■カーネーションの“勲章”を辞退した父母たち | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

胸につけるべき赤いカーネーションを抱いてデモと記者会見をする全国学父母会の代表たち。



韓国は、本来ならば1年のうちで最も笑顔が多い月である“家庭の月”5月を迎えたはずなのですが、例年ならばテレビや街に溢れているはずの家族の笑顔はあまり見られず、涙ばかりが目に付くような雰囲気です。


父母を持つ人間であり、ましてや子供がいる親ならば、ふつうの状態では過ごせなかった、これまでの24日間であるわけですから、この傷が癒されるまでの期間が必要だし、怒りもまた追求も、すべてが誰かのためであると同時に自分自身のために、必要なことであると思わざるを得ません。


今日5/8は、韓国の「オボイ・ナル(父母の日)」です。今日は、ほとんどの父母が朝、子供から胸につけてもらうのが、赤いカーネーションの“勲章”。ふつうは造花で子供の手作りという場合が多いです。私も朝つけてもらいました。


ところが、一部の韓国の父母たちは、今日、その“勲章”を辞退しました。今日の午後、「真の教育のための全国学父母会」の学父兄代表たちは、ソウル市内をデモ行進し、「セウォル号犠牲者を思うと、子供たちを守れなかった父母の一人として、恥ずかしくて、とうてい胸にカーネーションをつけることができない」としながら、ソウルの光化門広場で記者会見を行いました。


父母たちは、「オボイ・ナル」のカーネーションを胸につけずにそれぞれ手に持ち、追悼のための折り船の中にそれを集め、それを抱いて行進すると共に、光化門広場では地面に置いて、「セウォル号惨事の痛みの中で私たちはカーネーションをつけることができません」という横断幕を広げ、「セウォル号惨事真相究明および責任者処罰を要求する全国学父母記者会見」を行いました。


プラカードには、「子供たちが最後まで切なく呼び続けた名前『オンマ!』~今や私たちが答える時です」と書かれ、「国家の存在理由は何か?」、「言論の使命は何か?」、「教育の目的は何か?」と問いながら、事件の真相究明と責任者処罰を要求しました。


その場は、父母たちの涙の訴えに満たされ、ニュースはそれを『涙の父母の日』と伝えました。


なお、韓国では現在、「日本の安全敏感症がオーバーだと思った」という記事を、2年前に『中央日報』に書いた記者が、その記事の内容を恥じて、「安全意識においては、行き過ぎることが足りないことより百倍もよいということを切々と感じる」と同じく『中央日報』に書いて大きな注目を浴びています。「日本に学ぶべき」という意見は、韓国の新聞ではよく見る論調ではありますが、今回はそのような主張がいつよりも増して強くなっています。



「セウォル号惨事の痛みの中で私たちはカーネーションをつけることができません」。





写真は皆、ニュースサイト『news1』から。同記事は、この日を『涙の父母の日』と伝えています。



「父母を罪人にした…」。



「オンマたちにツノが生えた」。



この日、ほとんどの父母が子供から胸につけてもらうカーネーション。私も朝つけてもらいました。
それを胸につけず、手に持って行進しています。
リボンには「ありがとうございます。愛しています」と書いています。



「私たちはカーネーションをつけることができません」。



自分のカーネーションを外して追悼の船の上に載せる市民。





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