■我が息子と同い年とは思えないジング君の存在感!*´▽`) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


「父さん。…なぜボクを育てたんですか?」。


今回も、昨年末に観た韓国映画の紹介ですが、極度のバイオレンスではあるけど、それでいて心に深い印象が残った作品として、『ファイ~怪物を飲み込んだ子供(화이 : 괴물을 삼킨 아이)』(チャン・ジュンファン監督)をご紹介します。


一見すると、まさに題名のとおり怪物のような話であり、怖~い俳優のキム・ユンソクさんも出ているし、彼に注目するならば、ひさびさに『チェイサー(原題:추격자)』や『黄海』ばりの血なまぐさい作品の登場だと見ることもできます。


しかしいっぽうで、この作品を残酷な暴力物のように簡単に済ませたくないのが、主演のヨ・ジング君の存在ですよね。ジング君は我が息子と同い年の16歳ですが、今回の演技は本当にすごいです。すでに、韓国を代表するような演技派俳優が揃う中でも頭一つ出た存在感を見せています。


SBSドラマ『ジャイアント』で注目され、同じくSBSの『根の深い木』で、観る者の心をつかむ演技力が人気となり、その後も、MBCドラマ『太陽を抱く月』、MBCドラマ『逢いたい』でどんどんファンを増やしていきました。


しかし、残念なのは、それらが皆、子役扱いであり、主人公の幼少期を演技することに終わって、いわば演技の完結がなかったことです。


それが今回のこの映画で充分に完結した演技を見せ、しかも天才子役ではない天才演技者としての演技力を充分に発揮したことで、まさに彼の映画といってよい作品世界をつくり出しています。


そのようにみれば、これはバイオレンス映画の形を借りて、実は思春期の父子の関係を描いた少年映画であるとも見ることができます。そう思ってみれば、ジング君の目がちょっと在りし日の尾崎豊なんかにも似ています。


というのは、この映画の段階段階で、布石のように出てくる台詞たちが、ちょうど思春期の息子がいるどの家でも、父子の間で交わされていそうな言葉ばかりだからです。それはやはり意図的なものであるだろうと思います。


「アッパ、酒飲んだら運転するなよ」
「ボクが遅刻したらアッパのせいだぞ」
「違う!アッパもおんなじだ!あっちへ行け」
「結局、ボクを騙したんだ」


「アッパが恥ずかしいのか?」
「アッパと話をしよう、ファイや、もうそのくらいにしろ」
「アッパが悪かった、すまなかった、ファイや」
「俺はお前だけがいればいいんだ」


すなわち、思春期の男の子という存在は誰もが「怪物を飲み込んだ子供」に他ならず、この映画に出てくる5人の「アッパ」たちは皆、思春期の少年にとってのアッパが持つ多様な意味を表しているに過ぎないということですよね。


大人と子供の境を行ったりきたりしながら、抑え切れない正義感と自己中心、無分別さと思い込みの激しさ、それら相反する強さをもてあまして、結果的に暴走して暴れ回っては、母親と父親がその対処を巡って、大騒ぎして夫婦喧嘩を始め、しかし最後は父親の確固たる愛によって、折れ曲がったまま息子の位置に戻っていく、そのような家庭の話であるということもできるのではないでしょうか。


あながち、主役が息子と同い年だからそう思うのだ、ということばかりでもないだろうと思うのですが…。(^^;)



【あらすじ】 5人の犯罪者を父親にした少年“ファイ”。


冷酷なカリスマのリーダー“ソクテ”、運転専門のどもり“キテ”、理性的な設計者“チンソン”、銃専門の狙撃手“ボムス”、冷血な行動派“ドンボム”までが彼の「アッパ」である。


ファイは、学校の代わりに5人の父親たちが持つ技術を学びながら、他人とは違う育ち方をしたが、自分の過去を教えられないまま、そこに順応して過ごしてきた。


しかし、ファイが父たちのように強くなることを願うリーダーのソクテは、ある日、犯罪現場にファイを連れていく。


一発の銃声が鳴り響いたその日以降、隠された真実に直面することになったファイと、彼を囲むすべてのものが変化をし始める。


「父さん。…なぜボクを育てたんですか?」







































『ファイ~怪物を飲み込んだ子供(화이 : 괴물을 삼킨 아이)』予告編。


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