです。


ちなみに、かつての両班にとっては、西洋のナイフにフォークなどもまた考えられない食べ方で、アメリカに行った朝鮮の外交官が食事の席でビックリして、「ナイフで肉を切るなどというのは最も卑しい『白丁(ペクチョン)』の仕事だし、このフォークとかいう三枝槍のようなものは、私たちの朝鮮では畑を耕す時に使うんだ!」といって食べなかったという逸話もあります。


もちろん、それは過去の笑い話ですが、それでもつい最近まで、この「チュモク・パプ(拳ご飯)」だけはやはり皆、抵抗があったのも確か。許されるのは、キンパプ(海苔巻き)を箸で食べるところまででした。ところが、今やこの大韓民国で、おにぎりをウリにする食堂たちが出現し、それが若い人を中心として人気になって、チェーン店もどんどん広がっている。これが「天地開闢」でなくて何でしょうか!ということなわけです。



●涙ぐましい「チュモク・パプ」復権の歴史


しかし、ここに至るまでは、何段階の過程を経てきたことも忘れてはなりません。


まずは、日本発のファミリーマートが韓国に進出して、日本における主力商品であるおにぎりを売る戦略として、それを「三角キンパプ」と銘打つことで、「チュモク・パプではない、三角のキンパプなんだ」といって受け入れられ、初めてこの「手に持って食べるご飯」が可能になりました。次には、「それの手製のものなんだ」というウリで「手製オニギリ」屋さんが登場して、けっこうな人気になりました。が、この時も日本語の「オニギリ(오니기리)」という名前を使っていて、「チュモク・パプ」のイメージは避けていたわけです。


ところが、それが定着した今は、とうとう、これは韓国の固有名詞においては「チュモク・パプ」じゃないか、ということで、この店のようにちゃんと「チュモク・パプ」と名乗って売るような店が登場して、「チュモク・パプ」の復権が完成したというわけです!「両班」が消え、「チュモク・パプ」が人気になる、こういう予言は「東学(天道教)」にもなかっただろうと思いますね。(*´▽`)


「チュモク・パプ」はもう逆におしゃれな人気食品ですからね。もはや、私たち日本人がおにぎりが好きだからといって、それを士大夫的な白い視線で見られるというようなこともなくなった(もともとなかったかもしれませんが…^^;)、というわけですね!まさに韓国おにぎり新時代の幕開けであり、これはもう、あらゆるものが平等の時代になったということではないでしょうか!わーい!ヾ(≧▽≦)ノ"♪



先日たまたま人と会ってご飯を食べようとソウル駅の向かいのビルに入ったら。



「孔さんのチュモクパプ」という粉食店が目に付きました。



「チュモクパプ」という前面に押し出した店の名前に、思わず友人を説得して入りました。


おお!まさに握り飯ですね。


でもまだ何か違うような。セットメニューを頼んで、おにぎりに卵などのトッピングをしてみましたが。



それでもやっぱり、韓国おにぎり新時代の幕開けです!≧▽≦)ノ♪



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