■なぜ、韓国の有名人は寄付をするのか?´▽`) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

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自らの誕生日にファンと共に小児病院に大金を寄付したG-DRAGON。


●なぜ、韓国人は「1等」を目指すか


先日、映画俳優のハ・ジョンウさんが自らの新しいCMの出演料全額を、目の不自由な人たちの開眼手術費用として寄付することにしたという話、そして、BIGBANGのG-DRAGONの誕生日を記念して、ファンたちがソウル大小児病院に2千万ウォン(約150万円)を寄付し、それに感動したG-DRAGON自身も5千万ウォン(約380万円)を寄付した、という話題をツイッターで紹介しました。


なぜ、韓国のスターは皆、多額の寄付や社会奉仕を、率先してするのでしょうか。今日はそれを、先日、ガンプラショップを紹介した時に書いた、韓国の子供たちの熾烈な成績競争という状況と関連付けて説明してみようと思います。


韓国社会の強い競争原理、すなわち、皆が「1等」を目指すという上昇志向は、韓国文化の「男性原理」から来ています。だからこそ、「和」を大切にして平等を何より重要な美徳だと考える「女性原理」的な文化を持つ私たち日本人の目には、それがいびつなこと、よくないことのように映ってしまうわけです。


何といっても、小さい頃から社会で誰よりも成功して「1等」になることを目指し、そのためによい大学に入らねばならず、そのために小中高もよい成績を取らねばならず、そのためには幼稚園で、あるいはもはや生まれた時から、人よりも努力しなければならない、という競争原理は、私たちの目にはひたすら荒んだものとしてだけ映ります。


しかし、同時に私たちが不思議に思うのは、どうしてそこまで堂々と、まるで公的な一大事のように誰もが「1等」を目指せるのか、ということではないでしょうか。日本でなら、それはある意味、他人を蹴落として自分だけ幸せになろうとする「自己中心」的な考えだとされるはずなのではないでしょうか。


しかし、韓国人はそのようには考えないのです。それはなぜか。



●「与えたい」上昇志向の共同体社会


その理由は、一つにはそのような考えが、男性原理のもう一つの特徴である「主体意識」から来ているためです。すなわち、その根底には主体として、「与えたい」思い、「人間は与えるもの」、「自分は与える存在」であるという認識があるのです。そして、もう一つは、韓国社会が日本のように個人主義が進んだ社会ではなく、まだまだ、関係性によって深く結びついたネットワーク社会であるためです。


すなわち、この競争社会を主導する大人たちが、それを子供たちに教える言葉は次のようなものになります。「お前は1等にならなければならない。なぜなら、お前は多くの人の世話を受ける人ではなく、多くの人を世話できる人になるべきだからだ」


いわゆる、血縁、地縁、学閥、門閥などといいますが、そのように深く結びついている関係性の中で、韓国人は元来、家族、友人、同窓生、同門の人々の世話になっている人たちなのです。だからこそ、その人々のために、世話される人でいるよりも、成功して、その全体を利する人にならなければならない、という考えが生まれます。そして、さらに大きくは、国や世界もその関係性の延長にあるのであって、国や世界を利することができる人、すなわち、そういう「立派な人になりなさい」ということなのです。


女性原理的な私たち日本人には理解しにくくても、そのように主体意識である「与えたい」という動機、それがもとになった上昇志向の共同体社会。それが韓国の男性原理社会なのだ、ということです。


冒頭の話題に戻れば、私たちは韓国の芸能人が、やたら大きな寄付活動をすることに驚くことが多いわけですが、実際、そのように表立って寄付をしなかったとしても、上記のような縁で結びついた韓国社会においては、すでに彼らは、その成功によって多くの人を世話している人でもあるわけです。さらに、その主体意識が、より広い社会や国家、世界に向けて行動に移されると、それが自然な「寄付」という形になって表れるということなのです。


震災の中で世界中を感動させたように、私たち日本人の譲り合いの心も、世界に大きく誇るべきものですが、一見対照的に見える韓国人の主体性や上昇志向にも、韓国文化としての美徳があるという話でした。(*´▽`)



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