●ワカメちゃんから栗色カール!
3/2は、韓国の新学年度初登校日でしたが、ソウル市の教育庁が出した「学生人権条例」が発効しての初登校でもあったため、メディアには、さっそく中学生や高校生が、染めた髪やパーマ、ミニスカートで登校しているという報道がなされていました。
もちろんまだ議論が続いており、これに反対する政府の教育科学技術部(省)が出した「小中等教育法改正案」が2/27に国会を通過、各学校は教育庁の干渉を受けずに自律的に校則を決められる、としたため、学校によっては変化なしのようですが、流れとしてはすでに決まった感じですよね。
韓国が変化が激しい国だということは知っていましたが、変わる時に一気に変わるので驚きます。ついこの間まで、学生指導の先生が校門で竹刀を持って校則を守らせ、みんなぞろっとワカメちゃんカットだったという印象の韓国なんですが…。(^^;)
これまで韓国の女の子というと、高校生まではみんな元気に揃った野菜みたいだったものが、大学に入ったとたん突然、ショーウィンドウのケーキみたいに美しくなって…、ちょっとたとえがあれですが、「いったい短い春休みに何が起こっているんだ」という謎だったものですが、それもこれからは変わるということになりますねえ。
というか、今回の「学生人権条例」では、小・中・高の生徒皆に対して、「頭髪、服装自由化など個性を実現する権利」、「所持品検査の禁止、携帯電話使用の自由など、私生活の自由の保障」を謳っているので、このままでは日本以上に解放されたことになるんですよね。
たとえば、日本の中学に留学した我が娘は、髪がもともと少し褐色なんですが、日本の中学では、最初、染色を疑われて、その後、私が先生と話して誤解は解けたものの、やっぱり他の生徒の手前ということで、黒く染めさせられたのでした。ところが、今や韓国の「学生人権条例」を出している地域では、小・中・高で頭髪が自由になったわけですから、日本以上ということになります。
●生徒自身も「学習権侵害」を懸念
韓国社会は、国民が情的にわっと騒ぐと、政治家がみんな一肌脱いで、体制が一気にがガバッと動いてしまうという傾向がありますが、「学生人権条例」は、ここ何年もの間、メディアが騒いできた問題――教師による体罰問題、成績競争のストレスによる自殺問題、イジメによる自殺問題などを、一貫して生徒たちへの人権抑圧が原因としてきた左派系の視点の結実だといえます。
もちろん、その背景には、子供たちに同情する国民感情があり、それでなくても勉強、勉強で異常なストレスを受けている子供たちに、余計なストレスを与えたくないという思いを背景としているでしょう。しかし、今回の「条例」に対しては、国民の間でも反対の声が多く、教育共同体としての学校秩序の崩壊、さらに教師の教権だけでなく、生徒の学習権の侵害も懸念されています。
すなわち、多くの母親たちは、子供が頭髪などのオシャレに関心を持つことで、勉強に障害になるということ、さらには、それでなくても私教育費にお金がかかるのに、「友達がみんなやっている」ということで、ますます子供への出費が増すことなども心配しているようです。
また、ソウル市内中学高校の全学校長たちを集めた「校長研修」では、現実には生徒による教師への暴力が問題になっているのに、「生徒がナイフを持っていても所持品検査をしてはいけないのか」、「現在の学校の状況をちゃんと分かっているのか」という批判が起こっています。
さらにこれはいかにも韓国らしい感がありますが、保守系の政治団体は、「集会の自由および学生表現の自由の保障」項目によって、校長や特定の教諭を退職に追い込もうとする教職員労組が、生徒たちを扇動してデモをさせたり、学校を自分たちの政治的理念の空間として掌握することになる、ということを懸念しています。確かにこの項目は政治的な臭いを感じますよね。
そういう中で、当の生徒自身からも反対の声が上がっていることが注目に値すると思いますが、2/29にはソウルの高校生フォーラム所属生徒たちが記者会見を開いて、反対声明文を発表。単に生徒の自由だけを謳って、未成熟な生徒たちに責任でなく権利だけを与えることで、むしろ学校の秩序崩壊が起こり、教権だけでなく、他の生徒の学習権まで侵害される、としてます。
いずれにせよ、とりあえず、我が息子の通う中学校では、「何も変わっていない」ということだったので、一安心しています。我が妻も「何を考えているのか!」と嘆いていますし…。親としては心配な動きでもありますよね。T▽T
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